三津田信三

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三津田 信三
(みつだ しんぞう)
誕生 日本の旗 奈良県
職業 小説家
推理作家
ホラー作家
編集者
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
教育 学士(文学)
最終学歴 高野山大学文学部人文学科国文学専攻卒業
活動期間 2001年 -
ジャンル 推理小説
ホラー小説
代表作 刀城言耶シリーズ
主な受賞歴 本格ミステリ大賞(2010年)
処女作 『ホラー作家の棲む家』(2001年)
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三津田 信三(みつだ しんぞう)は、日本小説家推理作家ホラー作家。元編集者[1]2010年、『水魑の如き沈むもの』で第10回本格ミステリ大賞(小説部門)を受賞する[2]

経歴・人物[編集]

奈良県生まれ[3]高野山大学文学部人文学科国文学専攻卒業[4]。編集者を経る[5]。編集者としての主な企画には、「ワールド・ミステリー・ツアー13」シリーズ、「日本怪奇幻想紀行」シリーズ、ホラージャパネスク叢書などがある[6]2001年、『ホラー作家の棲む家』で小説家デビューを果たす[7]。以降もホラー色の濃いミステリ小説を発表。2010年、『水魑の如き沈むもの』で第10回本格ミステリ大賞(小説部門)を受賞する(同時受賞は『歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』)[8]

子供の頃は、江戸川乱歩の「少年探偵」シリーズやジュール・ヴェルヌのジュブナイルものなどを読んでおり、やがてガストン・ルルー黄色い部屋の秘密』とA・A・ミルン赤い館の秘密』を読んだのをきっかけとして、アガサ・クリスティーディクスン・カーヴァン・ダインエラリー・クイーンなどの海外の本格ミステリに熱中し、中学生・高校生の時も愛読していた[9]。大学生の頃に、ホラーの面白さにも目覚め、またスティーヴン・キングの影響で、ジャンルを超えた面白さに惹かれるようになる[9]

代表的な著作として、作者と同名の作家を登場人物とした作家三部作と、流浪の幻想小説家を語り手とした刀城言耶シリーズがある。作家三部作はメタ構造をもった幻想怪奇小説であることが多いが、刀城言耶シリーズは最後のページを読むまでその作品が推理小説なのか怪異譚なのかわからないという構造が特徴的である[3]密室からの人間消失や、閉鎖空間での連続殺人(いわゆるクローズド・サークル)に代表される本格ミステリあるいは新本格ミステリのテイストと、土俗的・民俗学的な怪異譚の融合を図った作風をもつ。著作は中国語や韓国語などに翻訳されている。

受賞・候補歴[編集]

  • 2008年 - 『首無の如き祟るもの』で第61回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、第8回本格ミステリ大賞(小説部門)候補
  • 2009年 - 『山魔の如き嗤うもの』で第9回本格ミステリ大賞(小説部門)候補
  • 2010年 - 『水魑の如き沈むもの』で第10回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞
  • 2013年 - 『幽女の如き怨むもの』で第66回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補

ミステリ・ランキング[編集]

本格ミステリ・ベスト10
  • 2007年 - 『厭魅の如き憑くもの』3位、『凶鳥の如き忌むもの』23位
  • 2008年 - 『首無の如き祟るもの』2位
  • 2009年 - 『山魔の如き嗤うもの』1位
  • 2010年 - 『密室の如き籠るもの』18位
  • 2011年 - 『水魑の如き沈むもの』3位
  • 2012年 - 『生霊の如き重るもの』15位
  • 2013年 - 『幽女の如き怨むもの』4位
このミステリーがすごい!
  • 2008年 - 『首無の如き祟るもの』5位
  • 2009年 - 『山魔の如き嗤うもの』8位
  • 2011年 - 『水魑の如き沈むもの』7位
  • 2013年 - 『幽女の如き怨むもの』4位
週刊文春ミステリーベスト10
  • 2007年 - 『首無の如き祟るもの』5位
  • 2008年 - 『山魔の如き嗤うもの』7位
  • 2010年 - 『水魑の如き沈むもの』20位
  • 2012年 - 『幽女の如き怨むもの』10位
ミステリが読みたい!
  • 2008年 - 『首無の如き祟るもの』3位
  • 2009年 - 『山魔の如き嗤うもの』2位
  • 2011年 - 『水魑の如き沈むもの』5位
  • 2013年 - 『幽女の如き怨むもの』1位

