三平和司

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三平 和司
名前
愛称 サンペイ[1]
カタカナ ミツヒラ カズシ
ラテン文字 MITSUHIRA Kazushi
基本情報
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1988-01-13) 1988年1月13日(36歳)
出身地 神奈川県秦野市
身長 175 cm[2]
体重 68 kg[2]
選手情報
在籍チーム 日本の旗 ヴァンフォーレ甲府
ポジション FW / MF
背番号 9
利き足 右足
ユース
2006-2009 神奈川大学
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2008-2012 湘南ベルマーレ 13 (2)
2011-2012 大分トリニータloan 62 (19)
2013-2014 京都サンガF.C. 66 (15)
2015-2020 大分トリニータ 143 (36)
2021- ヴァンフォーレ甲府 97 (19)
獲得メダル
サッカー
ユニバーシアード
2009 ベオグラード 男子
1. 国内リーグ戦に限る。2023年12月23日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

三平 和司(みつひら かずし、1988年1月13日 - )は、神奈川県秦野市出身のプロサッカー選手Jリーグヴァンフォーレ甲府所属。ポジションはフォワードミッドフィールダー既婚[3]。マネジメント会社はジャパン・スポーツ・マーケティング[4]

来歴[編集]

プロ入り前[編集]

高校時代までは無名の存在であったが[5]、練習試合でのプレーが当時の神奈川大学サッカー部監督の目に留まり[5]神奈川大学に進学。2年次の2007年には関東大学2部リーグ荒田智之専修大)に次ぐ18得点をマークしチームの1部昇格の原動力となった[5][6]。3年次の2008年には関東1部で得点ランキング5位タイとなる10得点をマーク[5]。更に湘南ベルマーレ特別指定選手として選手登録されると、J2リーグ戦4試合に出場し1得点をマークした。FC東京の練習に参加をするなど複数クラブから注目されたが[5]、一番早いタイミングで獲得オファーを受けた湘南への加入を決め[7]2009年8月に翌シーズンからの湘南への加入内定が発表された[7]

湘南ベルマーレ・大分トリニータ[編集]

2010年湘南ベルマーレに正式加入。3月20日の第3節・広島戦で後半19分からの交代出場でプロデビューを果たす[8]5月5日の第10節・神戸戦にて1点ビハインドの後半33分に、同点となるゴールを決めこれがJ1初ゴールとなった。最終的に公式戦17試合出場し3得点をマーク。

2011年、J2・大分トリニータに期限付き移籍。監督の田坂和昭によって右ウイングバックにコンバートされると、持ち味のスピードを生かし、積極的にゴール前に顔を出し5得点を記録した[9]2012年も「大分でやり残したことがある[9]」という理由から期限付き移籍を延長し大分に残留。1対1での間合いを掴んだことで課題であった守備を向上させ[9]、攻撃面ではセットプレーで相手にマークされる事が多かった中、打点の高いヘディングシュートで得点を量産し[9]、自己最多の14得点をマーク。森島康仁と並びチーム得点王となり、大分のJ1昇格に貢献した。シーズン終了後、ファン・サポーターの投票により決定する「J2 Exciting 22」に選出された[10]

京都サンガF.C.[編集]

大分への期限付き移籍を満了し、2013年より京都サンガF.C.に完全移籍。2トップの一角や3トップの右ウイングでプレーし[11]リーグ戦38試合に出場。J2第3節・福岡戦では後半42分からの交代出場から、同45分+1分に決勝点となるゴールを奪いチームのシーズン初勝利に貢献、第34節・富山戦では股抜きゴールを決めるなど活躍を見せた[11]。同年、大分時代から数えて自身2年連続のJ1昇格プレーオフ出場を果たしたが[12]、決勝戦で徳島ヴォルティスに敗れ2年連続の所属クラブのJ1昇格は果たせなかった。2014年までの2年間でリーグ戦66試合に出場し15得点をマークした。

大分トリニータ(第二次)[編集]

2015年、大分に完全移籍で3年振りに復帰[13]J3リーグに降格した翌2016年も大分に残留。故障の影響などにより[14]総試合数の半分の15試合の出場に留まりながら、第29節・YS横浜[15]、最終節・鳥取[16]の2試合連続で1試合2得点を記録するなど、チーム2位の10得点を記録し一年でのJ2復帰に貢献した。

2017年は再びJ2でのプレーとなった。同シーズンは31試合に先発出場。前年の半数の5得点に留まったが、第18節・横浜FC戦の後半34分に記録したダイレクトボレーでのゴールが、海外メディア「sportkeeda」に「衝撃的なゴール」という賛辞と共に取り上げられた[17]

2018年は前半戦は開幕戦こそ先発出場を果たすが、その後は6試合連続で出場機会無く12試合の出場、先発は3試合に留まっていた。それでも「腐らず、人のせいにするのではなく矢印を自分に向けた[18]」とコンディションを整えチャンスを待っていた所、第26節・岐阜戦で先発入り。「ここで結果を出さなければ今シーズンは終わる[18]」と覚悟を持って臨んだ試合で得点しアピールをすると、以降は再び先発に定着[18]。10月には首位を争っていた松本戦での決勝点を含む3得点をマークし、チームを勢い付かせる活躍を見せた事や後述の事柄が評価され同月の月間MVPを受賞した[19]。シーズントータルでJ2では2012年以来となる2ケタ得点(10ゴール)を達成。ゴールを決めた試合では8戦全勝[20]を記録するなど大分の3度目のJ1昇格に貢献した。

自身ルーキーイヤー以来のJ1でのプレーとなった2019年は前半戦は出場機会に恵まれなかったが、藤本憲明が移籍した後半戦に出場機会を増やし公式戦24試合に出場。J1第26節・湘南戦 - J1第28節・名古屋戦にかけて3試合連続ゴールを記録するなど計7得点を記録した。

2020年を以て契約満了により大分を退団[21]

ヴァンフォーレ甲府[編集]

2021年、ヴァンフォーレ甲府へ加入[22]2022年の天皇杯準々決勝のJ1・アビスパ福岡戦で、先制点を決めてクラブ史上初の準決勝進出に貢献。その後チームは準決勝も勝ち上がり、迎えた決勝のJ1・サンフレッチェ広島戦ではコーナーキックからのトリックプレーにフィニッシャーとして絡み、先制ゴールを記録。天皇杯出場4試合で4ゴールの活躍を見せ、クラブ史上初の天皇杯優勝および国内三大タイトル獲得に大きく貢献した[23]

人物・エピソード[編集]

明るい性格で、その場の雰囲気を明るくすることに長けたムードメーカー[24][1]。2018年10月の月間MVPの授賞理由の一つとしても、ピッチ内外でムードメーカーとなった事が挙げられている[19]

京都時代の2013年に監督として指導を受けた大木武については「前の自分はとりあえず走ることしか考えていなかった。動き方だったり、どこに動くのかだったり。そうやって考えてプレーするようになったのは大木さんに出会ってから」「本当に大木さんのおかげで、いまの自分がある」とインタビューで語っている[11]

釣りを趣味としている。大分在籍時代(第1次)には、当時の在籍選手数人とお金を出し合いバス釣り用のボートを購入し、大分の選手寮に寄贈した事がある[25]

2017年9月7日に一般女性と入籍[3]

甲府に加入してすぐのチーム練習では、監督の伊藤彰に「ウェリ(フィジカルコーチのウェイリントンの愛称)」と話しかけてしまう場面があった。本人曰く、視力は悪いがコンタクトレンズはつけていないという[26]

シーズン2桁得点を記録した年(2012、2016、2018、2022)すべてで所属クラブが快挙を達成しており、大分では3度の昇格、甲府では天皇杯優勝を成し遂げている。

所属クラブ[編集]

個人成績[編集]

国内大会個人成績
年度クラブ背番号リーグ リーグ戦 リーグ杯オープン杯 期間通算
出場得点 出場得点出場得点 出場得点
日本 リーグ戦 リーグ杯天皇杯 期間通算
2006 神奈川大 11 - - - 1 0 1 0
2008 湘南 36 J2 4 1 - 0 0 4 1
2010 J1 9 1 6 1 2 1 17 3
2011 大分 9 J2 23 5 - 1 0 24 5
2012 39 14 - 0 0 39 14
2013 京都 38 7 - 2 2 40 9
2014 28 8 - 1 0 29 8
2015 大分 27 30 4 - 1 0 31 4
2016 J3 15 10 - 0 0 15 10
2017 J2 33 5 - 0 0 33 5
2018 30 10 - 0 0 30 10
2019 J1 17 4 4 1 3 2 24 7
2020 18 3 2 0 - 20 3
2021 甲府 9 J2 25 3 - 1 0 26 3
2022 33 7 - 4 4 37 11
2023 -
通算 日本 J1 44 8 12 2 5 3 61 13
日本 J2 283 64 - 10 6 293 70
日本 J3 15 10 - 0 0 15 10
日本 - - 1 0 1 0
総通算 342 82 12 2 16 9 370 93
  • 2008年、2009年は特別指定選手として登録(2009年は試合出場無しの為省略)

