交通事故自動記録装置

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交通事故自動記録装置(こうつうじこじどうきろくそうち、通称:タームス: TAAMS - Traffic Accident Auto Memory System)は、交通事故発生時における衝突音やブレーキ音などを感知し、その前後の映像を自動的に記録する装置である。警察庁により2001年5月から導入が開始され、現在、日本各地にある約1千箇所の交差点に設置されている。

概要[編集]

タームスは常時、映像と音を記録し続けているが、バッファを越えた分の記録は常に廃棄され続けている。事故が起きる際には衝突音・ないしブレーキ音が発生するが、それをマイクが検知すると、衝突の前後あわせて10秒間の動画映像記録を作成する。また、カメラの死角をなくすため、2台以上がセットで設置されることが多い。

設置によるメリット[編集]

  • 死亡事故において、「死人に口無し」の状況を回避できる。
  • 捜査に要する手間が省ける。
    • 日本では、交通事故自動記録装置の信用性を認める判決があり[1]、結果的に過失割合の判定などにも利用される可能性がある。

デメリット[編集]

  • 基本的に音によって反応するため、子供の甲高い声、トラックの荷台に物が乗っている際のカラカラといった車両の音、鳥などの動物の鳴き声等、周囲の音を検知し誤作動することがある。
  • 画質がVHSビデオ相当であるため、詳細な画像分析には向かない。
  • 設置費用が高額である。

出典[編集]

  1. ^ 交通事故自動記録装置の信用性を認める(レスポンス 2007年6月17日)

関連項目[編集]