人民裁判

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人民裁判(じんみんさいばん)とは、

  • 多数者が法律によらずに少数者を私的に断罪すること。集団の圧力で行われる吊し上げのことをいう。
  • 社会主義国家で、職業裁判官と人民の中から選ばれた代表とが同資格でおこなう裁判中国人民法院における裁判がこれに相当する。制度設計としては日本で2009年から実施された裁判員制度とほぼ同等であるが、日本の裁判員は案件ごとに有権者名簿から選任されるのに対して、中国の人民陪審員は任期制であり任期は5年。選任は各管轄地区の人民代表大会から選定され人民陪審員に任命される方式である。また「陪審員」といっても「裁判員」(職業裁判官)と同等の権限を持って審理に参加するものであり、また人民陪審員だけの合議体で裁判をするわけではなく、実態は「参審員」である。人民代表大会(事実上の中国共産党地方大会)の影響下にあることは指摘されており、中国の司法体制の特異性としてしばしば論題とされる。詳しくは中華人民共和国法参照。

備考[編集]

クーデター直後の民衆による臨時政権下では、人民裁判の下した結果が過剰な処刑活動などに転じる例がままある。共産主義政権及び共産ゲリラが反対勢力や資産家を拘束して人民裁判にかけて処刑し、財産を没収するということも多い(例=長征など)。

それまで政権を執っていた独裁政権首謀者を銃殺し、あまつさえテレビメディア等を通じて全世界に発信する(例=ルーマニア革命)といった、残虐行為が正当と認められることもあった。

個人によっては、ときに一般常識から大きく逸脱し社会的なコントローラビリティに著しく欠ける、人民裁判の下した判決に嫌悪を持つこともあるとされる。

関連項目[編集]