世界柔道選手権大会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
世界柔道選手権から転送)
移動: 案内, 検索
世界柔道選手権大会
開始年 1956
主催 国際柔道連盟
サイト 国際柔道連盟公式サイト
備考 男子は1956年から、女子は1980年から、男女共催は1987年から。
テンプレートを表示

世界柔道選手権大会(せかいじゅうどうせんしゅけんたいかい World Judo Championships)とは柔道世界大会である。通称“世界柔道”。国際柔道連盟(IJF)が主催する。

目次

[編集] 概要

文字通り、柔道の世界一を決定する大会である。かねてよりこの大会の権威は五輪などと同格で、現在でもIJFのグランプリシリーズで最高峰に位置付けられている。

男子1956年から、女子1980年から開催されており、1987年からは男女とも同一大会で開催されている。オリンピックでは実施されない無差別級も行われる。

2007年までは原則2年に一度であったが、2008年以降は毎年開催されることとなった。なお2008年の大会では初めて報奨金が付く大会として行われた[1]

[編集] 年表

  • 1956年 - 第1回大会が東京蔵前国技館で開催される。当時は体重無差別のみのトーナメント戦で、エントリ-もわずか21ヵ国31名であった。初代優勝者は夏井昇吉(日本)。
  • 1961年 - フランスパリで開催された第3回大会で、アントン・ヘーシンク)が初の外国人王者に。
  • 1965年 - この大会より体重別制が採用され、軽量級・中量級・重量級・無差別級の4階級で行われた。
  • 1967年 - 体重別が軽量級・軽中量級・中量級・軽重量級・重量級・無差別級の6階級に細分化。
  • 1969年 - 日本が全6階級を完全制覇。体重別制の採用以降で1ヵ国が金メダルを独占するのは、この大会と1973年大会(同じく日本)のみである。また、園田義男(日本)が兄弟優勝を果たす(後に、1993年大会で中村佳央行成も兄弟金メダルを達成)。
  • 1975年 - 新ルールにより、有効・効果のポイントと反則が採用された。
  • 1977年 - 開催国スペイン台湾選手団の入国を拒否し、これが政治問題へ発展。大会の1週間前になり突如、選手権の中止が決定された。
  • 1979年 - 体重別が6階級から8階級へ変更され、各国とも各階級へのエントリーは1名のみとなった。また、藤猪省三(日本)が史上初の4連覇を達成。
  • 1980年 - 女子の第1回大会がアメリカニューヨークマディソン・スクエア・ガーデンで開催され、女子柔道の盛んな欧州勢が金メダルを独占した。
  • 1981年 - 山下泰裕(日本)が95kg超級と無差別級で優勝し、史上初の2階級制覇(男子では、後に1995年のダビド・ドゥイエ)や2001年のアレクサンドル・ミハイリン)ら4選手が続いた)。
  • 1984年 - イングリッド・ベルグマンス)が72kg超級と無差別で優勝して、女子では史上初の2階級制覇を達成(後に1987年の高鳳蓮中国)と2010年の杉本美香日本)が続いた)。
  • 1986年 - ベルグマンスが無差別級で女子初の4連覇を達成。また軽量級のカレン・ブリッグス)や中量級のブリジット・ディディエ)らも3連覇を果たし、女子柔道における欧州のレベルの高さを証明した。
  • 1987年 - 西ドイツエッセンで男子第15回大会と女子第5回大会を同時に開催。以降、世界選手権は男女共催となる。またこの大会の男子無差別級で小川直也(日本)が男子史上最年少で優勝を果たし、初の10代(正確には19歳と7ヶ月)チャンピオンとなった。
  • 1991年 - 岡田弘隆(日本)が中量級で優勝。87年大会の軽中量級優勝に続く2回目の優勝で、無差別級を含まない2階級制覇として史上初の快挙であった(のちに古賀稔彦(日本)や全己盈韓国)が続いた)。
  • 1993年 - 男子無差別級でラファウ・クバツキ)が活躍。準決勝でが小川直也を破るなどして優勝し、日本が第4回大会(1965年)以来守り続けてきた無差別級のタイトルを獲得した。また、48kg級で田村亮子(日本)が女子では史上最年少となる18歳1ヶ月で優勝を果たした。
  • 1997年 - 男子60kg級、北朝鮮のカンとグルジアのレワジシビリとの試合で、相手を投げたカンのポイントが相手方につき、これを抗議したカンが反則負けとなった。後日IJFは誤審を認めるが、後の2000年シドニー五輪100kg超級決勝での誤審とともに、柔道大会史上「最悪の誤審」として今も認識されている。
  • 1999年 - 体重別の区分を変更。またこの大会よりカラー柔道着を導入したほか、かねてからの批判を受けて柔道着の肩・背中・袖口の厚さチェックを実施し、これにより39人の選手が着替えを命じられた。同時に、一本勝を奨励する目的で、最も一本勝ちが多かった選手に対して“一本トロフィー(The Ippon Trophy)”が贈られる事となり、男子は篠原信一が、女子は前田桂子(ともに日本)が受賞した。
  • 2001年 - 谷亮子が大会史上初の5連覇を達成(翌2003年大会も優勝し、最終的に6連覇を果たす)。また男子軽量級ではアニス・ルニフィ)が優勝し、アフリカに初めての金メダルをもたらした。
  • 2003年 - ゴールデンスコア方式を導入。
  • 2005年 - アフリカで初めて選手権が開催され、世界選手権未開催の地域は、南極大陸を除けばオセアニアのみとなった。
  • 2007年 - 100kg超級でテディ・リネール)が18歳5ヶ月で優勝して、男子における史上最年少優勝記録を更新した。
  • 2008年 - 従来の隔年開催から毎年開催に。ただし2008年は北京五輪があったため、五輪で実施されていない無差別級のみが開催された。この大会では翌年1月のIJFルール改定を控え、効果ポイントの廃止やゴールデンスコアの試合時間短縮が試験導入された。また、敗者復活戦は実施されなかった。
  • 2009年
- この大会より正式にルール改定が実施。敗者復活戦については実施するものの、簡略化してベスト8以上が出場要件となった。なお、この大会で日本男子が世界選手権の創設以初めて金メダル0に終わった。
- 9月にマカオで開催予定だった無差別選手権については、経済的理由により開催が中止された。
  • 2010年 - 2008年より始まったランキング制度の関係もあり各階級への出場者が各国2人までとなった(無差別級は4人まで)。またIJFルールの大幅な改定に伴い、下半身等への攻撃が大幅に制限された。また、この大会では日本が史上最多となる金メダル10個を獲得した。

