カメ

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?カメ目

アオウミガメ Chelonia mydas
分類
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
爬虫綱 Reptilia
カメ目 Testudines
Linnaeus, 1758
亜目

カメ)は、爬虫綱・カメ目(Testudines)に分類される爬虫類の総称。

目次

[編集] 分布

南極大陸を除いた熱帯温帯に300種類程が分布する。ブランディングガメのように耐寒性を持ち水面が凍りついた環境でも生息する種もいる。

[編集] 日本でみられる種

外来種を含め、日本では以下の6科13種(うち2種は一部の亜種のみ)がみられる。

(備考 - 発見例の少ない外来種を除く。亜種分類には諸説があるものも含む。)

なお、ゼニガメは本来ニホンイシガメの幼体を指す俗称だが、クサガメの幼体もゼニガメと呼ばれる

[編集] 形態

甲長10cm程度の種から甲長2m以上(カメは甲羅に頭部や四肢、尾を収納するその生態から全長の計測が困難であるため、大きさを表す際には甲長という背甲の直線距離により大きさを表す。)になるオサガメまで様々だが、中生代には恐竜と共に繁栄していた事が分かっている。アメリカでは、中生代・白亜紀の地層から甲長4mに及ぶアーケロンArchelon spp.)という巨大なウミガメの化石が発見されている。

オスとメスの大きさは同じか、多くの種ではメスの方が大型化する。カンムリガメではオスの最大甲長が17.5cmなのに対し、メスは最大甲長が61cmに達する。主な二次性徴としてオスは陰茎を収納する関係から尾が太長く、交尾の時にメスに乗りやすいように腹甲が凹んでいることが多い。

[編集] 甲羅

カメの外見上の最大の特徴は、甲羅を持つ事である。甲骨板は外側が(角質甲板)、内側が皮骨(骨甲板)で形成され、それぞれの継ぎ目をずらす事で強度を上げる工夫をしている。爬虫類で甲羅を持つのはカメ類だけで、トカゲヘビワニ等他の爬虫類との中間的な動物が発見されていない。よって爬虫類の始祖からどのように進化し、甲羅を持つに至ったのか詳しい事は不明である。この為カメ類は爬虫類の中でも特異な群とされている。

  • 背甲 (carapace) - 背面にある甲羅。
    • 椎甲板 (vertebral) - 脊椎の上部にある甲板。多くのカメでは5枚。
    • 肋甲板 (pleural) - 背甲の肋骨(人間と違い肩帯から腰帯まで覆う)上部にある甲板。
    • 縁甲板 (marginal) - 背甲の外周にある甲板。ワニガメでは肋甲板との間に上縁甲板があり原始的な特徴とされる。
      • 臀甲板 - 背甲の最も尾側にある縁甲板。左右1対か、融合して1枚になっている。
    • 頂甲板 (cervical) - 背甲の頭部側の先端にある左右の縁甲板を繋ぐ甲板。
  • 腹甲 (plastron) - 腹面にある甲羅。いくつかの属や種では甲板の間に1、2つの蝶番があり可動させることができる。
    • 喉甲板 (gular) - 腹甲のうち一番頭部に近い位置にある左右に1対の甲板。
    • 肩甲板 (humeral) -
    • 胸甲板 (pectral) -
    • 腹甲板 (abdominal) -
    • 股甲板 (femoral) -
    • 肛甲板 (anal) - 腹甲のうち一番尾に近い位置にある左右に1対の甲板。種によってはこの甲板の間にある切れ込みにより雌雄を判別できる。(V字状に鋭く切れ込むのがオスとされる。)

なお、甲羅を持つ故に他の生物には見られない特徴が存在する。本来肩帯は、肋骨のないカエルを別にすれば例外なく胸郭の肋骨より外側に、また尾部まで肋骨をもつ有鱗目では腰帯も外側に付いているが、カメは内側にある。また、それと関係してか、関節は他の爬虫類とは逆に外側に曲がるようにできている。また、かつて胴体を動かしていたと思われる筋肉は、甲羅により胴体を曲げたりしなくなったため退化したように見えるが、呼吸をする上でふいごのように働き、呼吸運動に必要な力を供給する隔膜として転用されている。ただし、隔膜は人間の横隔膜と違い、縦に付いている。

