京王1000系電車 (2代)

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京王1000系電車
高井戸駅へ入線する1705Fバイオレット色(2007年4月13日)
高井戸駅へ入線する1705Fバイオレット色
(2007年4月13日)
編成 5両
営業最高速度 90 km/h
設計最高速度 110 km/h
起動加速度 2.6(1710Fまで) km/h/s
3.3(1711F以降) km/h/s
減速度 3.7 km/h/s(常用最大)
4.0 km/h/s(非常)
編成定員 748
車両定員 143(先頭車)・154(中間車)
全長 20,000 mm
全幅 2,864 mm
全高 4,100 mm
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500 V
架空電車線方式
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 180 kW(4次車まで)
160 kW(5次車)
歯車比 99:14=7.07:1
駆動装置 WNドライブ
制御装置 VVVFインバータ制御
制動方式 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置 京王形ATS
製造メーカー 東急車輛製造
日本車輌製造

京王1000系電車(けいおう1000けいでんしゃ)は、1995年平成7年)に製造を開始した京王電鉄井の頭線用の通勤形電車。営業運転開始は1996年平成8年)1月9日。井の頭線では3000系以来、34年ぶりの新型車両で、井の頭線用としては初めて20 m級車体およびVVVFインバータ制御を採用した。2011年(平成23年)末現在、5両編成29本の計145両が在籍している。

本項では井の頭線上で東側を「渋谷寄り」、西側を「吉祥寺寄り」と表現する。編成単位で表記する必要がある場合は吉祥寺寄りの先頭車両の車両番号を編成名表記(例:1701F、末尾の「F」は編成を意味するFormationの頭文字)として扱い、各編成について取り扱う際はこの番号を用いる[1]

外観[編集]

車体構造が変更された2008年度導入車
先頭形状が3000系のイメージに一層近くなった。

3000系に引き続いてステンレス[2]であるが、輸送力増強を目的として、各車両の全長は同系列の18m級から井の頭線用車両では初の20m級となり、客用扉の数も同系列の片側3箇所から4箇所となった[3]。乗車定員も増え、車内の天井も約10センチ高くなった[4]。同系列と同様に裾絞りがあり、外板は4次車・1715Fまではビード(凹凸)付きである。加えて車体側面に車外放送スピーカーも設置された。行先表示器LED式でローマ字を併記するが、1710Fまでは当初はローマ字と各停運用時の種別表記がなかった。書体ゴシック体である。また、運行番号表示器は営業運転開始時には先頭車の前面左上部に設置されていたが、後に中央左端(車掌台)に移設された。

先頭形状は3000系更新車と共通イメージであるが、新たに非常用貫通扉を設置し、これを助士席側に寄せた構造となっている。この部分の塗装は編成ごとにパステルカラー7色を使い分けている(後述)。前面行先表示器回りのデザインは同系列の前照灯のイメージを残している。車体四隅に設置されている灯火類やパノラミックウィンドウ5000系を意識した形状・配置となっている。なお、窓下の灯火類が単独設置の前照灯で、行先表示器の両側には急行標識灯尾灯がまとめて入っている。

貫通扉下部には車両番号が表記され、その周囲にヘッドマークを装着するステーが設けられている。

2008年度導入車より、妻面窓や側面のビード廃止、行先表示器のフルカラーLED化、正面行先表示器と運行番号表示器の一体化など仕様が一部変更され、番号も21 - /71 - となった[5]。そのため、16 - 20/66 - 70は当初から欠番となっている。

内装[編集]

1710Fまでは8000系に近いが、1711F以降は落成直前に登場していた9000系と同様に側扉の窓ガラス支持を外側から内側に変更[6]して室内側段差をなくし、座席を片持ち式に変更する[7]など、変化している。1711F以降は新製時より車内のドア上部にLED1段式旅客案内表示器を千鳥配置し、ドアチャイムを設置している。この2点は2004年度に既存編成についても設置した。駆動装置点検蓋に関しては1710Fまで設置していたが、1711F以降は省略された。

1721Fより設置された液晶ディスプレイ

1721Fからは、液晶ディスプレイ方式の車内案内表示装置が各乗降扉の上部に設置され、車内の袖仕切りも若干変更された。客用ドアは、東日本旅客鉄道(JR東日本)E231系などと類似したものに変更され、窓ガラス支持方法も接着式に変更された。また、ドアの車内側はステンレス無塗装仕上げとされ、戸当たりゴムの両側に黄色いラインが引かれている。形式番号、禁煙標示、製造所表示は一枚のステッカーにまとめられた。このステッカーには製造年の記載がない。

