世界 (雑誌)

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世界
刊行頻度 月刊
発売国 日本の旗 日本
言語 日本語
出版社 岩波書店
編集長 岡本厚
刊行期間 1945年12月 - 現在
ウェブサイト 岩波書店『世界』

世界(せかい)とは、岩波書店が発行している論壇誌である。1945年12月創刊。

目次

[編集] 概要

初代編集長は、『君たちはどう生きるか』の著者である吉野源三郎。最高責任者には岩波書店創業者岩波茂雄の親友であった安倍能成を擁した。安江良介(後の岩波書店社長であり、革新知事美濃部亮吉の下で都知事特別秘書を務めた)も長きにわたって編集長を務めた。現在の編集長は岡本厚

論壇誌ではなく「文藝春秋」等と同様に総合誌として位置づけられており、内容は学術性と正確性を重視する方針。テーマとして平和問題を扱い、また冷戦時においては第三世界論の展開で東側陣営よりも西側陣営に批判的なスタンスをとり、現在でも日本やアメリカに対する批判に比べて中国韓国に対する批判は少ない。独裁政権、軍事政権時代の韓国については批判的であった。また、原子力発電に対しては一貫して反対のスタンスである。

左派全盛時代には論壇全体の中核月刊誌として権威を誇り、その後も左派論壇の中心的地位を占めた。1980年代以降の左派論壇衰退により、数ある月刊論壇誌の一つという程度の位置になったが、朝日新聞社の『論座』が休刊して以降、左派論壇唯一の牙城となっている。老舗であることから公立図書館大学図書館などにも必ず配架されている。

左派の社会運動や政治運動への影響力はあるが、直接関わることは少なく、古くは市民運動家やフリージャーナリストに誌面を割くこともまれであった。同様の論調であったが学生層や市民運動家などに読者が多かった週刊「朝日ジャーナル」とは購読層が異なっており、むしろ「文藝春秋」同様に読書家の「知的アクセサリー」としての意味ももっていた。

発行部数は、1950年代 - 1960年代には公称20万部であったが、1990年代以降は公称7万部である。また、毎日新聞社が行っている『全国読書世論調査』の結果によれば、同誌は中央公論より愛読者(読者数・購読数)が少なかった事が明らかとなっている。そして中央公論昭和29年以降の最も売れた時の実売数が14万部弱(昭和40年11月号、80周年記念号、昭和45年12月号)である事から、同誌は最も売れた時でも14万部弱より少ない部数であったと推測される[1]

古くからある雑誌のため他の総合誌・論壇誌に比べ定期購読者を多く獲得しているとされ、また学術専門雑誌のようにバックナンバーも販売している。

歴史教科書問題」「沖縄戦」など特定のテーマを扱う「世界臨時増刊号」や「別冊世界」も不定期発行される。

[編集] 朝鮮問題についての報道

安江良介が編集長の時代、安江の戦前における日本の朝鮮への支配やそれにまつわる朝鮮人差別に対する贖罪意識から、当時軍事政権であった韓国に対して独裁政権の民衆への弾圧などに関する問題を中心とした『韓国からの通信』を掲載した。その一方、金日成の独裁体制にある北朝鮮に対しては好意的な記事が多く、70年代当時確立されつつあった世襲制による独裁体制や粛清が行われたことについては認識が甘かった[誰によって?]

拉致問題については、北朝鮮に対する報道姿勢は冷静に臨むとの旨を宣言している [2]

T・K生という韓国在住を装った匿名の筆者による長期の連載レポート『韓国からの通信』は、後に岩波新書で一部がまとめられたが途中(第4巻『軍政と受難―』)で単行本化は中止された。その理由について現在まで岩波書店は明解な説明をしていないため、様々な臆測がなされている。筆者の正体も長い間謎とされ、一時は当時の安江編集長が韓国人を騙って書いていたのではないかとも推測がされていたが、2003年になり、当時東京女子大学教授として日本滞在中だった池明観がT・K生であったと公表している(安江の関与もみとめている)[3]

[編集] 批判

韓相一は著書『知識人の傲慢と偏見』で、『世界』に書かれた北朝鮮、韓国の記事は金日成の宣伝と韓国の圧政の批判に終始しており「韓・日両民族の和解にとって少しも助けにはならなかった」と批判している。『世界』は、70年代から80年代にかけて金日成の宣伝のためにインタビュー記事を掲載して北朝鮮の体制を支持していたが、韓国に対しては近代化の問題点や軍事政権による圧政を問題とする記事を掲載して韓国の体制を執拗に批判しており、このような編集方針は日本の左派知識人の『実体と経験に全く根拠を置かないまま「北朝鮮=善」という単純な論理をそのまま表に出していた』のであり、彼らの「虚勢と自己欺瞞」であると強く批判している[4]

[編集] 脚注

[編集] 文献

  • 『世界別冊 総目次 1945-2005』 
(創刊60周年記念、執筆者総索引付)岩波書店、2006年 

[編集] 外部リンク

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