伊豆急行線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
伊豆急行線
川奈 - 富戸間を走る2100系電車「リゾート21」(2010年3月30日)
川奈 - 富戸間を走る2100系電車「リゾート21」
(2010年3月30日)
伊豆急行線の路線図
路線総延長 45.7 km
軌間 1067 mm
電圧 1500 V 架空電車線方式直流
最高速度 90 km/h
海岸線沿いを走る区間もある
(2006年3月、片瀬白田 - 伊豆稲取間)

伊豆急行線(いずきゅうこうせん)は、静岡県伊東市伊東駅から静岡県下田市伊豆急下田駅を結ぶ、伊豆急行鉄道路線

目次

[編集] 概要

伊豆半島東部の海岸沿いを走っているが、実際に海が見える区間は半分程度である。これは伊豆半島特有の山が海までせり出す地形のために、トンネルを多用しなければならなかったためである。また、箱根山戦争の余波(伊豆戦争とも呼ばれる)により西武系の企業に現在の下田プリンスホテル付近などの海沿いの土地を押さえられてしまい、河津 - 伊豆急下田間で山側の現在の谷津トンネル経由にルートを変更しなければならなかったことも影響している。

しかし伊豆急行沿線は、古くから温泉街が多く、建設当時はトンネルを掘る際、地盤に源泉が染み込み、たびたび落盤事故を引き起こしていた。この事故で、多数の建設員が犠牲となった。

川奈 - 富戸間では、海抜100m超の位置から海を見下ろすことができる。眼下には川奈岬、川奈ホテルゴルフコースが広がる。片瀬白田 - 伊豆稲取間では波打ち際近くを走る、伊豆急の車窓を代表する区間で、「リゾート21」に乗車すると、視界いっぱいに海が広がる。車内放送でワンマン列車を除き車掌が伊豆七島の案内放送をする(伊豆急行線に乗り入れてくるJR東日本の特急「スーパービュー踊り子」ではNREのビューアテンダントが放送を担当する)。

2010年(平成22年)3月13日に全線にSuicaを導入し、これによりPASMOなどSuicaと相互利用可能なカードも利用可能となった[1]。なお、伊豆急行ではJR東日本発行のSuicaの発売のみで、自社での発行は行わない。定期券も従来のものである。なお、伊東から伊豆急線内を利用すると、履歴には「伊急伊東」と表記される。

全駅とも伊東駅を除き自動改札機は設置されておらず駅員が列車ごとに改札を行う。前述のようにSuica導入に伴い、南伊東からの各駅にICカード用の簡易改札機が設置された。一部の駅では自動券売機が設置されており、特急停車駅ではみどりの窓口が設置されているが伊東駅を除きクレジットカードは使用不可である。

全駅有人駅であるが特急通過駅では一部時間帯は無人となるため全ての特急通過駅に乗車駅証明書発行機が設置されている。この乗車駅証明書発行機はJR東日本の乗車駅証明書発行機とは全く違い路線バスなどに設置されている小田原機器製の感熱紙整理券発行機が使用されている。駅員がいる場合でも駅の見回りなどで不在のときに使用されることがある。

最近JR東日本と同タイプのものでない非常ボタンが設置されている踏切を対象に非常ボタンがJR東日本と同タイプのものに交換されている。また特殊発光信号機は踏切では伊豆急行独自のデザインのものが使用され海岸線や山間部などに設置されている落石警報では一般的な反時計回りに点灯する五角形のものが使用されている。踏切動作反応灯は一般的なデザインのものが使用されている。踏切の警報音はほとんどの踏切が東急の踏切と同じ警報音が使用されている。

[編集] 路線データ

[編集] 運行形態

1961年の開業当時より優等列車の多くは、伊東駅で接続しているJR東日本の伊東線を経由して東海道本線と直通している。普通列車も、朝晩は後述するワンマン運転を行っているものの、日中午前7時から午後6時までは伊東線の熱海まで直通運転する列車が多い。また、東京からの普通列車グリーン車を連結しており、それに合わせる必要があったことと、別荘地を走るため需要が見込めることから、かつては伊豆急行でもグリーン車を保有し、自社の普通列車にも連結していた。のちに特別車両の「ロイヤルボックス」を連結するようになったが、現在では東京へ乗り入れる特急リゾート踊り子」以外の自社列車にはグリーン車やロイヤルボックスなどの特別車両の連結はしていない。JR伊東線の熱海駅 - 伊東駅間の伊豆急に乗り入れない普通列車にも、伊豆急の車両が使用されることがある。(東海道線東京方面直通列車を除く)

本数としては昼間時間で1時間に2本程度。日中は伊東線直通列車を含め8000系電車2編成を連結した6両で運転される。ただし、伊豆高原以南は時間帯によって同駅で後方を切り離して3両での運転となる。その場合の後方3両は「普通 伊豆高原」と行先表示され、車内の電光掲示もそれに伴った表示となる。また、「リゾート21」での運用時も、車両交換で伊豆高原駅から先は8000系3両で運転されることもある。

