与那国方言

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与那国語
与那国物言/ドゥナンムヌイ
話される国 日本
地域 与那国島
話者数 800人 (2004年)
言語系統
日本語族
言語コード
ISO 639-1 なし
ISO 639-3 yoi
消滅危険度評価
重大な危険 (UNESCO)
Status-unesco-severely.svg
 
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与那国方言(よなぐにほうげん)または与那国語(よなぐにご)は、琉球語(琉球方言)のうち、沖縄県与那国島で話されている方言言語)である。地元ではドゥナンムヌイと呼ばれる。国立国語研究所の推計によれば、話者は2010年の時点で393人。当地の住民でも50歳半ばを境に話せる者は稀になり、年少者は話せず理解することもできない。与那国島または国際機関において独自の「言語」として扱われることがある一方で、日本の中央の学説の多くは「方言」として扱う。2009年2月にユネスコにより消滅危機言語の「重大な危険」(severely endangered)と分類された[1][2][3]

音韻[編集]

a、i、uの3母音体系で、日本語と同系の諸言語の中で最も母音数が少ない。日本語のiとeがiになり、uとoがuに変化している。

日本語や琉球語の他の方言のヤ行が与那国方言ではダ行に変化している。例えば「与那国」は与那国方言では「ドゥナン」(泡盛のブランド名としても有名)と言う。語頭において、日本語や奄美沖縄方言のワ行が与那国方言ではバ行に変化しており、これは宮古方言八重山方言と共通の特徴である。

文法[編集]

動詞[編集]

祖納方言の「書く」と「起きる」の活用を示す。

  志向形 未然形 連用形 接続形 終止形1 終止形2 連体形 禁止形 条件形1 条件形2 命令形1 命令形2
書く kaguː kaga kati kati kati kagun kagu kagu kagu kagjaː kagi kagjaː
起きる ugiruː ugira ugi ugi ugi ugirun ugiru ugin ugiru ugirjaː ugiri ugirjaː
主な接辞 nun(ない)
mirun(せる)
rirun(れる)
busan(たい) ti(て) (n)na(禁止) ba(ば)

形容詞[編集]

与那国方言の形容詞は、古い語幹に「さあり」の付いた形に由来し、後に「さ」が脱落したものである。例えば終止形は、「高さありむ」が石垣方言のようなtakasanとなり、「さ」が抜けてtaganとなった。[4]

祖納方言の「高い」の活用を示す。

  連用形1 条件形1 条件形2 連用形2 終止形 連体形 接続形
高い tagagu tagaru tagarjaː taga tagan tagaru taga
主な接辞 narun(なる) ba(ば) minun(ない)
ŋisan(そうだ)
bi(て)
biti(て)

主な単語[編集]

(祖納の方言)

他の方言群[編集]

北琉球方言
南琉球方言(先島方言群)

参考文献[編集]

  • 内間直仁(1984)『琉球方言文法の研究』笠間書院

脚注[編集]

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  1. ^ 消滅の危機にある方言・言語,文化庁
  2. ^ 八丈語? 世界2500言語、消滅危機 日本は8語対象、方言も独立言語 ユネスコ”. 朝日新聞 (2009年2月20日). 2014年3月29日閲覧。
  3. ^ 2009年2月19日発表。アイヌ語(15人)より話者数が多い
  4. ^ 内間(1984)「形容詞活用の通時的考察」

関連項目[編集]