伊藤隆敏

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伊藤 隆敏(いとう たかとし、1950年 - )は日本の経済学者。専門は国際金融、マクロ経済学東京大学公共政策大学院長・教授を経て、2015年1月からコロンビア大学教授に就任予定。紫綬褒章受章。

インフレターゲットの主唱者であり[1][2]日本銀行金融政策に批判的な論陣を張っていた[3]。また、消費税の増税による日本の財政再建を主張している[2]

人物・来歴[編集]

経営学者で後に小樽商科大学学長を務めた伊藤森右衛門の子[要出典]として、北海道札幌市で生まれる。東京教育大学附属駒場高等学校を経て、一橋大学経済学部卒業。一橋大学では荒憲治郎の弟子であり、学部四年時に大蔵省より内定を得て指導教官の荒を心配させた[要出典]が、結局、辞退し大学院に進学。金田勝年はゼミの同期。

一橋大学大学院を経て、ハーバード大学博士課程修了。ハーバード大学での指導教官はケネス・アロー。また、クリントン政権で米国財務長官を務めたローレンス・サマーズは、ハーバードでの同級生である[4]

国際金融、特に為替レートのマイクロ・ストラクチャーの研究で知られる。この分野でノーベル経済学賞受賞者のロバート・エングルと複数の共著論文がある。

日本経済学会会長(2004年度)、ハーバード大学ケネディスクール客員教授、国際通貨基金調査局上級審議役等を歴任。Econometric SocietyのFellow。

2008年3月7日福田康夫首相は伊藤を日本銀行副総裁に起用する人事案を国会に提示。3月12日衆議院は同意したものの、参議院民主共産社民国民新の野党4党の反対多数で不同意となる。その後、福田の首相辞任に伴い他の民間メンバーとともに辞表を提出し、経済財政諮問会議議員を退任。

主張[編集]

構造改革の論客であり、「混合診療も認めるべき」「TPPは積極的に推進すべきだ」「法人税率の引き下げ」「労働生産性の高いセクターに人材が動くような政策が取られているのか、むしろ衰退産業に人材を固定化させてはいないか[5]」「中長期的に国債の新規発行をゼロにするという意識が必要だ」「手厚い社会保障を維持するなら消費税率は25%まで上がる」などと述べている[6]

物価目標達成の手段としての日本銀行の外債購入について、外為法の改正なしに日銀が実施できる方法として「日銀法40条3項により、国際協力を目的に購入は可能だ」と主張している[7]

日本の財政について「日本が財政状況が危機に陥っていないのはある種の奇跡といえる。私の試算では、日本の財政危機は2023年に到来すると予想される」と述べている[8]。消費税率について、日本は他国と比べて「負担が低い」と指摘しており、消費税率の引き上げを通じて、柔軟な財政政策をとる余力があることを強調している[9]

東日本大震災後、日本経済新聞の「経済教室」で、経済学者の伊藤元重とともに復興増税を提言し、署名活動を求めた[10]

経歴[編集]

学歴[編集]

職歴[編集]

  • 1979年9月 ミネソタ大学経済学部助教授
  • 1986年8月 ミネソタ大学経済学部テニュア付准教授
  • 1988年9月 一橋大学経済研究所助教授
  • 1991年4月 一橋大学経済研究所教授
  • 1992年 ハーバード大学ケネディスクール客員教授
  • 1994年 国際通貨基金調査局上級審議役
  • 1999年 タイ財務省財務大臣特別顧問
  • 1999年7月 大蔵省大臣官房参事官(副財務官)
  • 2001年7月 一橋大学経済研究所教授
  • 2002年4月 東京大学先端科学技術研究センター教授、日本経済学会常任理事
  • 2003年 財団法人東京経済研究センター理事長、日本経済学会副会長
  • 2004年4月 東京大学大学院経済学研究科教授(東京大学公共政策大学院教授併任)、日本経済学会会長、財団法人東京経済研究センター理事
  • 2006年10月 内閣府経済財政諮問会議議員(2008年10月まで)
  • 2009年 コロンビア大学ビジネススクール客員教授
  • 2010年 東京大学公共政策大学院副院長
  • 2011年 財務省関税・外国為替等審議会外国為替等分科会会長
  • 2012年 東京大学公共政策大学院院長
  • 2013年 財務省関税・外国為替等審議会会長、公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議座長
  • 2014年3月 東京大学退職
  • 2014年4月 政策研究大学院大学教授、東京大学公共政策大学院特任教授
  • 2014年6月 東京大学名誉教授
  • 2015年1月 コロンビア大学国際公共政策大学院(SIPA)教授 兼 コロンビア大学ビジネススクール日本経済経営研究所(CJEB)所属(予定)

著書[編集]

  • 『不均衡の経済分析』(東洋経済新報社、1985年)
  • 『消費者重視の経済学』(日本経済新聞社、1992年)
  • 『インフレ・タ-ゲティング』(日本経済新聞社、2001年)
  • 『デフレから復活へ』(東洋経済新報社、2005年)
  • 『インフレ目標と金融政策』(林伴子と共著、東洋経済新報社、2006年)

受賞[編集]

出典[編集]

  1. ^ 日本は財政難から3-5年で円安、長期金利3%へ-伊藤隆敏東大教授Bloomberg 2012年3月7日
  2. ^ a b 伊藤隆敏 東京大学大学院経済学研究科教授 「包括緩和」にインフレ目標を追加せよダイヤモンド・オンライン 2010年10月25日
  3. ^ 行動ファイナンス小幡績 素人経営国家・ニッポンは衰退する東洋経済オンライン 2013年3月1日
  4. ^ 東京大学大学院 教授 伊藤隆敏氏テレビ東京 ニュースモーニングサテライト 2013年8月26日
  5. ^ [http://archive.today/XuKu 伊藤隆敏 東京大学大学院経済学研究科教授 「包括緩和」にインフレ目標を追加せよ]週刊ダイヤモンド 2010年10月25日
  6. ^ 【新政権に求める】(4)伊藤隆敏・東京大学教授 成長戦略、与野党で実行を (1/2ページ)SankeiBiz(サンケイビズ) 2012年12月22日
  7. ^ インタビュー:日銀は極端な国債購入拡大回避を=伊藤・東大大学院教授Reuters 2012年12月14日
  8. ^ 伊藤東大教授:日本が財政危機でないのは奇跡-23年に到来もBloomberg 2013年5月1日
  9. ^ 伊藤隆敏氏、消費税率「まだまだ引き上げる余地ある」日本経済新聞 2014年8月1日
  10. ^ 麻木久仁子・田村秀男・田中秀臣 『日本建替論 〔100兆円の余剰資金を動員せよ!〕』 藤原書店、2012年、84頁。
  11. ^ 春の褒章、705人24団体が受章:社会:YOMIURI ONLINE(読売新聞)
  12. ^ 受 賞東京大学大学院経済学研究科・経済学部 2011年

参考文献[編集]

外部リンク[編集]