交響曲第85番 (ハイドン)

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交響曲第85番の愛称の由来となったマリー・アントワネットの肖像画

交響曲第85番 変ロ長調 Hob. I:85 は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン1785年頃に作曲した交響曲。全6曲からなる『パリ交響曲』の4曲目(作曲順では2番目)であり、『王妃』(: La Reine)の愛称で知られる。

愛称の由来[編集]

王妃』という愛称はハイドン自身によるものではないが、アンボー社(Imbault)から出版された本作の初版の楽譜には既に「フランス王妃」(La Reine de France)と記されており[1]、これは一説にフランス王妃マリー・アントワネットが、本作を含む一連の『パリ交響曲』の作曲をハイドンに依頼したオーケストラ団体「コンセール・ド・ラ・オランピック」(Le Concert de la Loge Olympique)を気に入っていたこと[2]、そして『パリ交響曲』の中でも特に本作を気に入っていた[3][4][5]といわれていることから、この愛称で呼ばれるようになったと考えられている。

楽器編成[編集]

フルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦五部

構成[編集]

全4楽章、演奏時間は約22分。

  • 第3楽章 メヌエット:アレグレット - トリオ
    変ロ長調、4分の3拍子。

脚注[編集]

  1. ^ Anthony van Hoboken: Joseph Haydn. Thematisch-bibliographisches Werkverzeichnis. Band I. Schott-Verlag, Mainz 1957, S. 152.
  2. ^ Michael Walter: Haydns Sinfonien. Ein musikalischer Werkführer. C. H. Beck-Verlag, München 2007, ISBN 978-3-406-44813-3, S. 88–93.
  3. ^ Wulf Konold: Sinfonie Nr. 85 B-Dur (Hob. I:85) „La Reine“ In: Wulf Konold (Hrsg.): Lexikon Orchestermusik Klassik A – K. B. Schott´s Söhne, Mainz 1992, ISBN 3-7957-8224-4, S. 162–164.
  4. ^ Haydn-Festspiele Eisenstadt: Hob.I:85 Symphonie in B-Dur „La Reine“ Informationstext zur Sinfonie Nr. 85 B-Dur. http://www.haydn107.com/index.php?id=2&sym=85, Abruf 28. August 2012.
  5. ^ Walter Lessing: Die Sinfonien von Joseph Haydn, dazu: Sämtliche Messen. Eine Sendereihe im Südwestfunk Baden-Baden 1987-89. 3. Band, Baden-Baden 1989, S. 9–12.
  6. ^ 大宮真琴『ハイドン 新版』音楽之友社〈大作曲家 人と作品 2〉、1981年、182頁。ISBN 4276220025 

外部リンク[編集]