著作[編集]

作家三部作[編集]

  • ホラー作家の棲む家(2001年8月 講談社ノベルス
    • 【改題】忌館 ホラー作家の棲む家(2008年7月 講談社文庫
  • 作者不詳 ミステリ作家の読む本(2002年2月 講談社ノベルス / 2010年12月 講談社文庫【上下】)
  • 蛇棺葬(2003年9月 講談社ノベルス / 2013年10月 講談社文庫)
  • 百蛇堂 怪談作家の語る話(2003年12月 講談社ノベルス / 2013年12月 講談社文庫)

刀城言耶シリーズ[編集]

  • 厭魅の如き憑くもの(2006年2月 原書房ミステリー・リーグ / 2009年3月 講談社文庫)
  • 凶鳥の如き忌むもの(2006年9月 講談社ノベルス / 2009年4月 原書房ミステリー・リーグ【特装版】 / 2012年10月 講談社文庫)
  • 首無の如き祟るもの(2007年5月 原書房ミステリー・リーグ / 2010年5月 講談社文庫)
  • 山魔の如き嗤うもの(2008年4月 原書房ミステリー・リーグ / 2011年5月 講談社文庫)
  • 密室の如き籠るもの(2009年7月 講談社ノベルス / 2012年5月 講談社文庫)
  • 水魑の如き沈むもの(2009年12月 原書房ミステリー・リーグ / 2013年5月 講談社文庫)
  • 生霊の如き重るもの(2011年7月 講談社ノベルス / 2014年7月 講談社文庫)
  • 幽女の如き怨むもの(2012年4月 原書房ミステリー・リーグ)

死相学探偵シリーズ[編集]

  • 十三の呪(2008年6月 角川ホラー文庫
  • 四隅の魔(2009年3月 角川ホラー文庫)
  • 六蠱の躯(2010年3月 角川ホラー文庫)
  • 五骨の刃(2014年3月 角川ホラー文庫)

家三部作[編集]

  • 禍家(2007年7月 光文社文庫 / 2013年11月 角川ホラー文庫)
  • 凶宅(2008年9月 光文社文庫)
  • 災園(2010年9月 光文社文庫)

その他[編集]

  • シェルター 終末の殺人(2004年5月 東京創元社ミステリ・フロンティア / 2015年1月 講談社文庫)
  • スラッシャー 廃園の殺人(2007年6月 講談社ノベルス / 2012年9月 講談社文庫)
  • 赫眼(2009年9月 光文社文庫)
    • 【収録作品】赫眼 / 怪奇写真作家 / 怪談奇談・四題1 旧家の祟り / 見下ろす家 / 怪談奇談・四題2 原因 / よなかのでんわ / 灰蛾男の恐怖 / 怪談奇談・四題3 愛犬の死 / 後ろ小路の町家 / 怪談奇談・四題4 喫茶店の客 / 合わせ鏡の地獄 / 死を以て貴しと為す
  • 七人の鬼ごっこ(2011年3月 光文社 / 2013年9月 光文社文庫)
  • ついてくるもの(2012年9月 講談社ノベルス)
    • 【収録作品】夢の家 / ついてくるもの / ルームシェアの怪 / 祝儀絵 / 八幡藪知らず / 裏の家の子供 / 椅人の如き座るもの
  • のぞきめ(2012年11月 角川書店 / 2015年3月 角川ホラー文庫)
  • どこの家にも怖いものはいる(2014年8月 中央公論新社