陸棲傾向の強い種では背甲が軽量化し乾燥や外敵に対する防御のためドーム状に盛り上がり、水棲傾向の強い種では水の抵抗を減らすため背甲が扁平になる傾向がある。スッポン科やオサガメでは、軽量化のため角質甲板が無く骨甲板も退化している。例外も存在し、陸棲なのに扁平な背甲を持ち素早く動き岩の隙間等に潜り込むパンケーキガメや、水棲傾向が強いがドーム状の背甲を持つマレーハコガメの亜種等がいる。

[編集] 生態

多くの種類が河川等の淡水域に生息する。水からあまり離れずに生活するが、リクガメ科は終生陸上で生活する。水棲種も爬虫類なので呼吸をしないと生きていけず、たまに水面に顔を出して息継ぎをしなければならない。しかし、冬眠中の個体やハヤセガメのように総排出腔でガス交換を行うことにより空気呼吸を行わず、呼吸の為に水面に上がらない種もいる。

繁殖形態は卵生で、多くの種は産卵も陸上で行いを広範囲に渡って回遊するウミガメ類も産卵時は砂浜に上陸する。例外的に、浅い水中で産卵を行う種もある。

カメ類は細胞代謝のサイクルが遅く、動物の中でも長寿の代表格とされる。日本には「鶴は千年、亀は万年」という慣用句もある。しかし、カメが1万年生きたという記録はない。知られているカメの生存最高記録は2006年6月24日オーストラリア動物園で飼われていた推定175歳のガラパゴスゾウガメハリエット心不全で死亡したもので、捕獲時には既にある程度成長していたため正確な年齢は分かっていない。またセーシェルゾウガメで152年生存した記録もあるが、これは野生個体を採捕したものが事故で死んで記録が途切れたもので、捕獲前の期間と寿命を考慮するともっと長くなるのは間違いない。これらは人間の平均寿命のおよそ2倍にあたる。

英語ではウミガメ・ミズガメ・ヌマガメ・半水棲のヤマガメ・ハコガメをTurtle(タートル)、リクガメをTortoise(トータス)と呼び、明確に区別している。

[編集] 分類

カメ目は、頸部()を甲羅に収める方法によって大きく2つに分類される。曲頸亜目のカメは南半球に分布し、頸(くび)を水平に折り曲げて甲羅に収める。これに対して潜頸亜目のカメは、頸を垂直にS字形に縮めるようにして収める。尚、オオアタマガメのように、頭が大き過ぎて甲羅にしまう事の出来ないカメもいる。他に絶滅した亜目として三畳紀に生存していたプロガノケリス亜目がある。

[編集] プロガノケリス亜目 Proganochelys

[編集] 曲頸亜目 Pleurodira

[編集] 潜頸亜目 Cryptodira

ワニガメ Macroclemys temminckii
ワニガメ Macroclemys temminckii

カミツキガメ上科 Chelydridea

ウミガメ上科 Chelonioidea

ドロガメ上科 Kinosternoidea

リクガメ上科 Testudinoidea

スッポン上科 Trionychoidea

(備考 - オオニオイガメ科 Staurotypidae はドロガメ科に含めた、スッポン上科はドロガメ上科に含める説もある)

[編集] 人間との関係

[編集] ペット

日本ではクサガメの幼体やミドリガメの流通名で販売されるミシシッピアカミミガメのように、ペットとして飼育される。

多くの種類が流通するが、近年では日本に分布しないリクガメの人気がある。しかしインドホシガメのように、生息地からの輸出が禁止されてるにもかかわらず密輸され流通する種もいる。

スッポン(ニホンスッポン) Pelodiscus sinensis
スッポン(ニホンスッポン) Pelodiscus sinensis

[編集] 食用

最も多く食用に用いられているのはスッポンで、工場の廃熱などから得られた温水を利用し養殖が行われている。日本では雑炊などの鍋物や、全体を乾燥して粉末化した健康食品に用いられる事が多く、中国では、煮込み料理にされる事が多い。同じくスッポン科で大型のコブクビスッポン(Palea steindachneri)も中国では食用に珍重されていたが、養殖が進まず、絶滅が危惧されている。