[編集] 階級

階級は無差別級がある他はオリンピック柔道競技と同じである。大阪大会とカイロ大会では大会最終日の翌日国別団体戦が行われたが、これは世界選手権には含まれないため、出場選手はベストメンバーでは必ずしもなかった。

男子
1956-1963 1965 1967-1975 1979-1997 1999-2009
無差別級 無差別級
重量級
80 kg超
重量級
93 kg超
重量級
95 kg超
重量級
100 kg超
軽重量級
93 kg以下
軽重量級
95 kg以下
軽重量級
100 kg以下
中量級
80 kg以下
中量級
80 kg以下
中量級
86 kg以下
中量級
90 kg以下
軽中量級
70 kg以下
軽中量級
78 kg以下
軽中量級
81 kg以下
軽量級
68 kg以下
軽量級
63 kg以下
軽量級
71 kg以下
軽量級
73 kg以下
軽軽量級
65 kg以下
軽軽量級
66 kg以下
超軽量級
60 kg以下
女子
1980-1997 1999-2009
無差別級
重量級
72 kg超
重量級
78 kg超
軽重量級
72 kg以下
軽重量級
78 kg以下
中量級
66 kg以下
中量級
70 kg以下
軽中量級
61 kg以下
軽中量級
63 kg以下
軽量級
56 kg以下
軽量級
57 kg以下
軽軽量級
52 kg以下
超軽量級
48 kg以下

