今治市営渡船

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今治市営フェリー(いまばりしえいフェリー)は、愛媛県今治市今治港と関前地区などを結ぶ市営のフェリーである。今治市交通対策課が運営している。今治市との合併以前、せきぜん渡船は関前村営、さざなみ渡船は吉海町営であった。

概要[編集]

2005年の新設合併によって今治市となった、関前村と吉海町の公営航路を継承し、運航されている。

せきぜん渡船は、今治港と大下島小大下島岡村島を結ぶ航路が運航されてきたが、赤字経営や並行民間航路の廃止などから、2012年10月1日に航路の再編が行われ、今治と岡村を結ぶ快速船を増便し、新たに大三島宗方港に寄港するようになった。同時に今治市などの出資する第三セクター大三島ブルーラインによって、岡村と宗方を結ぶ航路が新設された。岡村島は安芸灘諸島連絡架橋(安芸灘とびしま海道)によって呉市と陸路で連絡されており、しまなみ海道が繋がる大三島と航路が繋がることで、サイクリング等の観光客誘致、経営効率化や利便性向上が期待されている。

さざなみ渡船は大島津島を連絡する旅客船航路で、民営の津島渡船(今治 - 津島・一日1往復)とともに、離島・津島の公共交通機関として運航されている。2007年度から津島渡船による民間委託運航となっている[1]

航路[編集]

せきぜん渡船[編集]

さざなみ渡船[編集]

船舶[編集]

就航中の船舶[編集]

フェリー「第2せきぜん」
  • 第二せきぜん(フェリー)
日本初の三胴型フェリーで、船内はバリアフリー化されている。
2003年4月1日起工、同年6月12日進水、同年6月26日竣工、石田造船建設建造(第678番船)、JG平水
179総トン、載貨重量68.4トン、全長39.10m、垂線間長29.00m、全幅10.50m、深さ3.00m、計画満載喫水2.10m
三菱S6R2F-MTK3×1基(出力603kW)、四翼固定ピッチプロペラ×1軸、最大速力12.1ノット(試運転)、航海速力11.5ノット、
旅客定員135名、乗組員3名、乗用車20台またはトラック6台
  • とびしま(旅客船)
2017年2月1日就航、ツネイシクラフト&ファシリティーズ建造、建造費約1億7,000万円
19総トン、全長20.4m、旅客定員40名、自転車10台
  • ニューおおしま2 (旅客船)[2]
19.0総トン、ディーゼル2基、機関出力700ps、航海速力18ノット、旅客定員80名
津島渡船による運航

過去の船舶[編集]

せきぜん (今治港)
第三徳海 (岡村港)
  • からたち[3](旅客船)
1963年2月16日竣工、松浦鉄工造船所建造
99.00総トン、全長25.04m、型幅5.00m、型深さ2.30m、ディーゼル1基、機関出力390ps、航海速力10.65ノット、旅客定員183名
  • 第二徳海[4] (旅客船)
1973年8月1日就航。
33.23総トン、ディーゼル1基、機関出力100ps、航海速力10.0ノット、旅客定員60名
  • せきぜん[5](フェリー)
1978年9月竣工、西造船建造、2003年7月20日引退、フィリピンへ売却
196.53総トン、全長33.00m、型幅8.00m、型深さ3.10m、ディーゼル1基、機関出力750ps、航海速力10.5ノット、旅客定員135名
  • 第三徳海[2](旅客船)
1996年3月1日就航、2017年1月31日引退
19総トン、ディーゼル2基、機関出力600ps、航海速力20.0ノット、旅客定員40名
  • さざなみ[2] (旅客船)
19総トン、ディーゼル1基、機関出力440ps、航海速力12.3ノット、旅客定員35名
吉海町から継承

脚注[編集]

  1. ^ 民間委託等の状況”. 愛媛県. 2023年1月5日閲覧。
  2. ^ a b c フェリー・旅客船ガイド 2006年春季号 (日刊海事通信社 2006)
  3. ^ 船の科学 1963年4月号 P.38 (船舶技術協会)
  4. ^ 全国フェリー・旅客船ガイド 1987年上期号 (日刊海事通信社 1986)
  5. ^ 日本船舶明細書 1985 (日本海運集会所 1984)

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]