仁義なき戦い 完結篇
| 仁義なき戦い 完結篇 | |
|---|---|
| 監督 | 深作欣二 |
| 脚本 | 高田宏治 |
| 出演者 | 菅原文太 北大路欣也 松方弘樹 小林旭 |
| 音楽 | 津島利章 |
| 撮影 | 吉田貞次 |
| 編集 | 宮本信太郎 |
| 配給 | 東映 |
| 公開 | |
| 上映時間 | 98分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 日本語 |
| 前作 | 仁義なき戦い 頂上作戦 |
| 次作 | 新仁義なき戦い |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| AllRovi | |
| IMDb | |
『仁義なき戦い 完結篇』(じんぎなきたたかい かんけつへん)は1974年(昭和49年)6月29日に東映で公開された日本映画。「仁義なき戦いシリーズ」の第五弾。
目次 |
[編集] 概要
広島抗争を描いた「仁義なき戦いシリーズ」の完結篇であるが、実際は第四部『仁義なき戦い 頂上作戦』のラストで第二次広島抗争は終焉を迎えていた。しかし第四部まで続けてヒットしてきたため、東映は続編の公開を決定してしまうが、脚本を担当した笠原和夫は第四部で終了した事を主張し、執筆を拒否。そのため本作の脚本は東映で笠原とともに数々のヤクザ映画を担当してきた高田宏治が執筆している。
内容は第三次広島抗争を描いている。
[編集] ストーリー
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
広能組・打本会の連合と山守組との広島抗争は、警察による組長クラスの一斉検挙、いわゆる「頂上作戦」によって終息に向かう。打本会は解散し、広能組長・広能昌三は網走刑務所に収監された。一方、山守組側では逮捕されるも未決保釈となった最高幹部・武田明が広島に散在するやくざ組織に大同団結を呼びかけ、市民社会からの厳しい視線をかわすため政治結社「天政会」として統一組織を立ち上げた。しかし天政会は、会長・武田明、理事・江田省一らの主流派と副会長・大友勝利、幹事長・早川英男らの反主流派とに分かれ一枚岩ではなかった。こうした中、天政会参与・杉田佐吉が広能の兄弟分の市岡組長・市岡輝吉によって暗殺される。天政会は、市岡への報復を主張する大友と自重を求める武田が対立し、大きく揺れる。
1966年(昭和41年)6月、天政会内部の不穏を察知した広島県警は天政会壊滅のため武田を検挙する方針を立てた。武田は逮捕直前に先手を打ち、自分の子分で天政会の理事長を務める松村保を強引に次期会長候補に決め、武田不在時の会運営を託す。武田の逮捕で天政会は混乱するが、松村は江田や各組の若手実力者の協力と豊富な資金力で危機を乗り切ろうとする。一方、大友と早川はこの機に乗じて松村を殺害し天政会を牛耳ることを企てる。
松村の殺害は未遂に終るが、天政会の各組は松村を弱腰とみなし、反対派は増長する。大友は天政会の敵であるはずの市岡と義兄弟の盃を交わし、市岡は大友を後ろ盾として松村組の縄張りを荒らして松村を挑発した。ここに至って松村は粛清を決意。市岡を射殺。大友も県警に逮捕された。さらに松村は天政会傘下の全て組長に盃直しを要求し、自分の舎弟もしくは子分とした。これに不服の早川は引退。こうして反松村派勢力は壊滅し、松村は天政会で強大な権力を得た。
1970年(昭和45年)6月、武田が出所し再び会長に復帰、松村は理事長に戻った。しかし一度起きた松村への世代交代は武田の会長としての威厳を奪い、武田と松村の関係はかつての親密な親分・子分ではなかった。そして4ヶ月後に出所してくる広能への対応をめぐり二人の冷戦は顕著化する。一方、呉市では地盤が重なる広能組と天政会系槙原組との衝突が激化。ついには天政会の重鎮の槙原組長・槙原政吉が広能組員に射殺される。この事件で広能への穏健な対応を主張する武田は孤立し、天政会では広能への強硬論が支配的になった。
9月、広能が長期刑期を終え出所。武田は出所直後の広能に面会し、世代交代を説いて一緒に引退するよう求めるが、広能は拒否する。その数日後、松村は広能に面会を求め、武田が引退し自分を後継会長に指名した事を伝える。そして広能組の厚遇と引き換えに広能自身の引退を迫った。広能は武田の引退に衝撃を受けるが、松村の求めを拒否する。
同月、松村は会長就任の挨拶のため腹心とともに関西に赴く。その途中の大阪・西成で松村らは反松村派残党の襲撃を受け、松村は重傷、同行の江田は死亡。天政会は混乱する一方、反松村派残党は明石組系尾道神風会の応援を得て気勢を上げ、広能を勧誘する。
