人間の証明
『人間の証明』(にんげんのしょうめい)は、森村誠一の長編推理小説。森村の代表作「棟居刑事シリーズ」の主人公・棟居弘一良の初登場作品。2010年現在、単行本・各社文庫本計で770万部を売り、森村誠一のベストセラーとなっている。新刊雑誌への連載を前提に角川春樹から依頼されて執筆した作品である。
森村は代表作と見做される本作について「代表作とは読者が決めるものであるが、自分にとって相当に重要な作品である」と語っている。
- 出版社: 角川書店
- ISBN 4-04-175360-0
- 刊行: 1976年
目次 |
[編集] あらすじ
東京・赤坂の高層ホテルの、展望レストランのある最上階に到着したエレベーター内で、胸部を刺されたまま乗り込んできた黒人青年が死亡した。事件は殺人事件と断定され、麹町署に捜査本部が設置される。
捜査を担当することになった麹町署の棟居弘一良刑事らは、被害者の名前がジョニー・ヘイワードであり、彼をホテルまで乗せたタクシー運転手の証言から、車中でジョニーが「ストウハ」と謎の言葉を発していたことを突き止める。さらにタクシーの車内からは、ジョニーが忘れたと思われるボロボロになった『西條八十詩集』が発見されるが…。
[編集] 映画
| 人間の証明 | |
|---|---|
| 監督 | 佐藤純彌 |
| 脚本 | 松山善三 |
| 製作 | 角川春樹 吉田達 サイモン・ツェー |
| 出演者 | 岡田茉莉子 松田優作 ジョージ・ケネディ ほか |
| 音楽 | 大野雄二 |
| 主題歌 | ジョー山中『人間の証明のテーマ』 |
| 撮影 | 姫田真佐久 |
| 編集 | 鍋島惇 |
| 製作会社 | 角川春樹事務所 |
| 配給 | 東映 |
| 公開 | |
| 上映時間 | 133分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 日本語、英語 |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| AllRovi | |
| IMDb | |
岡田茉莉子・松田優作・ジョージ・ケネディがそれぞれ過去に一物を持つ人物を演じ、当時の日本映画では稀なニューヨークロケが行われた。松山善三(プロでありながら、公募に応募して採用された)の脚色により、森村誠一がテーマとした題名「人間の証明」である原作と異なる結末になっている。ラストシーンでは本来無言であったはずの松田が独自に台詞を付けたいとの要望を出し、佐藤純彌も台詞つきのシーンを撮ったが、佐藤の判断で台詞はカットしつつも台詞を言った後の表情がとても良かったため、そちらを採用した。
映画公開時に用いられた有名な台詞「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ…」は西條八十の詩がオリジナルであり、劇中でも語られている。ジョー山中が歌う「人間の証明」のテーマソング(『Mama, Do you remember・・・』と歌詞は西條八十の詩を英訳した物)もヒットし、ベストテン入りも果たしている。
賞金500万円を掲げて大々的に脚本を公募。プロアマ問わずとの条件で最終選考に残ったのは、脚本家・監督の松山善三、脚本家の山浦弘靖、俳優・プロデューサーの岡田裕介(現東映社長)、プロデューサー・脚本家・推理作家の小林久三とプロばかりであった。応募者の名を伏せて角川プロデューサー、佐藤監督らによる選考会はキネマ旬報に公開されたが、のっけから「ロクなのがない!」「(公募に頼った)考えが甘かった」とボロクソであり、「いちばん修正しやすい」との消極的理由で入選作を決定。フタを開けてみれば、誰にとっても大先輩である松山の脚本だったという気まずい結果となった。なお、角川によれば予算にまで気を配って小さくまとめた悪しきプロ脚本が多かった中、大胆に海外場面を多用した松山脚本が角川映画に相応しいと判断されたとのことである。尚、DVD並びにBDソフトがリリースされている。
[編集] スタッフ
- 監督:佐藤純彌
- 製作:角川春樹
- プロデューサー:吉田達、サイモン・ツェー
- 脚本:松山善三
- 撮影:姫田真佐久
- 音楽監督・作曲:大野雄二(音楽監督補佐:鈴木清司)~1998年、初のCD盤OSTがリリースされた。~
