交響曲第3番 (プロコフィエフ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

交響曲第3番ハ短調 作品44は、セルゲイ・プロコフィエフ1928年に作曲・完成した3番目の交響曲である。全体は4楽章から構成される。

概要[編集]

前年の1927年に完成させた歌劇炎の天使』は、1928年6月14日パリセルゲイ・クーセヴィツキーの指揮によってその一部が上演(演奏会形式による)されたが、完全な形による初演の見通しが立たないことを悟ったプロコフィエフは、『炎の天使』を基にした組曲を計画した。だが、オペラのある主題がソナタ形式の主題として使えることに気付いたプロコフィエフは、これを交響曲とすることに決め、作曲作業は1928年の夏から11月3日にかけて行われた。

このような成立過程であるが、プロコフィエフは自伝の中で「私の最上の作品の一つ」と述べており、かなりの自信を持っていたことが窺える。またこの曲が「炎の天使交響曲」と呼ばれることは好まず、標題のない純粋音楽作品として見られることを望んだ。ライバル的存在であったストラヴィンスキーが高く評価した作品でもある。

この曲は友人であるミャスコフスキーに捧げられた。

初演[編集]

1929年5月17日パリのサラ・プレイエルで、モントゥーの指揮によって行われ、好評を博したと伝えられる。

楽器編成[編集]

曲の構成[編集]

第1楽章 モデラート(Moderato)
  • ハ短調。序奏付きのソナタ形式
  • 歌劇『炎の天使』では、序奏の主題は「レナータの絶望」、第1主題は「炎の天使マディエルへの愛」、第2主題は「騎士ルプレヒト」の主題である。
第2楽章 アンダンテ(Andante)
  • ニ短調。静かな緩徐楽章。三部形式
  • 歌劇『炎の天使』の第5幕「僧院の場」の主題に基づいている。
第3楽章 アレグロ・アジタート(Allegro agitato)
  • ハ短調。スケルツォ
  • コントラバス以外の弦楽4部をそれぞれ3部に分けた合計13声部の弦楽器群が特徴的である。ショパンピアノソナタ「葬送」の終曲からの着想だといわれる。歌劇『炎の天使』の第1幕第1場の音楽に基づいている。
第4楽章 アンダンテ・モッソ(Andante mosso)
  • 自由なソナタ形式
  • 歌劇『炎の天使』の第2幕第2場の悪魔の音楽が中心となっている。

演奏時間[編集]

約34分ないし約35分。

参考資料[編集]