不連続殺人事件
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『不連続殺人事件』(ふれんぞくさつじんじけん)は、小説家・坂口安吾が1947年(昭和22年)に発表した日本の長篇小説、推理小説であり[1]、同作を原作とし、1977年(昭和52年)に製作・公開された曾根中生監督の日本の長篇劇映画である。また、1990年(平成2年)にはテレビの2時間ドラマも作られている(フジテレビ)。
目次 |
[編集] 略歴・概要
初出は、1947年(昭和22年)8月1日に大地書房から発売された雑誌『日本小説』で連載された[1]。同誌は「初めての中間小説雑誌」と呼ばれる。推理小説ファンの坂口が「絶対犯人を当てられない探偵小説を書く」と意気込み、犯人当て懸賞小説として連載中に懸賞金を出すことを読者に告知し、大井廣介、平野謙、荒正人、江戸川乱歩らの文人らを指名して挑戦したことでも話題になった。なお、4人の読者が犯人推理について完全答案を提出している。
この小説は江戸川乱歩が絶賛し[1]、1949年(昭和24年)、第2回「探偵作家クラブ賞」(現在の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞した[1]。文芸評論家の七北数人は、本作は文学性を排除し、ゲーム性を重視した文体に貫かれていることを指摘している[1]。
[編集] ストーリー
舞台は第二次世界大戦から2年が経過した1947年(昭和22年)夏、N県。県内有数の財閥・歌川多門邸で次々と殺人事件が発生する。
歌川家には語り手である小説家の他、多数の人物が多門の息子である一馬の手紙により招待されていたが、一馬によればその招待状は偽物であった。
招待客、使用人、家族を合わせ、29人の人々が滞在していた歌川邸では、家族のみならず招待客らの間でも乱脈な性関係や複雑な憎悪が絡み合っていた。
次々に起こる殺人事件に、一貫した動機を見出すことはできず、次に誰が殺されるのかも予想がつかない。連続殺人事件であるのに、動機に一貫性がない。犯人が複数なのか、あるいは真の動機を隠すためだけに殺された被害者が存在するのか。この事件が、「不連続」殺人事件と呼ばれた所以である。警察は翻弄され、ついには八人の被害者が出て、歌川家は滅亡する。
探偵巨勢博士は、最後の被害者が出る直前には真相に気づいていたが、証拠をつかむために屋敷を離れていた際に、最後の殺人が起こってしまったのである。
残った人々を一堂に集めた巨勢博士は、犯人は唯一、ミスを犯した、ある殺人において、「心理の足跡」を残したと指摘し、事件の真相を語り始める……。
[編集] 映画
| 不連続殺人事件 | |
|---|---|
| 監督 | 曾根中生 |
| 脚本 | 大和屋竺 田中陽造 曾根中生 荒井晴彦 |
| 製作 | タツミキカク ATG |
| 製作総指揮 | 本石巖 麻生誠 企画 西村隆平 |
| 出演者 | 瑳川哲朗 夏純子 |
| 音楽 | コスモス・ファクトリー |
| 編集 | 鍋島惇 |
| 配給 | |
| 公開 | |
| 上映時間 | 140分 |
| 製作国 | |
| 言語 | |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| IMDb | |
『不連続殺人事件』(ふれんぞくさつじんじけん)は、同名の長篇小説を原作に1977年(昭和52年)製作、同年3月15日に公開された曾根中生監督による日本の長篇劇映画である。製作タツミキカク・ATG、配給ATG。ATGは東宝の関係会社である。
[編集] スタッフ・作品データ
- 製作 : 本石巖、麻生誠
- 企画 : 西村隆平
- 監督 : 曾根中生
