二十世紀のパリ

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二十世紀のパリ』(にじっせいきのパリ、Paris au XXe Siecle )は、ジュール・ヴェルヌ1863年に執筆した、ヴェルヌ初のSF未来小説。

1863年に出版され好評を博した初の長編小説『気球に乗って五週間』に次いで執筆されたが、長らく未発表の幻の作品となっていた。

あらすじ[編集]

100年後の1960年8月13日、16歳のミシェル(Michel)はパリの「教育金融総合公社」を優秀な成績で卒業するが、授賞式で嘲笑を浴びる。

実は20世紀フランス科学万能主義が支配し、文化芸術は金銭換算でのみ評価され、政治も世襲政治家によって占められており、ミシェルの専攻するラテン語には、何の価値も与えられていなかった。

「世の中を動かす巨大な計算機」が差配する街には「地下や高架を走る鉄道」」や「太陽に匹敵する照明」の照らし出す大通りを「ガスで走る馬の要らない馬車」が埋め尽くしていた。 そして「交通渋滞」や大気汚染の蔓延する社会で「石油から合成されたパン」を食す人々の心は蔑ろにされ、友情や家族の縁も薄れていた。

失意の内に銀行で計算機を扱う職に就いたミシェルはある日、恩師の娘に恋をする。ままならぬ日々の中でパリは大寒波に見舞われ、ミシェルは職を失い無一文となってしまう。そして、なけなしの小銭でパンでは無く、彼女に贈るため花を買うのだった。

概要[編集]

今日で言う「ディストピア」を描き、ヴェルヌが生きていた19世紀における、科学・産業革命を賞賛する風潮とは一線を画した内容となっていたため、出版社はこれを『暗く荒唐無稽な作品』として出版しなかった。

本作はその後ヴェルヌの手元に死蔵され、死後に発表された未発表作品の目録に名前のみ存在し、研究者などからは幻の作品と呼ばれていたが、1991年、曾孫のジャン・ヴェルヌ(Jean Verne)によって偶然発見され、1994年にフランス及びアメリカで、翌年には日本でも出版された。

書籍[編集]

  • ジュール・ヴェルヌ(訳:榊原 晃三) 『二十世紀のパリ』 集英社、1995年3月。ISBN 978-4087732177