三角形の中心
三角形の心(さんかくけいのしん)とは、任意の三角形から一意的に求めることができる点の総称である。別に三角形の芯、あるいは比喩的に中心とも呼ばれる。
「五心」と呼ばれる点(内心・外心・重心・垂心・傍心)が一般的に広く知られている。
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心の定義法 [編集]
三角形の心となる点は、以下のような方法で定義することができる。
- 3本の線の交点
- 3 頂点または 3 辺に対し指定された方法で引かれた 3 本の直線が 1 点で交わる(共点である)とき、その交点。共点であることを示すためにチェバの定理がよく利用される。
- 例
- 円の中心
- 特定の円の中心に当たる点。
- 例
- 外心 - 3 頂点を通る円(外接円)の中心
1つの点を複数の方法で定義することもできる。例えば上で例にあげた内心や九点円の中心は「円の中心」として定義することも可能である。
歴史 [編集]
三角形の五心と呼ばれる代表的な5つの心は古くから知られており、ユークリッドの「原論」にも記述が見られる。
他の点の多くは、1678年のチェバの定理の発表後に発見されている。この定理によって存在が容易に示される心は少なくない。代表的な心にジェルゴンヌ点などがある。
モーレーの定理の発表などもあり、19世紀から20世紀にかけて三角形の研究は広く行われた。この時期に発見された点にはブロカール点・ド・ロンシャン点などがある。
その後も新しい心が発見されており、エヴァンズビル大学内のサイト「Encyclopedia of Triangle Centers」には 3500以上の心が登録されている。
心の名称 [編集]
心の名前には、その心に関する研究をした人の名前が付けられることが多い。ナポレオン点のナポレオン・ボナパルトやソディ点のフレデリック・ソディのように、数学者以外の名前がつく例もある。
安島-マルファッティ点のように、日本人の名前が入っているものもある。
三線座標と重心座標 [編集]
三角形に対する心の位置を表す方法として、三線座標と重心座標という2つの座標が存在する。
三線座標は、対象の心が三角形の3辺からどれだけ離れているかを表す座標である。点Pが辺BCからhA・辺CAからhB・辺ABからhCだけ離れているとき、Pの三線座標を(hA,hB,hC)で表す。実際にはこの値を単純な比に換算したものが用いられる。実際の距離で示したものを絶対三線座標という。辺に対し三角形と反対側にある場合には、この数字は負の値をとる。
例:内心の三線座標は( 1,1,1 )であり、絶対三線座標は( r,r,r )である。ここで r は内接円の半径である。
重心座標は、△PBCと△PCAと△PABの面積の比で表される。点Pの重心座標が(gA,gB,gC)のとき、
が成り立つ。
三線座標と重心座標の間には、gA:gB:gC=ahA:bhB:chC の関係が成り立つ。ここで、a,b,c は 3 辺の長さである。
3 点の三線座標からなる行列式の値が0の場合、その 3 点は同一直線上にある。重心座標でも同様である。
主な点の三線座標と重心座標は以下のようになる。
| 点 | 三線座標 | 重心座標 |
|---|---|---|
| 内心 | (1,1,1) | (a,b,c) |
| 重心 | (1/a,1/b,1/c) | (1,1,1) |
| 外心 | (cos(A),cos(B),cos(C)) | (sin(2A),sin(2B),sin(2C)) |
| 垂心 | (1/cos(A),1/cos(B),1/cos(C)) | (tan(A),tan(B),tan(C)) |