京都丹後鉄道宮豊線

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北近畿タンゴ鉄道宮津線 > 京都丹後鉄道宮豊線
WILLER TRAINS 宮豊線
夕日ヶ浦木津温泉駅 - 網野駅間を走るKTR8000形気動車「丹後の海」
夕日ヶ浦木津温泉駅 - 網野駅間を走るKTR8000形気動車「丹後の海」
基本情報
日本の旗 日本
所在地 京都府兵庫県
起点 宮津駅
終点 豊岡駅
駅数 13駅
経由路線 宮津線
路線記号 T
開業 1924年4月12日
民営化 1987年4月1日
三セク転換 1990年4月1日
上下分離 2015年4月1日
最終延伸 1932年8月10日
所有者 鉄道省
運輸通信省運輸省
日本国有鉄道(国鉄)→
西日本旅客鉄道(JR西日本)→
北近畿タンゴ鉄道 (KTR)
第一種鉄道事業者
第三種鉄道事業者
運営者 WILLER TRAINS(京都丹後鉄道)
第二種鉄道事業者
使用車両 車両の節を参照
路線諸元
路線距離 58.9 km
軌間 1,067 mm
線路数 全線単線
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
(宮津駅 - 天橋立駅間)
最大勾配 25 (1 ° 25 )
最小曲線半径 300 m
閉塞方式 特殊自動閉塞式(電子符号照査式)[1]
最高速度 85 km/h (53 mph)
路線図
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
STR
宮舞線
ELCa BHF
0.0 14 宮津駅
BL ABZgl STRq
宮福線
BL hKRZWae
BL TUNNEL2
BL TUNNEL2
BL TUNNEL2
ELCe BHF
4.4 T15 天橋立駅
TUNNEL2
BHF
8.1 T16 岩滝口駅
STR
(阿蘇の入江駅)
TUNNEL2
hKRZWae
eKRZu exSTR+r
大江山ニッケル専用線
XBHF-L exXBHF-R
11.0 T17 与謝野駅
STR exSTR
(美心 与謝野駅)
STR exSTRl
加悦鉄道
TUNNEL2
hKRZWae
hKRZWae
BHF
18.0 T18 京丹後大宮駅
STR
(小町の里駅)
BHF
23.6 T19 峰山駅
STR
(羽衣天女の里駅)
BHF
30.8 T20 網野駅
STR
(静御前と乙姫の里駅)
TUNNEL2
引原雪おおい
BHF
36.4 T21 夕日ヶ浦木津温泉駅
STR
(橘の里 夕日ヶ浦駅)
hKRZWae
BHF
41.8 T22 小天橋駅
STR
(日間の松原 小天橋駅)
hKRZWae
BHF
45.0 T23 かぶと山駅
STR
(摩須郎女の里 かぶと山駅)
TUNNEL2
TUNNEL2
BHF
47.3 T24 久美浜駅
STR
(龍伝説の里駅)
tSTRa
馬路トンネル 1,420.5m
tSTR+GRZq
京都府兵庫県
tSTRe
TUNNEL2
BHF
55.9 T25 コウノトリの郷駅
TUNNEL2
hKRZWae
円山川
ABZql BHFq
58.9 T26 豊岡駅
JR西: 山陰本線
(←幡生方 / 京都方→)

宮豊線(みやとよせん)は、WILLER TRAINS(京都丹後鉄道)の宮津線のうち、京都府宮津市宮津駅から兵庫県豊岡市豊岡駅までの区間に付けられた愛称である。路線記号は「T[2]

時刻表では宮津駅から豊岡駅へ向かう列車を下り、奇数の列車番号としている。

概要[編集]

もとは日本国有鉄道(国鉄)・西日本旅客鉄道(JR西日本)の路線で、1990年平成2年)4月1日から北近畿タンゴ鉄道(KTR)が運営していたが、2015年(平成27年)4月1日からはWILLER TRAINS第二種鉄道事業者、北近畿タンゴ鉄道を第三種鉄道事業者とする上下分離方式によって運行されている(後述)。上下分離が行われた際、宮津線については宮津駅を境に東側(西舞鶴側)24.7 km を「宮舞線」、西側(豊岡側)58.9 km を「宮豊線」として路線愛称を分離した[3][4]

丹後半島の付け根を通り、日本三景天橋立などへの観光客の足となっている。

路線データ[編集]

運行形態[編集]

広域輸送[編集]

沿線に観光地や海水浴場を数多く控えており、これらへの旅客輸送のために多くの特急列車が設定されている。特急列車はすべて宮福線を経由して福知山駅に至り、一部の列車は西日本旅客鉄道(JR西日本)山陰本線福知山線との相互直通運転を行っている。運行系統は以下の通り。

宮津線内の電化区間は北近畿タンゴ鉄道への転換後に電化された宮津駅 - 天橋立駅間だけ(国鉄・JR時代は全線非電化)であるため、非電化区間にまたがって走る特急には自社の気動車が使用されている。

地域輸送[編集]

普通列車は、沿線住民の生活のほかに、宮津駅・天橋立駅での特急接続を考慮したダイヤとなっている。おおむね1時間に1本の割合(朝夕に1時間2本の時間帯あり)で運行される。大半の列車が宮舞線に直通し、基本的に西舞鶴駅 - 宮津駅 - 豊岡駅間の運行であるが、一部峰山駅発着、網野駅発着となる列車があるほかは、早朝に宮津発豊岡行き、深夜に豊岡発宮津行き・豊岡発網野行きがそれぞれ1本ずつある。車両の夜間滞泊は宮津駅・網野駅・豊岡駅で行っている。