- 脚本 : 大和屋竺、田中陽造、曾根中生、荒井晴彦
- 原作 : 坂口安吾
- 撮影 : 森勝
- 美術 : 坂口武玄
- 照明 : 三尾三郎、小林恒雄
- 編集 : 鍋島惇
- 記録 : 伊藤溶子
- 結髪 : 横銭政幸
- 装飾 : 佐久間聡
- 衣裳 : 第一衣裳、中山邦夫
- 音楽 : コスモス・ファクトリー
- 助監督 : 斎藤博
- 監督助手 : 上野堯、萩原達、荒井晴彦
- 製作主任 : 桃井七生
- スチール : 瀬戸山修一
- 装置 : 高津映画装飾
- 小道具 : 京阪商会
- 録音所 : アバコ・スタジオ
- 現像所 : 東洋現像所 (現在のIMAGICA)
- 製作 : タツミキカク、ATG
- 上映時間 : 140分
- フォーマット : カラー映画 - シネマスコープ(2.35:1) - モノラル録音
- 公開日 :
1977年3月15日 - 配給 :
ATG
[編集] キャスト
- 瑳川哲朗 - 歌川一馬
- 夏純子 - 歌川あやか
- 水原明泉 - 歌川珠緒
- 福原ひとみ - 歌川加代子
- 金田龍之介 - 歌川多門
- 泉じゅん - 下枝
- 田村高廣 - 矢代寸兵
- 桜井浩子 - 矢代京子
- 内田裕也 - 土居光一
- 内田良平 - 望月王仁
- 小坂一也 - 巨勢博士
- 殿山泰司 - 南雲一松
- 初井言栄 - 南雲由良
- 伊佐山ひろ子 - 南雲千草
- 石浜朗 - 三宅木兵衛
- 楠侑子 - 宇津木秋子
- 神田隆 - 神山東洋
- 絵沢萠子 - 神山木曽乃
- 江角英明 - 人見小六
- 根岸とし江 - 明石胡蝶
- 木村元 - 丹後弓彦
- 内海賢二 - 内海明
- 松橋登 - 海老塚医師
- 宮下順子 - 諸井琴路
- 粟津號 - 坪田平吉
- 岡本麗 - 坪田テルヨ
- 梓ようこ - 八重
- 谷本一 - 奥田利根五郎
- 浜村純 - 片倉清次郎
- 長弘 - 南川巡査
- 桑山正一 - 平野警部(カングリ警部)
- 武藤章生 - 荒部長刑事(八丁鼻)
- 清川正廣 - 長畑刑事(読ミスギ)
- 南美由紀 - 女中A
- 西沢武夫 - 喜作
- 河原一邦 - 新聞記者
[編集] ビブリオグラフィ
- 初出[1]
- 収録書籍
- 『不連続殺人事件』、イヴニングスター社、1948年
- 『不連續殺人事件』、岩谷選書 / 岩谷書店、1949年9月
- 『不連続殺人事件』日本探偵小説全集 9 / 春陽堂書店、1954年
- 『不連続殺人事件』、探偵双書 / 春陽堂書店、1955年
- 『不連続殺人事件』、春陽文庫 / 春陽堂書店、1956年
- 『探偵小説名作全集 9』、河出書房、1956年
- 『日本推理小説大系 10』、東都書房、1960年
- 『現代の文学 22』、河出書房新社、1966年
- 『定本坂口安吾全集 10』、冬樹社、1970年
- 『現代推理小説大系 5』、講談社、1972年
- 『坂口安吾研究 1』、冬樹社、1972年
- 『不連続殺人事件』、広済堂ブルーブックス / 広済堂出版、1973年
- 『昭和国民文学全集 25』、筑摩書房、1974年
- 『不連続殺人事件』、角川文庫 / 角川書店、1974年
- 『昭和国民文学全集 30』増補新版、筑摩書房、1978年4月
- 『坂口安吾選集 8』、講談社、1982年11月
- 『日本探偵小説全集 10』、創元推理文庫 / 東京創元社、1985年10月
- 『坂口安吾全集 11』、ちくま文庫 / 筑摩書房、1991年5月 ISBN 4480024662
- 『不連続殺人事件』、双葉文庫 / 双葉社、1995年5月
- 『坂口安吾全集 6』、筑摩書房、1998年7月 ISBN 4480710361
- 『不連続殺人事件』改版、角川文庫 / 角川書店、2006年10月
