人、山の上で聞きしこと

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人、山の上で聞きしこと』(Ce qu'on entend sur la montagneS.95は、フランツ・リストが作曲した最初の交響詩。タイトルは『山上で聞きしこと』や『人、山の上で聞いたこと』などとも表記されるが、稀に『山岳交響曲』と呼ばれることがある。またリストの交響詩の中で最も演奏時間が長い。

なお、セザール・フランクはリストに先んじて1846年に同じ題材による同名の交響詩を作曲している。

概要[編集]

リストは交響詩を生み出し、13曲を残しているが、この交響詩は最初のもの(第1番)で、かなり早い時期に1833年から1835年頃にかけてスケッチを行なっている。そして最終的には1849年に完成し、翌年の1850年ヴァイマルで初演されたあと、改訂が何度も加えられて現在の形となった。

タイトルは、当時同じサロンでリストと親しく交際のあった詩人ヴィクトル・ユゴー1831年に出版された詩集「秋の葉」の一篇に基づいている。内容は、詩人は山の中で2つの声を聞くが、1つは広大で力強く、秩序のある自然の声であり、もう1つは苦悩に満ちた人間の声である。この2つの声は闘争し、入り乱れて、最後は神聖なものの中に解消することになるというものである。

演奏時間[編集]

約30分

編成[編集]

ピッコロフルート2、オーボエ2、コーラングレクラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバティンパニ(3個)、バスドラムシンバルハープ弦五部

構成[編集]

自然の神秘を表現した漠たる気分で始まり、やがて人間の主題と、崇高で雄大な自然の主題が現れて、両者が互いに争うように進むうちに、アンダンテ・レリジオーソの主題がトロンボーンによって荘重に奏され、最後は平和な静けさの中に曲の終わりを告げる。R・シュトラウスの「アルプス交響曲」の先駆的な作品であるといわれている。