上訴
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上訴(じょうそ)とは訴訟法上の法律用語。裁判に対する不服を理由として当該裁判の確定を遮断して(確定遮断効)上級の裁判所に新たな裁判を求める(移審効)不服申立てのことを言う。
憲法の裁判を受ける権利を具体化した制度の一つであるが、必ずしも常に認められるわけではなく、上訴の利益などの実体的要件や期間などの形式的要件を遵守することが必要であり、濫用的な行使には過料などの制裁が加えられることがある。また、前述の定義上、最上級の裁判所の裁判に対する上訴は観念し得ない。
目次 |
[編集] 上訴に似て非なるもの
異議は移審効を有しないので上訴ではない。特別上訴(特別上告及び特別抗告)及び非常上告は確定遮断効を有しないので上訴ではない。再審の請求は確定遮断効を有しないし(そもそも完全に別の手続であるという意味で)移審効も有しないから上訴でない。準抗告については、簡易裁判所の裁判官の命令に対するものは上訴であるが、検察官、検察事務官又は司法警察職員の処分に対するものは裁判に対して為されるものではないから上訴ではない。地方裁判所の裁判官の命令に対する準抗告は上級裁判所に対するものではないことから、上訴には該らないということになるのであろうか。
[編集] 上訴の種類
[編集] 第一審判決に対する上訴
[編集] 控訴審判決に対する上訴
[編集] 決定又は命令に対する上訴
[編集] 上訴の構造
[編集] 審判の方法
[編集] 審判におけるルール
[編集] 検察官の控訴・上告
詳細は「一事不再理」を参照
検察官も被告人と同じく控訴又は上告をすることができる。
無罪判決に対する検察官の上訴は日本国憲法第39条の一事不再理ないし二重の危険により禁止されるとの見解があるが、日本の判例・通説では一審も控訴審も上告審も継続する一つの危険として禁止されないとの立場をとっている[1]。
英米法においては古くから事実審の公判審理を一つの危険と考えており、無罪の評決は事件に対する最終判断であり、それに対して上訴はできないとしている。
[編集] 冤罪疑惑があったことで、検察官の上訴が問題となった事件
- 弘前大学教授夫人殺人事件
- 一審で無罪。検察が上訴し、最高裁で懲役15年が確定。その後、別人が真犯人だと名乗り出たため、再審無罪となった。
- 八海事件
- 第二次二審で無罪。検察が上訴し、第三次二審で有罪になるも、第三次最高裁で無罪が確定。
- 名張毒ぶどう酒事件
- 一審で無罪。検察が上訴し、最高裁で死刑が確定。
- 甲山事件
- 一審で無罪。検察が上訴するも、無罪が確定。
- 東電OL殺人事件
- 一審で無罪。検察が上訴し、最高裁で無期懲役が確定。
[編集] 下級審の無罪判決が世間から問題視され、検察官の上訴が余り問題視されなかった事件
- リクルート事件
- 元官房長官に対して一審で無罪。検察が上訴し、最高裁で有罪確定。
- 薬害エイズ事件
- 元大学医学部長に対して一審で無罪。検察が上訴するも、公判中に認知症を患い公判停止となった後で被告人が死亡して公訴棄却。
- ルーシー・ブラックマンさん事件
- 一審では他9件の類似事件を有罪とするも当事件で無罪。検察が上訴し、二審で当事件で一部有罪。
[編集] 脚注
- ^ 昭和二二年勅令第一号違反、衆議院議員選挙法違反最高裁判所判決
1950年9月27日 大法廷判決
昭和24(新れ)22
“判決全文 (PDF)”. 判例検索システム. 最高裁判所. 2008年10月14日閲覧。
“判決情報”. 判例検索システム. 最高裁判所. 2008年10月14日閲覧。
[編集] 参考文献
- 高野隆 (2007年5月14日). “二重の危険”. 刑事裁判を考える:高野隆@ブログ. 2008年10月5日閲覧。