松村は重体にもかかわらず、決死の覚悟で会長襲名披露を行う。その席に広能は若衆頭・氏家厚司を伴い式に参列、松村に組員たちを託す。広能組の天政会への参加で、浮き上がった槙原組員は呉市街で広能組員を襲撃、広能組員が死亡。広能は自分が知らない若い世代の組員の死をみて世代交代を悟り、長年のやくざ人生からの引退を決意した。
[編集] キャスト
広能組(モデル・美能組)
- 広能昌三 - 菅原文太:広能組組長。長い刑期を務め出所。天政会不参加。シリーズの主人公。美能幸三がモデルとなった。
- 氏家厚司 - 伊吹吾郎:広能組若衆頭。薮内威佐男がモデルとなった。
- 水本登 - 野口貴史:広能組若衆。シリーズ5作全てで広能の若者。
- 清元忠 - 寺田誠=麦人:広能組若衆。槇原組長を射殺。モデルは木元敏治。
- 佐伯明夫 - 桜木健一:広能組若衆。襲撃用水中銃の暴発により自らの脚を誤射。槇原組長射殺の報復で映画館前で射殺された。モデルは田島重徳。
- 村田静子 - 中原早苗:佐伯の姉。拳銃を買うために佐伯に睡眠薬入りコーラを飲まされ、店の売り上げを盗まれる。
- 弓野修 - 司裕介:広能組若衆。
- 関谷徹 - 松本泰郎:広能組若衆。
- 岩見益夫 - 大木晤郎:広能組若衆。
天政会(モデル・共政会)
- 山守義雄 - 金子信雄:天政会初代会長。山村組を政治結社天政会に改める。武田に会長の座を譲ったあとは表舞台からは消えるも、再び会長の座を狙い暗躍する。山村辰雄がモデルとなった。
- 武田明 - 小林旭:天政会二代目会長。ヤクザ撲滅運動をかわすため山守組等広島ヤクザ組織を政治結社へ改組。服部武がモデルとなった。
- 松村保 - 北大路欣也:天政会理事長。武田が刑務所に服役中には会長代行。武田出所後理事長に復任するが、武田引退に伴い三代目会長となる。武田組若頭。モデルの山田久は十七年に渡り会長を務め、共政会の礎を築いた。
- 江田省一 - 山城新伍:天政会常任理事。のちに副会長となり松村の三代目就任を支援する。松村の就任挨拶に訪れた大阪西成の車上で、松村とともに早川組の残党から銃撃を受け惨殺された。江田組組長。原田昭三がモデルとなった。
- 杉田佐吉 - 鈴木康弘:天政会参与。金融屋。武田の経済顧問。市岡組に殺される。住吉辰三がモデルとなった。
- かおる - 野川由美子:杉田の娘。のちに松村の妻。モデルは山田久の妻、山田多美子。
- 常岡元次 - 岩尾正隆:宇品天政会参与。
- 織田英士 - 西田良:武田組若衆。
- 大久保憲一 - 内田朝雄:呉の長老。海生逸一がモデルとなった。
- 江里 - 賀川雪絵:ホステス。
- 光子 - 橘真紀:山守の女。
河野組(モデル・浅野組)
槇原組(モデル・樋上組)
大友組(モデル・村上組)
- 大友勝利 - 宍戸錠:天政会副会長。大友組組長。第二部の大友勝利と同一人物の設定。敵対する市岡と掟破りの兄舎弟盃を交わす。松村との天政会内の勢力争いに破れ、最後は拳銃2丁をズボンに挟み、タクシーを止めようとしたところを警察に銃刀法違反の現行犯でパクられ、6年の刑を打たれる。村上正明がモデルとなった。
- 間野豊明 - 山田吾一:大友組若衆頭。のちに「ついてゆけぬ」と逆破門状を勝利に叩きつけ松村の右腕に。モデルは村上組幹部平野一明。
- 金沢茂久 - 誠直也:大友組若衆。
早川組(モデル・山口(英)組)および百人会(モデル・十一会)
- 早川英男 - 織本順吉:天政会幹事長。早川組組長。大友を立てて松村と対立。山口英弘がモデルとなった。
- 久保田市松 - 高並功:早川組若衆頭。早川の親・松村要員。十一会会長竹野博士がモデルとなった。
- 加賀亮助 - 八名信夫:早川組若衆頭補佐。早川の反・松村要員。就任挨拶回りの松村らを大阪で襲撃。十一会副会長梶山慧がモデルとなった。
- 千野巳代次 - 曽根晴美:旅人。就任の挨拶回りで大阪を訪れていた松村、江田らの乗った車を襲撃。モデルは萱野正昭。
市岡組(モデル・宮岡組)
その他
[編集] スタッフ
- 企画:日下部五朗
- 原作:飯干晃一
- 脚本:高田宏治
- 監督:深作欣二
- 撮影:吉田貞次
- 音楽:津島利章
- 録音:溝口正義
- 照明:中山治雄
- 美術:鈴木孝俊
- 編集:宮本信太郎
- 助監督:皆川隆之
- スチル:木村武司
- 進行:上田正直
[編集] 逸話
三代目を襲名した松村が大阪[1]に出向いて踏切で襲撃されるシーンでは、実際の撮影で電車が近付いている時、突き切ろうとした車のタイヤが溝に落ちた。その場にいた尼崎のヤクザの若い衆が非常灯を振って阪神電車を止めてくれたおかげで無事撮影が出来たという[2]。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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