アンソロジー[編集]

「」内が三津田信三の作品

  • 本格推理3 迷宮の殺人者たち(1994年4月 光文社文庫)「霧の館 迷宮草子 第一話」
  • 異形コレクション33 オバケヤシキ(2005年8月 光文社文庫)「見下ろす家」
  • 異形コレクション35 闇電話(2006年5月 光文社文庫)「夜中の電話」
  • 異形コレクション37 伯爵の血族 紅ノ章(2007年4月 光文社文庫)「赫眼」
  • 異形コレクション40 未来妖怪(2008年7月 光文社文庫)「合わせ鏡の地獄」
  • 異形コレクション41 京都宵(2008年9月 光文社文庫)「後ろ小路の町家」
  • 異形コレクション42 幻想探偵(2009年2月 光文社文庫)「死を以て貴しと為す」
  • 新・本格推理 特別編 不可能犯罪の饗宴(2009年3月 光文社文庫)「死霊の如き歩くもの」
  • 本格ミステリ09(2009年6月 講談社ノベルス)「迷家の如き動くもの」
    • 【改題】空飛ぶモルグ街の研究(2013年1月 講談社文庫)
  • 異形コレクション45 憑依(2010年5月 光文社文庫)「ついてくるもの」
  • 名探偵に訊け(2010年9月 カッパ・ノベルス / 2013年4月 光文社文庫)「隙魔の如き覗くもの」
  • ミステリマガジン700 国内篇(2014年4月 早川書房)「怪奇写真作家」

単行本未収録短編[編集]

  • 百物語憑け(2001年8月 『幻想文学』61号 / 2006年3月 『ホラー・ジャパネスク読本』)
  • つれていくもの(講談社『メフィスト』2012 Vol.2)
  • あとあとさん(講談社『メフィスト』2012 Vol.3)
  • 死人のテープ起こし(集英社『小説すばる』2013年3月号)
  • ドールハウスの怪(講談社『メフィスト』2013 Vol.2)
  • 骸骨坊主の話(角川書店『ノベルアクト3』)
  • 留守番の夜(集英社『小説すばる』2014年1月号)
  • 霧屍疸村の悪魔(早川書房『ミステリマガジン』2013年8月号)
  • 屋根裏の同居者(早川書房『ミステリマガジン』2014年8月号)[10]
  • 湯治場の客(講談社『メフィスト』2014 Vol.2)
  • 集まった四人(集英社『小説すばる』2014年9月号)[11]
  • 赤過ぎる部屋(早川書房『ミステリマガジン』2014年12月号)
  • 御塚様参り(講談社『メフィスト』2014 Vol.3)

編集・企画[編集]

発行は同朋舎。発売元は角川書店

ワールド・ミステリー・ツアー13[編集]

  1. ロンドン
  2. イタリア
  3. パリ
  4. 東京
  5. イギリス
  6. 東欧
  7. ドイツフランス
  8. 京都
  9. 地中海
  10. アメリカ
  11. アジア
  12. ワールド篇
  13. 空想篇

日本怪奇幻想紀行[編集]

  • 一之巻 妖怪/百鬼巡り
  • ニ之巻 祟り・呪い道中
  • 三之巻 幽霊・怨霊怪譚
  • 四之巻 芸能・見世物録
  • 五之巻 妖怪/夜行巡り
  • 六之巻 奇っ怪建築見聞

ホラージャパネスク叢書[編集]

その他[編集]

  • 江戸・東京 歴史ミステリーを歩く(2011年8月 PHP文庫)
  • 怪談徒然草(2002年8月 ダ・ヴィンチブックス / 2006年3月 角川ホラー文庫

海外への翻訳[編集]

韓国[編集]