[編集] 歴代の大会

[編集] 男子大会

月日 大会 開催都市, 国 最多獲得メダル国
1956年 5月3日 第1回大会 日本の旗 東京, 日本 日本の旗 日本
1958年 11月30日 第2回大会 日本の旗 東京, 日本 日本の旗 日本
1961年 12月2日 第3回大会 フランスの旗 パリ, フランス オランダの旗 オランダ
1965年 10月14日 - 17日 第4回大会 ブラジルの旗 リオデジャネイロ, ブラジル 日本の旗 日本
1967年 8月9 - 11日 第5回大会 アメリカ合衆国の旗 ソルトレイク, アメリカ合衆国 日本の旗 日本
1969年 10月23 - 25日 第6回大会 メキシコの旗 メキシコシティ, メキシコ 日本の旗 日本
1971年 9月2 - 4日 第7回大会 西ドイツの旗 ルートヴィヒスハーフェン, 西ドイツ 日本の旗 日本
1973年 6月22 - 24日 第8回大会 スイスの旗 ローザンヌ, スイス 日本の旗 日本
1975年 10月23 - 25日 第9回大会 オーストリアの旗 ウィーン, オーストリア 日本の旗 日本
1977年 中止 スペインの旗 バルセロナ, スペイン
1979年 12月6 - 9日 第11回大会 フランスの旗 パリ, フランス 日本の旗 日本
1981年 9月3 - 6日 第12回大会 オランダの旗 マーストリヒト, オランダ 日本の旗 日本
1983年 10月13 - 16日 第13回大会 ソビエト連邦の旗 モスクワ, ソ連 日本の旗 日本
1985年 9月26 - 29日 第14回大会 韓国の旗 ソウル, 韓国 日本の旗 日本

[編集] 女子大会

月日 大会 開催都市, 国 最多獲得メダル国
1980年 11月2930日 女子第1回大会 アメリカ合衆国の旗 ニューヨーク, アメリカ合衆国 オーストリアの旗 オーストリア
1982年 12月45日 女子第2回大会 フランスの旗 パリ, フランス フランスの旗 フランス
1984年 11月1011日 女子第3回大会 オーストリアの旗 ウィーン, オーストリア ベルギーの旗 ベルギー
1986年 10月24 - 26日 女子第4回大会 オランダの旗 マーストリヒト, オランダ イギリスの旗 イギリス

[編集] 男女大会

月日 大会 開催都市, 国 最多獲得メダル国
1987年 11月19 - 22日 第15回大会 西ドイツの旗 エッセン, 西ドイツ 日本の旗 日本
1989年 10月10 - 15日 第16回大会 ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の旗 ベオグラード, ユーゴスラビア 日本の旗 日本
1991年 7月25 - 28日 第17回大会 スペインの旗 バルセロナ, スペイン 日本の旗 日本
1993年 9月30 - 10月3日 第18回大会 カナダの旗 ハミルトン, カナダ 日本の旗 日本
1995年 9月28 - 10月1日 第19回大会 日本の旗 千葉日本コンベンションセンター),日本 日本の旗 日本
1997年 10月9 - 12日 第20回大会 フランスの旗 パリ, フランス 日本の旗 日本
1999年 10月7 - 10日 第21回大会 イギリスの旗 バーミンガム, イギリス 日本の旗 日本
2001年 7月26 - 29日 第22回大会 ドイツの旗 ミュンヘン, ドイツ 日本の旗 日本
2003年 9月11 - 14日 第23回大会 日本の旗 大阪大阪城ホール), 日本 日本の旗 日本
2005年 9月8 - 11日 第24回大会 エジプトの旗 カイロ, エジプト 日本の旗 日本
2007年 9月13 - 16日 第25回大会 ブラジルの旗 リオデジャネイロ, ブラジル 日本の旗 日本
2008年 12月20 - 21日 第26回大会(無差別のみ) フランスの旗 ルヴァロワ=ペレ
2009年 8月26 - 30日 第27回大会 オランダの旗 ロッテルダム, オランダ 日本の旗 日本
2010年 9月9 - 13日 第28回大会 日本の旗 東京, 日本 日本の旗 日本
2011年 8月23 - 28日 第29回大会 フランスの旗 パリ, フランス フランスの旗 フランス
2011年 10月29 - 30日 第30回大会(無差別のみ) ロシアの旗 ロシア, チュメニ
2013年 第31回大会 ブラジルの旗 リオデジャネイロ, ブラジル
2014年 第32回大会 ロシアの旗 モスクワ, ロシア
2015年 第33回大会 ブラジルの旗 サンパウロ, ブラジル