[編集] ワンマン運転

早朝・夜間および日中の伊豆高原以南の一部普通列車には8000系電車を使用したワンマン運転が行われている。

ただし運転士以外にもう1人乗務員が乗務しており(日中除く)、乗車券の発券や集札を担当している。このため8000系電車には自動放送装置は設置されているものの、運賃箱整理券発行機は設置されていない。ドア扱いは全て運転士が担当し、もう1人の乗務員はドア扱いを行わない。

[編集] 利用状況

[編集] 輸送実績

[編集] 収入実績

[編集] 使用車両

[編集] 現在の使用車両

2100系電車「リゾート21」(伊豆多賀駅)
8000系電車(熱海駅)
  • 2100系電車:「リゾート21」の愛称がある。特急「リゾート踊り子」及び普通列車に使用。また、最終増備編成のR-5編成については、「アルファ・リゾート21」と名称・外観・車内仕様が異なる。
  • 8000系電車:東京急行電鉄から8000系電車を譲り受けたもの。主に普通列車に使用。この電車よりワンマン対応。
  • 100系電車2002年4月27日に営業運転終了し、大半の車両が解体された。事業用車両として両運転台車である「クモハ103」が1両残り、伊豆高原電車区に配置されていたが開業50周年記念事業の一環として2011年11月5日に復活運転を開始した。以後、旅行会社等による貸切運転やイベントでの展示、運行をする予定。

[編集] 過去の使用車両

[編集] 旅客用

[編集] 貨物用

[編集] 乗り入れ車両

[編集] 現在の定期乗り入れ車両

185系特急「踊り子」

[編集] 過去の定期乗り入れ車両

臨時列車でも夏の海水浴臨時列車などで定期的に入線したものも含む

[編集] お召し列車

下田に須崎御用邸があるため私鉄では珍しくお召し列車が乗り入れる。最近は特急「踊り子」「スーパービュー踊り子」のグリーン車に乗車しているため、クロ157形一号編成を使用した純粋なお召し列車は乗り入れていない。

一方、1973年6月5日と1975年3月12日には、御料車100系グリーン車、サロ182号を使用したお召し列車が伊豆高原 - 伊豆急下田間に運転されたこともある。

また、一号編成の後継としてお召し列車にも使用されるE655系が2007年11月8・9日に伊豆急下田まで試運転を行った。

[編集] 駅一覧

「踊り子」「スーパービュー踊り子」「リゾート踊り子」の停車駅については列車記事を参照(線内での臨時停車もあり)。

  • 全線静岡県内に所在。
  • 線路(全線単線) … ◇:列車交換可、|:列車交換不可
駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 線路 所在地
伊東線熱海駅まで直通運転
伊東駅 - 0.0 東日本旅客鉄道:伊東線(直通運転) 伊東市
南伊東駅 2.0 2.0  
川奈駅 4.1 6.1  
富戸駅 5.4 11.5  
城ヶ崎海岸駅 2.4 13.9  
伊豆高原駅 2.0 15.9  
伊豆大川駅 5.0 20.9   賀茂郡東伊豆町
伊豆北川駅 2.0 22.9  
伊豆熱川駅 1.4 24.3  
片瀬白田駅 1.8 26.1  
伊豆稲取駅 4.2 30.3  
今井浜海岸駅 3.9 34.2   賀茂郡河津町
河津駅 1.1 35.3  
稲梓駅 5.4 40.7   下田市
蓮台寺駅 2.7 43.4  
伊豆急下田駅 2.3 45.7  

ほとんどの駅が一線スルー化されている。 なお、伊豆を冠する駅名(例:伊豆稲取)が多いのは、開業当時に国鉄連絡運輸を行っていた東海自動車バス駅バス停(例:稲取)と区別するためである。伊豆北川(いずほっかわ)駅に関しては、日豊本線北川(きたがわ)駅との区別も兼ねている。

城ヶ崎海岸駅から、伊豆高原駅へと、一駅で「海岸駅」から「高原駅」に上り下りする路線であるが伊豆高原自体の標高が大して高くないので、膨大な標高差を上り下りしている訳ではない。なお、城ヶ崎海岸駅の方が伊豆高原駅よりも標高の高い場所にある。

[編集] 脚注

[ヘルプ]

[編集] 参考文献

  • 割谷英雄「伊豆急30周年ものがたり」
    交友社『鉄道ファン』1992年2月号 No.370 p43-p54
  • 割谷英雄「伊豆急40年の歴史をふり返って」
    交友社『鉄道ファン』2001年1月号 No.477 p86-p93
  • 鈴木文彦・久保田敦「地方鉄道レポート14 リゾート輸送の転機に立つ 伊豆急行のあゆみと現状」
    鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』2005年6月号 No.464 p72-p81
  • 小口喜生「伊豆急100系―名車“ハワイアンブルーの100系”走り続けた40年―
    毎日新聞社
  • 宮田道一・杉山裕治「伊豆急100形―誕生からラストランへ―
    ネコ・パブリッシング『RM library 34』
  • 静岡新聞社編集局「静岡県鉄道物語」
  • 森 信勝「静岡県鉄道興亡史」
    静岡新聞社

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語