三酸化アンチモン
| 三酸化アンチモン | |
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三酸化アンチモン |
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別称
酸化アンチモン(Ⅲ)
セスキ酸化アンチモン |
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| 識別情報 | |
| CAS登録番号 | 1309-64-4 |
| KEGG | C19192 |
| 特性 | |
| 化学式 | Sb2O3 |
| モル質量 | 291.52 |
| 外観 | 白色固体 |
| 密度 | 5.2, 固体 |
| 融点 |
656 (封管中) |
| 沸点 |
1425 (昇華点) |
| 水への溶解度 | 0.0014 (25℃) |
| 構造 | |
| 結晶構造 | 立方系 |
| 危険性 | |
| EU分類 | Harmful (Xn) Carc. Cat. 3 |
| Rフレーズ | R40 |
| Sフレーズ | (S2), S22, S36/37 |
| 半数致死量 LD50 | 7000 mg/kg, oral (rat) |
| 特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 | |
三酸化アンチモン(さんさんかアンチモン、英語 Antimony trioxide、ATO)とはアンチモンの酸化物の一種。アンチモン化合物として最も重要な化学物質で、主に難燃剤、顔料、ガラスの助剤、触媒などに用いられる。
目次 |
[編集] 製法
主にアンチモン地金を加熱し、熔融・蒸散させ、空気中の酸素と結合したものを回収して得る。
- 4 Sb + 3 O2 → 2 Sb2O3
直接輝安鉱を850-1000℃に強熱する方法もあるが、三酸化ヒ素などの不純物が混じり、低品位となるため、工業的には余り用いられない。
- 2 Sb2S3 + 9 O2 → 2 Sb2O3 + 6 SO2
他に輝安鉱から、三塩化アンチモンを経て製造する方法もある。
[編集] 性質
三酸化アンチモンは両性酸化物であり、アルカリ性の溶液に溶けるとアンチモン酸イオン H2SbO3− を、酸性溶液に溶けると様々な分子量のポリアンチモン酸を生じる。容易に酸化されて五酸化アンチモンなどのアンチモン(V) 化合物を与える。還元も受けやすく、金属アンチモンとなるが、これにはスチビンの生成が伴うこともある。
[編集] 用途
日本、アメリカ合衆国ともに年間1万トン強の需要がある。日本は主に世界の約8割を生産する中華人民共和国のアンチモン資源に頼っており、主に製品として輸入する他、一部は地金として輸入し、日本で酸化を行っている。主な用途は以下の通り。
- 難燃剤 - 主に臭素化合物などのハロゲン化合物と共に、プラスチック、ゴムなどに添加することで、難燃性を賦与する助剤となる。テレビなど家電製品の筐体、屋外用豆電球のソケット、シーラント、繊維質の基材などに加え、火災発生、延焼を防止する。
- 清澄剤 - ガラスや琺瑯に添加することで透明性が上がる。
- 顔料 - 別名アンチモンホワイトとして白色顔料とする他、黄色など他の顔料と合わせても用いられる。ブレーキライニングなどに使用することで耐摩耗性向上を図るのにも用いられる。
- 触媒 - ポリエステル繊維の重合触媒として利用される。
- 五酸化アンチモン、金属アンチモンなどの製造原料
[編集] 毒性
皮膚や粘膜に対する弱い刺激性が認められ、日本においては毒物及び劇物指定令により単品はアンチモン化合物として劇物に指定されているが、製剤(混合物)は対象外である。消化器系からの吸収は僅かとされる。製法上から、微粉末として流通しているため、原料として投入する際に粉塵として飛散し、呼吸器から体内に入る可能性が高い。このため、あらかじめプラスチックと混和したマスターバッチや容器中に密閉したまま原料として使えるようにした製品もある。急性毒性はもとより、慢性毒性も小さいが、長期に渡り使用する作業者は、防塵など充分な防御措置を取り、定期的に胸部X線検査などの診断を受けることが望ましい。米国産業衛生専門家会議(ACGIH)の許容濃度(TLV)は 0.5 mg/m3[1]。
[編集] 脚注
- ^ Inhalation Developmental Toxicity Studies In Rats With Antimony Trioxide (Sb2O3). Newton PE; Schroeder RE; Zwick L; Serex T; Toxicologist 2004 Mar;78(1-S):38