乗鞍高原

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乗鞍岳山頂から見下ろした乗鞍高原の全景。

乗鞍高原(のりくらこうげん)は、飛騨山脈(北アルプス)南部東側に位置する高原。 観光利用が盛んであり、は避暑、夏からにかけては登山スキーを目的とする観光客が多く訪れる。また複数の温泉が湧出しているほか、他所(湯川源泉)からの引湯もなされている。標高1600m付近に「休暇村乗鞍高原」がある。

概要[編集]

乗鞍岳から東麓に流出した溶岩(主に番所溶岩)によって形成された東西に細長い山麓高原である。全域が長野県松本市安曇(旧南安曇郡安曇村)の大野川区に属しており、西半部(高標高側)は中部山岳国立公園にかかる。西端の最高所で約1800m、東端の最低所で約1100mという標高があり、夏でも気候は冷涼である。

2000年国勢調査によれば356世帯910人を数えるが、うち年少人口率は約15%、老年人口は約18%であり、日本の山間部にあっては比較的若い人口構成となっている。県道乗鞍岳線(乗鞍エコーライン)に沿って東から大野川、中平、宮ノ原、番所、千石平、楢ノ木、鈴蘭の7つの集落が存在する。

豊富な自然を生かした観光産業が発達しており、住民の多くは観光産業に従事している。ペンション・民宿・旅館・ユースホステル・国民宿舎などを合わせると100以上の宿泊施設があり、レストラン・そば店・お土産屋・貸しスキーなども多い[1]

3月初めには南極観測隊隊員候補が1週間、ルート工作や雪上歩行やビバークなどを訓練する、冬訓練を行う[2]

植生[編集]

高標高側ではシラカバカラマツなどの針葉樹林が広がる一方、低標高側では広葉樹林も混じるという植生状況にある。一方広大なスキー場を擁するため草原も多く、また集落周辺にはも見られ、ソバなどの栽培が行われている。

観光[編集]

自然が豊富で多様な動植物が生息する。運がよければ特別天然記念物ニホンカモシカが見られる。

1970-80年代のスキーブーム時代からは、スキー人口が大きく減少しており、冬季の観光では往時のにぎわいを失っている。

スキー場[編集]

温泉[編集]

  • のりくら温泉郷
    • 安曇乗鞍温泉(休暇村乗鞍が掘削した淡褐色の温泉で、飲泉ができる。泉質は炭酸水素塩泉)
    • わさび沢温泉(わさび沢地区の数件にのみ引湯されている。泉質はマグネシウム・カルシウム・炭酸水素塩鉱泉)
    • すずらん温泉(2001年に鈴蘭地区で湧出し鉄分が多い。泉質は中性底張性単純泉)
    • 乗鞍高原温泉
  • 湯けむり館(乗鞍観光センター側の日帰り入浴専用施設)

水辺[編集]

遊歩道・サイクリングコース[編集]

  • 乗鞍登山道
  • 遊歩道
    • 白樺の小径、口笛の小径、ふたりの小径、子リスの小径、やなぎらんの小径、小梨の小径、せせらぎの小径、千間淵遊歩道
  • サイクリングコース(『信州のりくら温泉郷 乗鞍高原』乗鞍高原観光案内所発行等を参照)

その他[編集]

  • キャンプ場
    • 一の瀬キャンプ場
    • ならの木オートキャンプ場
  • 鈴蘭橋(紅葉の名所)
  • オルガン橋
  • 三本滝レストハウス
  • 乗鞍高原自然園
  • 梓水神社

観光客数[編集]

2011年7~10月の乗鞍高原訪問観光客数は、延べ27万4900人であった。これは前年同期比10%近い減少であり、東日本大震災や6月の上高地土砂災害の他、週末に天候不順が重なった影響が大きいと考えられる。観光客数は、マイカー規制を始めた2003年の41万2500人以降、減少傾向が続いている。2012年4月28日~5月6日に春山バス(乗鞍観光センターと乗鞍山頂近くを結ぶ)を利用したのは1316人だった[3]

その他施設[編集]

交通[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『信州のりくら温泉郷 乗鞍高原』乗鞍高原観光案内所、2010年5月
  2. ^ 小島秀康 『南極で隕石をさがす』 成山堂書店、2011年ISBN 978-4425570010 pp.28-29
  3. ^ 『信濃毎日新聞』2012年5月15日27面記事