- 主題歌:『人間の証明のテーマ』/ジョー山中
- 制作協力:日本航空、ホテルニューオータニ、フジテレビジョン、角川書店
- 配給:東映
- 角川春樹事務所・東映提携作品
[編集] キャスト
- 八杉恭子 - 岡田茉莉子: 有名ファッションデザイナー。政治家の妻。
- 棟居刑事 - 松田優作: 麹町署の刑事。八杉恭子と因縁がある。
- 横渡刑事 - ハナ肇
- 新見隆 - 夏八木勲: 東洋技研部長。人妻のホステス・なおみと愛人関係にある。
- ジョニー・ヘイワード - ジョー山中: ニューヨーク・ハーレム育ちの黒人青年。東京で殺される。
- 郡恭平 - 岩城滉一: 八杉恭子の息子。轢き逃げ事件を起こす。
- 中山静枝 - 竹下景子: 殺された中山タネの孫娘。霧積温泉旅館で働く。
- なおみ - 范文雀: クラブホステス。小山田の妻で新見の愛人。郡恭平に轢き殺され、海に捨てられる。
- オブライエン署長 - ブロデリック・クロフォード: ニューヨーク27分署の署長。
- 三島雪子 - ジャネット八田: ハーレムで写真屋を営む日本女性。
- 澄子 - 坂口良子: おでん屋の女将。
- 朝枝路子 - 高沢順子: 郡恭平の恋人。
- 河西刑事 - 和田浩治
- 下田刑事 - 峰岸徹
- 草場刑事 - 地井武男
- 山路部長刑事 - 鈴木瑞穂
- ケン・シュフタン刑事 - ジョージ・ケネディ: ニューヨーク27分署の刑事。棟居と因縁がある。
- おでん屋の客A - 大滝秀治
- おでん屋の客B - 佐藤蛾次郎
- 大森よしの - 北林谷栄: 八杉恭子が米兵相手のバーで働いていた過去を知る女性。
- 大森よしのの孫娘 - 西川峰子
- 渋江警部補 - 深作欣二
- ワイドショーの司会者 - 小川宏
- アナウンサー - 露木茂
- 喫茶店・ボーイ - 鈴木ヒロミツ
- 喫茶店・ウエイトレス - シェリー
- デザインコンクールの司会者 - E・H・エリック
- チーフ・フロントマネージャー - 森村誠一
- ライオネル・アダムス - リック・ジェイソン: 交通事故の慰謝料として被害者の息子ジョニーに6,000ドルを払った金持ち。
- 霧積温泉旅館の主人 - 伴淳三郎
- 小山田武夫 - 長門裕之: なおみの夫。
- 郡陽平 - 三船敏郎(特別出演): 八杉恭子の夫。国会議員。
- 那須警部 - 鶴田浩二: ジョニーが殺された事件の捜査を指揮する。
[編集] テレビドラマ
| ドラマ |
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関連項目
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[編集] 1978年版
森村誠一シリーズの第3作目として放映された。オリジナルの部分が多い(郡陽子のモノローグや、扱いに顕著)。
製作は東映だが、東宝の監督が主に演出している(プロデューサー兼俳優の岡田裕介との縁)。2010年7月21日~8月6日に全4巻のDVDが発売。各巻3話収録で2巻ずつ同時発売。
- 放映期間:1978年1月7日〜1978年4月1日
- 放送時間:毎週土曜日22:00 - 22:55
- 企画:角川春樹事務所、毎日放送
- プロデューサー:青木民男(毎日放送)、桑原秀郎、岡田裕介(東映)
- 脚本:早坂暁
- 音楽:広瀬量平
- 監督:恩地日出夫、大森健次郎、渡辺邦彦、永野靖忠
- 制作:毎日放送、東映
- 主題歌:『さわがしい楽園』(作詞:及川恒平、作・編曲:井上鑑、歌:りりィ)
[編集] キャスト
名前の後ろの※は、原作に登場しない人物。※※は、ドラマ版で著しく登場場面が増えた人物。
- 映画版でも同じ役で出演している。
- 草場刑事:北村総一郎
- 山路部長刑事:板谷多一 → 河合絃司
- 下田刑事:小野川公三郎
- ジョニー・ヘイワード:ジャーニー・カイナ
- ダン安川:戸浦六宏※
- お種:千石規子
- 美波:谷口香
- 文子:上月左知子
- 宮武教授:橋爪功
- 伊藤すま子
- 森戸:辻萬長
- サラリーマン(事件の目撃者):大和田獏
- 弁護士事務所長(典子の上司):久松保夫※
- 金沢正男:内田朝雄※
- 塩川広一:高原駿雄※
- 棟居の母:絵沢萌子※※
- 棟居の父:岡田裕介
- 横渡刑事:稲葉義男
- 立花典子:多岐川裕美※
- 那須警部:佐藤慶
- 郡陽平:山村聰
- ほか:河原裕昌、岩城和男、柄沢英二、新海百合子、林美樹、沢井孝子、佐々木梨里
| TBS系 土曜22時台(当時は毎日放送の制作枠。一部地域を除く) | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
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森村誠一シリーズ・暗黒流砂
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森村誠一シリーズ・人間の証明
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[編集] 1993年版
金曜ドラマシアターで1993年1月8日に放映された。
[編集] キャスト
[編集] 2001年版
タイトルは「人間の証明2001」、「女と愛とミステリー」で放映された。
BSジャパンでは2001年1月7日21:00〜23:24に、テレビ東京系列では同年1月10日20:54〜23:18に放映された。
[編集] キャスト
[編集] 2004年版
フジテレビ系連続ドラマとして2004年7月8日から9月9日まで放映された。全10回。初回は15分拡大の22:00 - 23:09に放送。平均視聴率は12.1%だった。
[編集] キャスト
- 棟居弘一良:竹野内豊
- 本宮桐子:夏川結衣
- 横渡篤:大杉漣
- ジョニー・ヘイワード:池内博之
- 郡翔平:高岡蒼佑(現:高岡蒼甫)
- 朝枝路子:松下奈緒
- 郡さやか:堀北真希
- 小山田文枝:横山めぐみ
- 佐伯友也:田辺誠一
- 那須英三郎:緒形拳(友情出演)
- 郡陽平:鹿内孝
- 河西善行:津嘉山正種
- 相馬晴美:りりィ
- 八杉恭子(郡恭子の少女時代):佐々木梓
- 草場健次:おかやまはじめ
- 山路利雄:佐藤二朗
- 富永雅彦:山崎樹範
- 棟居の父親:徳井優
- 西伊豆署の刑事:徳井優(二役)
- 女の子:大橋のぞみ
- ケン・シュフタン:ボー・スヴェンソン(Bo. Svenson)
- 小山田武夫:國村隼
- 新見隆:風間杜夫(特別出演)
- 郡恭子:松坂慶子
[編集] サブタイトル・視聴率
| 各話 | 放送日 | サブタイトル | 視聴率 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 第1話 | 2004年7月8日 | 遠い橋・ある異邦人の死 | 15.9% | ||
| 第2話 | 2004年7月15日 | 謹慎 | 12.6% | ||
| 第3話 | 2004年7月22日 | 母さんに捧げる詩 | 11.9% | ||
| 第4話 | 2004年7月29日 | 霧積温泉の変死者 | 11.7% | ||
| 第5話 | 2004年8月5日 | 母の秘密を知る女 | 11.0% | ||
| 第6話 | 2004年8月12日 | 輝ける青春の記憶 | 11.4% | ||
| 第7話 | 2004年8月19日 | 南部アメリカ編(01) | 9.8% | ||
| 第8話 | 2004年8月26日 | 米国編(2)犯人の顔 | 11.3% | ||
| 第9話 | 2004年9月2日 | 郡恭子最後の一日 | 11.5% | ||
| 最終話 | 2004年9月9日 | 人間たちの明日 | 13.3% | ||
| 平均視聴率 12.0%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) | |||||
- 初回は15分拡大放送。
| フジテレビ系 木曜劇場 | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
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離婚弁護士
(2004.4.15 - 2004.6.24) |
人間の証明(2004年版)
(2004.7.8 - 2004.9.9) |
大奥〜第一章〜
(2004.10.7 - 2004.12.16) |
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