作家三部作
  • 기관 호러 작가가 사는 집(忌館 ホラー作家の棲む家)
  • 작자미상, 미스터리 작가가 읽는 책 상 하(作者不詳 ミステリ作家の読む本)
  • 사관장, 백사당 세트(蛇棺葬 百蛇堂)
刀城言耶シリーズ
  • 잘린 머리처럼 불길한 것(首無の如き祟るもの)
  • 산마처럼 비웃는 것(山魔の如き嗤うもの)
  • 염매처럼 신들리는 것(厭魅の如き憑くもの)
  • 미즈치처럼 가라앉는 것(水魑の如き沈むもの)
死相学探偵シリーズ
  • 사상학 탐정 1(十三の呪)
その他
  • 7명의 술래잡기(七人の鬼ごっこ)
  • 붉은 눈(赫眼)
  • 노조키메(のぞきめ)

中国[編集]

作家三部作
  • 忌馆・恐怖作家的居所(2012年6月、吉林出版集团有限责任公司)
  • 作者不详・推理小说家的读本(刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)
  • 蛇棺葬(刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)
  • 百蛇堂(刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)
刀城言耶シリーズ
  • 厌魅・附体之物(2011年6月、吉林出版集团有限责任公司)
  • 凶鸟・忌讳之物(2011年6月、吉林出版集团有限责任公司)
  • 首无・作祟之物(2011年6月、吉林出版集团有限责任公司)
  • 山魔・嗤笑之物(2011年12月、吉林出版集团有限责任公司)
  • 密室・自闭之物(2013年2月、吉林出版集团有限责任公司)
  • 水魑・沉没之物(2014年8月、吉林出版集团有限责任公司)
家三部作
  • 祸家(2011年12月、吉林出版集团有限责任公司)
  • 凶宅(2012年6月、吉林出版集团有限责任公司)
  • 灾园(刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)
その他
  • Slasher 废园杀人事件(2012年6月、吉林出版集团有限责任公司)
  • 赫眼(2013年1月、吉林出版集团有限责任公司)
  • 避难所・杀人告终(刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)

台湾[編集]

作家三部作
  • 忌館:恐怖小說家的棲息之處(2012年8月、獨步文化)
  • 蛇棺葬(2013年6月、獨步文化)
  • 百蛇堂:怪談作家述說的故事(2013年9月、獨步文化)
刀城言耶シリーズ
  • 如魘魅附身之物(2010年8月、皇冠文化)
  • 如凶鳥忌諱之物(2011年1月、皇冠文化)
  • 如無頭作祟之物(2009年10月、皇冠文化)
  • 如山魔嗤笑之物(2010年3月、皇冠文化)
  • 如密室牢籠之物(2011年7月、皇冠文化)

脚注[編集]

  1. ^ 百蛇堂 怪談作家の語る話/三津田信三/〔著〕 本・コミック : オンライン書店e-hon
  2. ^ 第10回本格ミステリ大賞授賞式 - ライブドアニュース
  3. ^ a b 『生霊の如き重るもの』三津田信三|講談社ノベルス|講談社ノベルス|講談社BOOK倶楽部
  4. ^ 図書館だより第15号 - 高野山大学
  5. ^ 七人の鬼ごっこ/三津田信三/著 本・コミック : オンライン書店e-hon
  6. ^ 三津田信三『のぞきめ』(角川ホラー文庫) 解説
  7. ^ デビュー前の1994年鮎川哲也が編集を務めた公募アンソロジー『本格推理3 迷宮の殺人者たち』に「霧の館 迷宮草子 第一話」を投稿して収録されている。
  8. ^ 第10回 本格ミステリ大賞受賞記念トークショー 出演:歌野晶午氏、三津田信三氏
  9. ^ a b 『ついてくるもの』三津田信三|講談社ノベルス|講談社ノベルス|講談社BOOK倶楽部
  10. ^ 怪奇短篇「屋根裏の同居者」を書きました
  11. ^ Twitter / shinsangenya: 怪奇短篇「集まった四人」を書きました。「小説すばる」9月号