代議院 (スペイン)

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スペインの議会
代議院
Congreso de los Diputados

Madrid - Congreso de Diputados 1.JPG
代議院議事堂
議会の種類 下院
議長 ヘスス・マリーア・ポサーダ・モレーノ
(GP)
副議長 セリア・ビジャロボス・タレーロ(GP)
任期 4年
定数 350議席
選挙制度 比例代表制
公式サイト Congreso
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代議院Congreso de los Diputados)は、スペイン立法府である国会Cortes Generales)の下院にあたる議会である。

概要[編集]

  • 定数:350議席-憲法上の定数は300~400以下と定められているが、選挙制度に関わる法律で定数が定められている
  • 議員の選出方法
    • 選挙区は県単位とし、比例代表ドント式)で各政党に議席を配分
    • 各県に最低一名ずつ配分し、残る議席分は人口比例で配分する。
    • ただし、セウタメリリャからはそれぞれ一名を選出する。
  • 任期:4年-憲法第68条第4項に規定

執行部[編集]

  • 第10回議会(X Legislatura、任期:2011- )
    • 議長 - ヘスス・マリーア・ポサーダ・モレーノ(GP)
    • 第一副議長 - セリア・ビジャロボス・タレーロ(GP)
    • 第二副議長 - ハイメ・ハビエル・バレーロ・ロペス(GS)
    • 第三副議長 - ドゥロールス・ムンセラー・ムンセラー(GP)
    • 第四副議長 - ジョルディ・ジャネー・イ・グアシュ(GC-CiU)
    • 第一書記 - イグナシオ・ヒル・ラサロ(GP)
    • 第二書記 - マリア・デル・カルメン・シルバ・レゴ(GS)
    • 第三書記 - テレサ・クニジェーレス・メストレス(GS)
    • 第四書記 - サンティアーゴ・セルベーラ・ソト(GP)

出典:スペイン下院公式サイト[1]

党派[編集]

代議院議会グループ別議席数
グループ 略称 議席数 備考
Grupo Parlamentario Popular en el Congreso Grupo Popular、GP 185 国民党(PP)の院内会派
Grupo Parlamentario Socialista: Grupo Socialista、GS 110 スペイン社会労働党(PSOE)の院内会派
Grupo Parlamentario Catalán (Convergència i Unió) Grupo Catalán、GC-CiU 16 カタルーニャ州の民族主義政党集中と統一(CiU)の院内会派、内訳はカタルーニャ民主集中(CDC):10、カタルーニャ民主連合(UDC):6
Grupo Parlamentario de IU, ICV-EUiA, CHA: La Izquierda Plural IU-ICV-CHA 11 統一左翼スペイン共産党を中核とする政党連合、IU)を中心とする院内会派、IU:7、カタルーニャ緑のイニシアティブ(ICV):2、カタルーニャ統一左翼(EUiA):1、アラゴン主義連合(CHA):1
Grupo Parlamentario de Unión, Progreso y Democracia Grupo de UPyD 5 連合・進歩・民主主義(UPyD)の院内会派
Grupo Parlamentario Vasco (EAJ-PNV) Grupo Vasco、GV 5 バスク民族主義党(EAJ-PNV)の院内会派
Grupo Parlamentario Mixto Grupo Mixto   18 アマユール(Amaiur):7、カタルーニャ共和主義左翼(ERC):3、ガリシア民族主義ブロック(BNG):2、カナリア同盟=新カナリア(CC-NC-PNC):2、Compromís-Q:1、アストゥリアス市民フォーラム(FAC):1、ナバーラ住民連合(UPN):1、Geroa Bai:1、カタルーニャを除く地域政党によって構成された院内会派

出典:Parliamentary Groups-2012年1月29日閲覧

代議院の優位[編集]

代議院本会議場。

スペインの国会は、代議院と元老院の2つの議会で構成される両院制であるが、代議院は憲法において元老院に対する優位性が定められている。これは、元老院が全国均等に議席配分されるのに対し、代議院は人口比例で各県に議席が配分され、比例代表で選出される分だけ、より国民の民意を反映しているとみなされることにもよる。

