五味文彦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

五味 文彦(ごみ ふみひこ、1946年(昭和21年)1月30日 - )は、日本の歴史学者放送大学教授東京大学名誉教授人間文化研究機構理事(非常勤)。2003年(平成15年)〜2004年(平成16年)に(財)史学会理事長。東京大学出版会理事長。

経歴[編集]

山梨県甲府市出身。1964年山梨県立甲府第一高等学校卒業、1968年東京大学文学部国史学科卒業、1971年同大学院人文科学研究科博士課程中退、東京大学文学部助手1973年5月神戸大学文学部講師1976年お茶の水女子大学文教育学部助教授1984年10月東京大学文学部助教授、1992年7月教授、1995年東京大学大学院人文社会系研究科教授、2006年東京大学退任、名誉教授、放送大学教養学部教授。1992年「院政期社会の研究」で東大博士(文学)

活動[編集]

文学や絵画まで含む多様な史料と考古学の成果を利用しつつ、日本の中世を芸能・文化をふくむ広い視野で捉える研究をつづけている。

受賞歴[編集]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『院政期社会の研究』(山川出版社、1984年)
  • 平家物語、史と説話』(平凡社選書、1987年/平凡社ライブラリー、2011年)
  • 『大系日本の歴史〈5〉 鎌倉と京』(小学館、1988年/小学館ライブラリー、1992年)
  • 『吾妻鏡の方法―事実と神話にみる中世』(吉川弘文館、1990年、増補版2000年)
  • 『中世のことばと絵―絵巻は訴える』(中公新書、1990年)
  • 『藤原定家の時代―中世文化の空間』(岩波新書、1991年)
  • 『武士と文士の中世史』(東京大学出版会、1992年)
  • 『都市の中世』(吉川弘文館、1992年)
  • 『日本中世史』(日本放送出版協会、1992年、改訂版1998年)
  • 『絵巻で読む中世』(ちくま新書 1994年/ちくま学芸文庫、2005年)
  • 『大仏再建―中世民衆の熱狂』(講談社選書メチエ、1995年)
  • 『殺生と信仰―武士を探る』(角川書店[角川選書]、1997年)
  • 『「徒然草」の歴史学』(朝日新聞社朝日選書]、1997年)
  • 『日記に中世を読む』(吉川弘文館、1998年)
  • 『「春日験記絵」と中世―絵巻を読む歩く』(淡交社、1998年)
  • 平清盛 人物叢書』(吉川弘文館、1999年)
  • 『日本の歴史〈4〉 武士の時代』(岩波書店、2000年)
  • 明月記の史料学』(青史出版、2000年)
  • 『日本の中世〈7〉 中世文化の美と力』(中央公論新社、2002年)
  • 梁塵秘抄のうたと絵』(文春新書、2002年)
  • 『書物の中世史』(みすず書房、2003年)
  • 『日本史リブレット 中世社会と現代』(山川出版社、2004年)
  • 源義経』(岩波新書、2004年)
  • 『物語の舞台を歩く 義経記』(山川出版社、2005年)
  • 『中世の身体』(角川叢書、2006年)
  • 『中世社会史料論』(校倉書房、2006年)
  • 『王の記憶』(新人物往来社、2007年)
  • 『躍動する中世』(小学館、2007年)
  • 『日本の中世を歩く』(岩波新書、2009年)
  • 後白河院 王の歌』(山川出版社、2011年)
  • 『西行と清盛 時代を拓いた二人』(新潮選書、2011年)
  • 後鳥羽上皇 新古今集はなにを語るか』(角川学芸出版[角川選書]、2012年) 
  • 『日本史の新たな見方、捉え方 中世史からの提言』(敬文舎、2012年)
  • 鴨長明伝』(山川出版社、2013年) 
  • 『「枕草子」の歴史学 春は曙の謎を解く』(朝日新聞出版[朝日選書]、2014年)

編著[編集]

  • 『日本史史話』(1・2巻、山川出版社、1993年)
  • 『都市と商人・芸能民―中世から近世へ』(山川出版社、1993年)
  • 『城と館を掘る・読む―古代から中世へ』(山川出版社、1994年)
  • 『中世の空間を読む』(山川出版社、1995年)
  • 絵巻に中世を読む』(吉川弘文館、1995年)
  • 『日本史重要人物101』(新書館、1996年)
  • 『土地と在地の世界をさぐる―古代から中世へ』(山川出版社、1996年)
  • 『詳説 日本史研究』(山川出版社、1998年)
  • 『芸能の中世』(吉川弘文館、2000年)
  • 『中世都市鎌倉と死の世界』(高志書院、2002年)
  • 『中世の系譜―東と西、北と南の世界』(高志書院、2004年)
  • 『中世都市鎌倉の実像と境界』(高志書院、2004年)
  • 『別冊歴史読本 源氏対平氏』(新人物往来社、2004年)
  • 平家物語図典』(小学館、2005年)
  • 『モノとココロの資料学 中世史料論の新段階』(高志書院、2005年)
  • 『交流・物流・越境―中世都市研究〈11〉』(新人物往来社、2005年)
  • 『ちょっとまじめな日本史Q&A』 (上・下、山川出版社、2006年)
  • 『中世の対外交流 場・ひと・技術』(高志書院、2006年)
  • 『史料を読み解く 中世文書の流れ』(山川出版社、2006年)
  • 『中世の寺院と都市・権力』(山川出版社、2007年)
  • 『日本の中世』(放送大学教育振興会、2007年)
  • 『中世寺院暴力と景観』(高志書店、2007年)
  • 『現代語訳 吾妻鏡』(吉川弘文館、2007年~)-全16巻予定、本郷和人と共編。
  • 『もういちど読む山川日本史』(山川出版社、2009年)鳥海靖と共編。
  • 『日本の歴史と社会』(放送大学教育振興会、2009年)杉森哲也と共編。
  • 『日本古代中世史』(放送大学教育振興会、2011年)佐藤信と共編。

備考[編集]

  • 著作『院政期社会の研究』の中に「院政期政治史断章」という論文が収録されている。院政期の政治上の事件には、必ずといっていいほど男色関係が絡むことを強調したこの論文は、日本史を学ぶ学生の間で、画期的な「ホモ論文」として有名となっている。ただし頼長の男色について触れたのは、東野治之「日記にみる藤原頼長の男色関係-王朝貴族のウィタ・セクスアリス」(『ヒストリア』1979)が先である。また五味は本書あとがきで、このことを知ったため院政期社会に興味を失った時期もあると記し、棚橋光男らの批判を受けている(『後白河法皇』)

参考[編集]

  • 『現代日本人名録』2002年