香港などではミスジハコガメCuora trifasciata)などの腹甲が、茯苓などの生薬とともに煮込まれて、亀苓膏(きれいこう)、俗に亀ゼリーと呼ばれて、解毒、美容の効果がある食品として食べられているが、ミズジハコガメが絶滅の危機にあるため、近年は材料がクサガメなどに変えられている。弱い弾力があり苦甘い。

ヨーロッパでは、アオウミガメのスープが極めて美味なものとされた。不思議の国のアリスに偽ウミガメというのが出てくるのは、乱獲で品薄になったため、仔牛で代用したことにひっかけたものである。また大航海時代には、大西洋やインド洋の島々に生息するゾウガメが船員の食料として乱獲され、多くの種が絶滅した。日本においても、ウミガメは貴重なタンパク源であった(特には美味であるとされる)。小笠原諸島ではアオウミガメの刺身を含む各種の亀料理が発達していたが、ワシントン条約以後、捕獲が禁止されたため食用とされることはなくなった。味は鶏肉に似ている。

俗に、「淡水に生息する亀と海水に生息する亀の相の子は、毒を持つので食べてはならない」と言われる。

[編集] 鼈甲細工

タイマイの甲羅は鼈甲(べっこう)細工の材料になり、眼鏡フレームなどの工芸品に加工されていたが、ワシントン条約以後、捕獲が禁止された。現在は代替の人工的に作られた鼈甲で賄われている。

[編集] 風習と伝説

日本では「鶴は千年、亀は万年」と言われ、ツルと共に長寿の象徴、夫婦円満の象徴とされる。その他、動作が鈍い事、守備が堅い事の象徴としても用いられる。また、甲羅に藻がたくさん生えたり藻が尻尾のようになった亀は特に珍重され縁起のよいものとされるため蓑亀(みのがめ)または緑藻亀・緑毛亀ともよばれる。

伝説上の亀として、浦島太郎に登場する亀がある。亀が夫婦円満の象徴とされるのは、この浦島伝説に於いて、乙姫(亀姫)が浦島太郎が老人になって以後、太郎を慕って添い遂げ、太郎が鶴に、乙姫が亀に化身したと言うところから来ている。

「亀鳴く」は、俳諧で春の季語。『夫木集』の藤原為家の「川越のをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀の鳴くなり」が起源であるとされる。

中国では霊獣四神の一つとして玄武があり、北方を守護するとされた。また甲羅は占いで焼いて神意を伺っていたようで甲骨文字の語源ともなっている。(日本では太占インドでは複数で大地を支える大亀という話がある。

[編集] ウサギとカメ

あまりにも有名なイソップ童話の一つ。地道に進む勤勉なカメが、足は速いがさぼり癖のあるウサギに勝つ話。フジテレビ系のテレビ番組『トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』において「トリビアの種」として、実際にカメとウサギのどちらが先に目的地へたどり着くかを実験したところ、カメが勝ってしまう結果に終わった。両者に明確な目的(エサなど)が無いままレースが進んだため、ウサギは止まったり走ったり、または戻ったりを繰り返していた。しかしカメには敏捷性はないが一旦進むと、方向を変えたりするのがかなり重労働なのか、立ち止まる事はあったが、結局先にゴールした。このレース結果は、たった一度の実験であるため、科学的説得力など皆無であるが、ある意味イソップ童話を体現した結果となった。


この話にはもう一つあって、ジョーエル・チャンドラー・ハリスの「リーマスじいやの話」にも含まれている。こちらは、カメが親類一同を集め、ウサギ一匹に対してリレーで戦って勝ってしまう話。ウサギにはカメの区別がつかないのを悪用したのである。

[編集] 保護

環境破壊や食用、ペット用の乱獲等により生息数は減少している種が多い。そのためワシントン条約により流通が規制されたり、原産国により保護される種が増えている。

[編集] 柔道でのカメ

柔道では、寝技においてうつぶせになり体を丸める体位を腹這い又はカメと表現する。柔道ではカメの体勢になると大体は「待て」がかかり試合はリセットされるが、他の格闘技ではカメの体勢をとると相手の攻勢と見なすケースが多い。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク