三式砲戦車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
三式砲戦車 ホニIII
三式砲戦車.jpg
性能諸元
全長 5.52 m
全幅 2.33 m
全高 2.37 m
重量 17.0 t
懸架方式 独立懸架および
シーソー式連動懸架
速度 38 km/h
行動距離 300 km
主砲 三式七糎半戦車砲II型×1
装甲 25〜12 mm
エンジン 三菱SA一二二〇〇VD
空冷V型12気筒ディーゼル
最大170 hp
乗員 5 名
テンプレートを表示

三式砲戦車 ホニIII(さんしきほうせんしゃ ホニIII)は、第二次世界大戦時の大日本帝国陸軍砲戦車対戦車自走砲)。

概要[編集]

ホニIIIホニIII車) は、一式砲戦車 ホニI(ホニI車)に対して出された改良案から開発された。当初より対戦車戦闘を主眼において開発された日本初の砲戦車で、本土決戦時には三式中戦車 チヌ(チヌ車)と共に運用することになっていた。

車体は九七式中戦車 チハ(チハ車)のものを流用したが、車体左前方に装備されていた九七式車載重機関銃は撤去されている。一式砲戦車とは異なり密閉式の戦闘室を七角形に設けており、戦闘室は大型化して両端が少しはみ出ている。一見すると砲塔の様にも見えるが、固定戦闘室なので旋回はしない。

主砲は三式中戦車と同じく、九〇式野砲を改造した三式七糎半戦車砲(38口径、75mm砲)を搭載していた。

1944年(昭和19年)から量産が開始され、約60から100輌(諸説あり)が生産されたものの、一式砲戦車と異なり本土決戦のために温存されたため実戦には参加しなかった。

装甲貫徹能力[編集]

終戦後、集積された戦車第4師団の三式中戦車(左)と三式砲戦車(右)

三式七糎半戦車砲の装甲貫徹能力の数値は、射撃対象の装甲板や実施した年代など試験条件により異なるが、通常の一式徹甲弾を使用した場合は射距離1,000m/約70mm、500m/約80mm、タングステン・クロム鋼弾の「特甲」を使用した場合は1,000m/約85mm、500m/約100mmであった[1]。一式徹甲弾は希少金属の配給上の問題により、クロム1%・モリブデン0.2%・他少量のニッケルを含有した高炭素鋼を使用したアメリカ陸軍の徹甲弾と異なり、炭素0.5~0.75%を含む鋼を搾出して成形・蛋形へ加工後に熱処理で硬化して炸薬を充填した物を用いていた。

また、1945年(昭和20年)8月のアメリカ旧陸軍省の情報資料においては、鹵獲した九〇式野砲の装甲貫徹能力の数値は一式徹甲弾(徹甲榴弾相当)を使用し、衝撃角度90度で命中した場合は射距離1,500yd(約1371.6m)/2.4in(約61mm)、1,000yd(約914.4m)/2.8in(約71mm)、750yd(約685.8m)/3.0in(約76mm)、500yd(約457.2m)/3.3in(約84mm)、250yd(約228.6m)/2.4in(約89mm)となっている。[2]

脚注[編集]

  1. ^ 佐山二郎「日本陸軍の火砲 歩兵砲 対戦車砲 他」p489。
  2. ^ "Japanese Tank and AntiTank Warfare" http://usacac.army.mil/cac2/cgsc/carl/wwIIspec/number34.pdf

参考文献[編集]

  • 佐山二郎「日本陸軍の火砲 歩兵砲 対戦車砲 他」ISBN 978-4-7698-2697-2 光人社NF文庫、2011年

関連項目[編集]