観光型列車として一部の普通列車が「丹後あかまつ号」「丹後あおまつ号」として運転される。「丹後あかまつ号」は西舞鶴駅 - 天橋立駅間(2016年11月までは西舞鶴駅 - 豊岡駅間)の運転で、「丹後あおまつ号」は西舞鶴駅 - 網野駅・豊岡駅間(2022年3月までは西舞鶴駅・天橋立駅 - 宮福線福知山駅間)で運転される。また「丹後あおまつ号」ではない一部の普通列車にもあおまつ車両が充当されている。

車両[編集]

丹鉄移行前の車両については北近畿タンゴ鉄道宮津線#車両を参照のこと。

自社車両[編集]

  • 気動車
    • 特急形
    • 一般形
      • KTR700形・KTR800形 - 京都丹後鉄道西舞鶴運転所所属
        普通列車用。一部は「丹後あかまつ」「丹後あおまつ」「丹後くろまつ」「コミューター車両」となっている。
      • MF100形・MF200形 - 京都丹後鉄道福知山運転所所属
        普通列車用。基本的に宮福線のみの運用。過去には宮津線での運用も極稀にあったが現在では滅多に見られない。

JR西日本の車両[編集]

貨客混載事業[編集]

WILLER TRAINSと丹後王国は、京都丹後鉄道宮豊線久美浜駅 - 峰山駅間で農産品の貨客混載事業を行う総合効率化計画を近畿運輸局に提出し2017年5月9日に認可され、久美浜駅において旅客列車に積み込まれた農産品が峰山駅まで鉄道輸送され道の駅丹後王国「食のみやこ」で販売されている[5]

駅一覧[編集]

凡例
●:停車、|:通過
普通列車:各駅に停車するため省略。
線路(全線単線)…◇:列車交換可能 |:列車交換不可能
電化方式 駅番号 駅名 駅愛称 駅間キロ 営業キロ 快速 特急 接続路線 線路 所在地
直流 14 宮津駅   - 0.0 WILLER TRAINS(京都丹後鉄道):宮福線宮舞線 京都府 宮津市
T15 天橋立駅   4.4 4.4  
非電化 T16 岩滝口駅 阿蘇の入江駅 3.7 8.1  
T17 与謝野駅 美心 与謝野駅 2.9 11.0   与謝郡
与謝野町
T18 京丹後大宮駅 小町の里駅 7.0 18.0   京丹後市
T19 峰山駅 羽衣天女の里駅 5.6 23.6  
T20 網野駅 静御前と乙姫の里駅 7.2 30.8  
T21 夕日ヶ浦木津温泉駅 橘の里 夕日ヶ浦駅 5.6 36.4  
T22 小天橋駅 日間の松原 小天橋駅 5.4 41.8  
T23 かぶと山駅 摩須郎女の里 かぶと山駅 3.2 45.0  
T24 久美浜駅 龍伝説の里駅 2.3 47.3  
T25 コウノトリの郷駅   8.6 55.9   兵庫県
豊岡市
T26 豊岡駅   3.0 58.9 西日本旅客鉄道E 山陰本線

終日無人駅となっているのは岩滝口駅・かぶと山駅・コウノトリの郷駅の3駅。それ以外の駅は有人(一部時間帯無人となる駅を含む)であるが、京都丹後鉄道直営駅は宮津駅・天橋立駅・豊岡駅の3駅のみで、残りの駅は民間や観光協会に駅業務が委託されている。

過去の接続路線[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 久美浜駅 - 豊岡駅間は途中無停車の快速列車として運転される。
  2. ^ 網野駅 - 豊岡駅間は快速列車として運転される。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j 北近畿タンゴ鉄道と沿線の公共交通の現状と課題 - 京都府
  2. ^ 三角運賃表” (PDF). WILLER TRAINS (2015年4月1日). 2015年4月1日閲覧。
  3. ^ 本日、京都丹後鉄道の運行を開始!新たに「京都丹後鉄道サイト」をオープン』(プレスリリース)WILLER TRAINS、2015年4月1日http://trains.willer.co.jp/news/2015/0402.html2015年4月1日閲覧 
  4. ^ a b 事業概要 営業線概要”. 北近畿タンゴ鉄道. 2015年4月1日閲覧。
  5. ^ 全国初!“美味しい”貨客混載!!” (PDF). 国土交通省近畿運輸局. 2021年9月18日閲覧。

参考文献[編集]

  • 日本鉄道建設公団高速化研究会 編『三セク新線高速化の軌跡』(初版)交通新聞社、1998年10月20日、76-79頁。ISBN 978-4-87513-077-2ISBN 4-87513-077-5 
  • 蒲田文雄『昭和二年北丹後地震 家屋の倒壊と火災の連鎖』古今書院(シリーズ日本の歴史災害 第1巻)、2006年3月20日。ISBN 978-4-7722-4060-4ISBN 4-7722-4060-8 
  • 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』第285号、成美堂出版、1990年7月、36頁、ISSN 0288-2337 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]