[編集] メダル獲得数の国別一覧

順位 国・地域
1 日本の旗 日本 112 75 82 269
2 フランスの旗 フランス 43 27 61 131
3 大韓民国の旗 韓国 25 9 48 82
4 イギリスの旗 イギリス 16 17 29 62
5 中華人民共和国の旗 中国 16 12 17 45
6 キューバの旗 キューバ 15 18 33 66
7 オランダの旗 オランダ 14 19 36 69
8 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 11 13 33 57
9 ベルギーの旗 ベルギー 8 13 17 38
10 ロシアの旗 ロシア 7 8 22 37
11 ドイツの旗 ドイツ 6 9 18 33
12 ポーランドの旗 ポーランド 6 3 21 30
13 イタリアの旗 イタリア 5 6 17 28
14 ブラジルの旗 ブラジル 4 8 17 29
15 アメリカ合衆国の旗 アメリカ 4 7 16 27
16 朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮 4 3 7 14
17 オーストリアの旗 オーストリア 4 2 8 14
18 東ドイツの旗 東ドイツ 3 2 14 19
19 西ドイツの旗 西ドイツ 2 11 25 38
20 スペインの旗 スペイン 2 8 9 19
21 ハンガリーの旗 ハンガリー 2 4 16 22
22 ギリシャの旗 ギリシャ 2 2 1 5
23 ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン 2 1 5 8
24 イランの旗 イラン 2 0 3 5
25 グルジアの旗 グルジア 1 6 9 16
26 ウクライナの旗 ウクライナ 1 4 5 10
26 モンゴル国の旗 モンゴル 1 1 4 6
28 カザフスタンの旗 カザフスタン 1 1 2 4
29 アルゼンチンの旗 アルゼンチン 1 1 0 2
30 チュニジアの旗 チュニジア 1 0 2 3
30 ユーゴスラビアの旗 ユーゴスラビア 1 0 2 3
32 コロンビアの旗 コロンビア 1 0 0 1
32 ベネズエラの旗 ベネズエラ 1 0 0 1
34 ポルトガルの旗 ポルトガル 0 3 5 8
35 トルコの旗 トルコ 0 3 4 7
36 オーストラリアの旗 オーストラリア 0 3 3 6
37 イスラエルの旗 イスラエル 0 3 2 5
38 エストニアの旗 エストニア 0 3 1 4
39 アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン 0 2 8 10
40 ベラルーシの旗 ベラルーシ 0 2 6 8
41 エジプトの旗 エジプト 0 2 3 5
42 チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア 0 2 2 4
42 スイスの旗 スイス 0 2 2 4
44 ルーマニアの旗 ルーマニア 0 1 9 10
45 カナダの旗 カナダ 0 1 5 6
46 スロベニアの旗 スロベニア 0 1 4 5
47 ブルガリアの旗 ブルガリア 0 1 3 4
48 モルドバの旗 モルドバ 0 1 2 3
49 アルジェリアの旗 アルジェリア 0 1 1 2
49 ノルウェーの旗 ノルウェー 0 1 1 2
51 モンテネグロの旗 モンテネグロ 0 1 0 1
51 スウェーデンの旗 スウェーデン 0 1 0 1
53 チェコの旗 チェコ 0 0 2 2
54 アルメニアの旗 アルメニア 0 0 1 1
54 チャイニーズ・タイペイの旗 チャイニーズ・タイペイ 0 0 1 1
54 フィンランドの旗 フィンランド 0 0 1 1
54 ラトビアの旗 ラトビア 0 0 1 1
54 リトアニアの旗 リトアニア 0 0 1 1
54 ニュージーランドの旗 ニュージーランド 0 0 1 1
54 プエルトリコの旗 プエルトリコ 0 0 1 1
54 セルビア・モンテネグロの旗 セルビア・モンテネグロ 0 0 1 1
54 タジキスタンの旗 タジキスタン 0 0 1 1

[編集] 個人記録

Category 男子 女子
最多優勝 5回 7回
最多メダル獲得者 7個 11個
最年少優勝

[編集] 日本でのテレビ中継

[編集] 脚注

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語