法案の先議権[編集]

法案の先議権は代議院が有しており、ここで可決された場合に元老院に送付され、そこでの審議を経て可決されたときに成立する。しかし、元老院において代議院の決定に反する意向が示された場合には、以下のような形式で代議院の優位が認められている(スペイン憲法第90条の規定)[2]

  1. 元老院で法案が否決された場合は、代議院において絶対多数決(全議員の過半数)で再可決
  2. 再び上院に法案を送付後、その審議が2ヶ月以上経過した時、代議院が単純多数決(出席議員の過半数)で可決
  3. 元老院が法案の修正案を提出したときは、代議院において単純多数決で可決

首班指名[編集]

首相の選出は、代議院のみが有する権限で元老院は関わらない。国王に推挙された候補者が代議院において施政演説を行ったうえで、代議院議員の投票で絶対多数の信任を受けた時に国王はその候補者を首相に任命できる。

首班指名の手順
  1. 国王が代議院の各会派のトップを宮殿に呼び、各会派代表者と協議を行なう(スペイン憲法第99条第1項)
  2. 国王が代議院の議長を通して、内閣総理大臣候補者を指名する(スペイン憲法第99条第1項)。通常は、衆議院の中での最大会派の代表クラスの人物が候補になる。
  3. 指名を受けた候補者は代議院に対して、候補者自身が組織しようとする内閣の施政方針演説を行ない、代議院の絶対多数の信任を求める(スペイン憲法第99条第2項)。各会派代表が候補者に対し、質疑、そして討論が行われ、その後口頭によって投票が行われる。
  4. 代議院から信任を得た候補者は、国王がその者を内閣総理大臣に任命する。しかし、(代議院で)信任が得られなかった場合は、再考期間として48時間の後に、再び評決が行なわれる。この時は代議院の単純多数の信任で足りる。それでも信任の議決がない場合は、再びこの手続をもって、第2の候補者が指名される(スペイン憲法第99条第3項・4項)。
  5. 内閣総理大臣の最初の表決から2ヶ月の期間が経過してもなお、代議院の信任を得られなかった場合は、国王は代議院と元老院を解散し、かつ代議院議長の副署 (Refrendo) を以って、新たな選挙を実施する(スペイン憲法第99条第5項)。

内閣信任[編集]

内閣の信任の可否も代議院のみに与えられた権限である(スペイン憲法第114条)。首相が内閣の信任を代議院に求め、代議院において出席議員過半数の賛成が得られずに信任決議案が否決された場合は、国王に対し、内閣総辞職を申し出なければならない。

内閣不信任[編集]

信任とは別に、内閣不信任の権限も代議院に与えられている。不信任動議(Moción de Censura)の提出には、最低でも代議院の全議員10分の1以上の署名が求められ、かつ、後任の首相候補者も動議に明記しなければならない(スペイン憲法113条)と規定されているが、これはドイツ連邦共和国基本法の建設的不信任制度に沿ったものといえる。そして、不信任動議が全代議院議員の過半数の賛成で承認されたときは、内閣は国王に対して辞職を申し出なければならない(スペイン憲法第114条2項)。

代議院の権限[編集]

前章で紹介した以外の権限について紹介する。

  • 政令法(Decretos-Leyes)の承認
  • 組織法(Leyes Organicas)[3]を全議員の過半数(絶対多数)で承認すること
  • 国民投票により民意を問うことを認める(下院の承認を得た上で、首相の具申によって国王が布告する)
  • 国内に非常事態が発生した際に内閣が宣言する戒厳令への制限

脚注[編集]

  1. ^ Congreso de los Diputados” (スペイン語). 2012年1月4日閲覧。
  2. ^ 両院による法律案の審議に関して
  3. ^ 基本的人権及び公的自由の具体化、自治条例及び選挙制度を承認する法律並びに憲法に定められたその他の法律の総称である。これ以外の法律は通常法(Leys Ordenaria)と呼ばれる。

出典[編集]

関連項目[編集]