一部の編成は2012年3月に客室照明を蛍光灯からLED照明に交換している[8]

乗務員室[編集]

運転台(クハ1728)

井の頭線車両で初のワンハンドル式主幹制御器、また、京王の車両では初の電子警笛が装備された。1710Fまでは低運転台構造、1711F以降は高運転台構造となっている。乗務員室仕切は客室から見て左側に大窓、右側に仕切扉があり、1712F以降は大窓の下辺高さが高くなった。乗務員室の共通事項は別項を参照。

主要機器[編集]

主制御装置、主電動機[編集]

本系列は井の頭線初のVVVFインバータ制御車両である[3]。初期の編成は軽量車体に大出力の主電動機を搭載したことでMT比電動車付随車の構成比)2M3Tを実現したが、2003年(平成15年)製の1711F以降ではMT比が3M2Tに変更されている。これは初期の編成で雨天時の空転や滑走などが多発して問題となったためである[9]。なお、1710Fまでの編成では、偶数編成(日立IGBT車)にセラジェット噴射装置を搭載するなど新たに対策を施して問題を解消した。

VVVFインバータ制御装置の制御素子は1710Fまでの奇数編成が東洋電機製造GTOサイリスタ (RG655-A-M)、偶数編成は日立製作所IGBT (VFI-HR2480A) で、各M車に搭載される。1711F - 15Fは東洋電機製造製IGBTで、デハ1000形にはユニットを組むデハ1050形も制御するATR-H8180-RG682A-Mを、単独M車のデハ1100形はATR-H4180-RG683A-Mを搭載する。1721F以降では日立製作所製のIGBTで、デハ1000形にVFI-HR2820Kを、デハ1100形にVFI-HR1420Tを搭載する[10]

定速制御の機能を持っているが、井の頭線内では頻繁に加減速を行っているため、使用する機会は少ない。

屋上機器[編集]

パンタグラフは全編成とも3基搭載である。そのため、1710Fまではサハ1500形にもパンタグラフが搭載されている。初期に落成した編成は菱形パンタグラフであったが、1710Fのデハ1010でシングルアーム式が試験搭載された後、1711F以降は新造時からシングルアーム式を搭載した。従来車についても順次換装されたため、全編成がシングルアーム式に統一されている。屋根上に設置された冷房装置集中式で、補助送風機としてラインデリアを装備する。ベンチレーターは設置されていない。

編成表[編集]

 
← 渋谷
吉祥寺 →
電動車付随車の構成
MT比
制御装置
号車 5 4 3 2 1
編成 1701F - 1710F クハ1750形 デハ1100形 サハ1500形 デハ1000形 クハ1700形 2M3T (奇数編成)東洋GTO
(偶数編成)日立IGBT
1711F - 1715F クハ1750形 デハ1100形 デハ1050形 デハ1000形 クハ1700形 3M2T 東洋IGBT
1721F - 1734F 日立IGBT

製造次による差異[編集]

1・2次車[編集]

  • 1701F - 1710F

1995年 - 1998年度製造。前述のとおり、製造当初は菱形パンタグラフとしていたが、3次車登場以降シングルアーム式への交換のほか、LED式旅客案内表示器、ドアチャイムの設置が行われた。つり革は1000系唯一の丸型である。

なお、一部増設されたつり革は三角型である。

3編成が日本車輌製造(以下、日車)製、7編成が東急車輛製造(以下、東急)製である。

3・4次車[編集]

  • 1711F - 1715F

2002年 - 2004年度製造。前述のとおりMT比3M2Tに変更しているほか、シングルアーム式パンタグラフを新造時から採用している。

内装は9000系0番台に準じ、LEDによる車内表示器、ドアチャイムを新造時から設置している。また、つり革は三角型に変更された。

全編成が東急製である。

5・6次車[編集]

  • 1721F - 1734F

前述のとおり外観はビードレスのステンレス剛体とし、正面のLED式行先表示器を大型・フルカラー化し、その横に運行番号表示器を移設し、車体内部に埋め込んだ。保安装置改良に伴いATCを新造時から搭載している。内装は9000系30番台に準じ、車内表示器はワイドサイズの液晶ディスプレイを採用している。なお、液晶ディスプレイは後述の1729Fを皮切りに1画面から2画面への増設が開始されているほか、井の頭線で初となる自動放送装置の設置工事も行われており、2012年10月以降は設置が完了した編成から順次使用を開始している[11]