その他公式戦

タイトル[編集]

クラブ[編集]

大分トリニータ
ヴァンフォーレ甲府

個人[編集]

代表・選抜歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b おもしろすぎる! 大分FW三平和司のヒーローインタビューを見よ!”. Golaco (2018年5月17日). 2018年8月5日閲覧。
  2. ^ a b 三平 和司:大分トリニータ”. 日本プロサッカーリーグ (2019年2月1日). 2019年2月2日閲覧。
  3. ^ a b 三平和司選手入籍のお知らせ大分トリニータ、2017年9月10日
  4. ^ PROFILE 三平 和司”. 株式会社ジャパン・スポーツ・マーケティング. 2018年9月13日閲覧。
  5. ^ a b c d e 大学 高校時代無名のゴールハンター・三平がタレント軍団のエースにゲキサカ、2009年3月1日
  6. ^ サッカー部 三平和司選手の湘南ベルマーレ入団会見が行なわれました。神奈川大学,2010年1月15日,2018年6月19日閲覧
  7. ^ a b 湘南が新加入&特別指定選手を発表ゲキサカ、2009年8月26日
  8. ^ 湘南のルーキー三平がJ1デビュー戦でゴール演出ゲキサカ、2010年3月20日
  9. ^ a b c d 【ニューカマー・レコメンド】サンペイのいるところに笑いあり:三平和司(大分→京都)”. J’s GOAL (2013年2月12日). 2018年8月5日閲覧。
  10. ^ ファン投票による“J2MVP”は千葉DF山口に決定ゲキサカ、2012年12月3日
  11. ^ a b c 大木武と選手たちの幸福な関係。京都サンガを旅立った男たちの再会。(2ページ目)”. Number (2018年8月2日). 2018年11月29日閲覧。
  12. ^ “昇格プレーオフ請負人”京都FW三平が2年連続プレーオフ制覇誓うゲキサカ、2013年12月1日
  13. ^ 三平 和司選手 大分トリニータへ完全移籍のお知らせ』(プレスリリース)京都サンガF.C.、2015年1月8日http://www.sanga-fc.jp/news/detail/27966/2015年1月8日閲覧 
  14. ^ 大分FW三平は左足肉離れで全治約4週間ゲキサカ、2016年4月25日
  15. ^ 首位栃木敗れる!大分が首位逆転!!J3優勝争い、J2自動昇格争いは勝ち点差なしで最終節へゲキサカ、2016年11月13日
  16. ^ 大分、5連勝フィニッシュでJ3優勝&1年でのJ2復帰決める!!ゲキサカ、2016年11月20日
  17. ^ 「衝撃的なゴール」 海外メディアがJ2大分FWの決めたエキセントリックな一撃を絶賛”. livedoor NEWS (2017年6月12日). 2018年11月22日閲覧。
  18. ^ a b c 三平和司 勝利を導くゴールで自身3度目の昇格を狙う”. オー!エス!. 大分合同新聞テレビ大分 (2018年11月8日). 2018年11月22日閲覧。
  19. ^ a b Mastercard 月間MVP 10月の受賞者”. Jリーグ. 2018年11月9日閲覧。
  20. ^ 今季はピッチ内外で大活躍! 大分FW三平和司のヒーローインタビュー集”. サッカーキング (2018年11月22日). 2018年11月22日閲覧。
  21. ^ 三平和司選手 契約満了のお知らせ』(プレスリリース)大分トリニータ、2020年12月8日https://www.oita-trinita.co.jp/news/20201262876/2020年12月20日閲覧 
  22. ^ 三平 和司選手 加入のお知らせ』(プレスリリース)ヴァンフォーレ甲府、2020年12月30日https://www.ventforet.jp/news/press_release/5205522020年12月30日閲覧 
  23. ^ 甲府の強さに胸張る三平和司、J2勢“史上最高ジャイキリ”指摘に「J1に5回勝った。今日が特別ではない」”. ゲキサカ. 講談社 (2022年10月16日). 2022年10月16日閲覧。
  24. ^ 新加入選手紹介(三平和司選手編)”. 京都サンガF.C. (2013年2月7日). 2018年8月5日閲覧。
  25. ^ サッカー界の"釣りキチさんぺー"! 現役Jリーガー・三平和司のバス釣り論直撃インタビュー釣りPLUS、2017年10月26日
  26. ^ https://twitter.com/vfk_official/status/1348852579506130944?s=19

関連項目[編集]

外部リンク[編集]