全編成が東急製である。

正面色一覧[編集]

BYR color wheel.svg この項目ではを扱っています。
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編成番号と車体色の対応は下表のとおりであり、「第n編成の車体色はnを7で割った余りに対応する」という規則がある。この規則は3000系と基本的に同一である。

1721F以降はベージュが明度不足であることからオレンジベージュに変更されている[12]が、これ以外は下記の規則どおりとなっており、編成番号同様正面色も1716F(アイボリー) - 20F(ベージュ)が飛ばされている。

オレンジベージュ色で新造された1727F
  1701F
- 1715F
1721F
- 1734F
1. ブルーグリーン 01 08 15   22 29
2. アイボリー 02 09   23 30
3. サーモンピンク 03 10 24 31
4. ライトグリーン 04 11 25 32
5. バイオレット 05 12 26 33
6. ベージュ    
オレンジベージュ 06[13] 13[14] 27 34
0. ライトブルー 07 14 21 28  

特別ラッピング車両[編集]

10月3日より運用を開始した特別ラッピング車両(2012年10月5日、明大前 - 永福町間)

1729Fは2012年10月3日より、井の頭線のイメージカラーであるレインボーカラーのラインと沿線の名所や魅力(ハチ公、井の頭公園、神田川、あじさい、さくら)を表現したステッカーを貼付した特別ラッピング車両として運行を開始した。正面色は、清潔感のある「ホワイト」がベースとなっている。

また車内の液晶ディスプレイを2画面化し、「京王DG(デジ)チャンネル」として2012年11月からテレビ東京製作のニュース番組『NEWS EXPRESS』や『空から京王沿線を見てみよう』(『空から日本を見てみよう』の京王沿線バージョン)、天気予報やCMの放映を行っている[15]

期間は1年間を予定していたが[16]、2013年11月以降もラッピングを継続している[17]

脚注[編集]

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  1. ^ 文献によって渋谷寄り先頭車の車両番号を編成表記とする場合(例:1751F)、吉祥寺寄り先頭車の車両番号を編成表記とする場合(例:1701F)、編成内最若番の車両の番号を編成表記とする場合(例:1001F)があり、正式なものであるか不明であるため、このような表記を行っている。
  2. ^ 先頭部のみ普通鋼製。
  3. ^ a b 車両の概要”. 京王電鉄. 2013年2月1日閲覧。
  4. ^ 京王れーるランド内に展示の資料より。
  5. ^ 「京王ニュース 2008年度の取り組み」 - ウェイバックマシン(2008年10月7日アーカイブ分)
  6. ^ 支持方式は従来どおり押え金式である。
  7. ^ 8000系のような座席の仕切りを棒から京浜急行電鉄新1000形で採用した形状に近い袖仕切りに変更。
  8. ^ 京王線・井の頭線の車内へ環境にやさしいLED照明を導入します。 (PDF) - 京王電鉄ニュースリリース 2012年2月13日
  9. ^ 3000系の置き換えのタイミングという理由もあるが、1710Fが1998年度に入線した後、2003年の1711F入線までしばらく新製が中断していた。
  10. ^ 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻825号(2009年10月号臨時増刊)「鉄道車両年鑑 2009年版」p.187
  11. ^ 自動放送の音声は京王線のものと同じ。車外スピーカーからの乗降促進自動放送も可能になっている。
  12. ^ 『鉄道ピクトリアル』通巻825号(2009年10月号臨時増刊)p.140
  13. ^ 2010年8月にベージュから変更(京王1000系1006編成がオレンジベージュに - 『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース(交友社))
  14. ^ 2010年4月にベージュから変更
  15. ^ [http://www.keio.co.jp/news/backnumber/news_release2012/nr121025v01.pdf 京王井の頭線の車両ビジョンにおいて テレビ東京のニュースやオリジナルコンテンツ映像を放映。] (PDF) - 京王電鉄ニュースリリース 2012年10月25日
  16. ^ 井の頭線で特別ラッピング車両を運行します。 (PDF) - 京王電鉄ニュースリリース 2012年9月26日
  17. ^ 『京王ニュース』2013年11月号より。