三ケ日みかん

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三ケ日みかん(みっかびみかん)とは、静岡県浜松市北区三ヶ日町特産の温州みかんのことである。植えられている品種は浜松市が原産ではなく、静岡市の青島平十氏が開発した青島みかんが多い。マスコットキャラクターとして「ミカちゃん」があり、広告などで「ミカちゃんマークの三ケ日みかん」というフレーズを使う。

三ヶ日地域は、年平均気温16℃で温暖であり、日照量が多く、耕土が浅く乾燥しやすい水はけがよい土地という、みかん生育に良い条件がそろっている。

収穫は10月中旬から12月中旬で、収穫後、11月から3月の出荷時期までは貯蔵されている。

歴史[編集]

江戸時代中頃、紀州那智地方から三ヶ日町平山地区の山田弥衛門が「紀州みかん」の苗木を持ち帰ったのが始まり。その後天保年間(1830年から1843年)に三ヶ日町平山地区の加藤権兵衛が実の大きい「温州みかん」を三河吉良地方から導入し、「紀州みかん」に代わり「温州みかん」が栽培されるようになった。

明治時代に入ると、「温州みかん」がみかん園としてまとめて植えられるようになった。1920年(大正9年)に専任技術員として中川宗太郎が赴任し、画期的なみかん栽培を指導、栽培技術が向上し、収穫量が増え、品質が良くなっていった。具体的には防風林として槇の木を利用、こも掛け消毒剪定などの技術である[1]。こうして三ヶ日地域にみかん栽培が普及し、定着した。

第二次世界大戦後は、国有地払い下げを受けるなどして第1次(1958年から)と第2次(1963年から)の2度の開発計画により、新しいミカン園が拡大造成された[1]。そのほか、排水溝などの基盤整備や共同販売体制の構築などにより静岡県内でも随一のみかん産地となった[1]2002年(平成14年)の統計では、栽培面積1,550ha、生産高40,500t、産出額80億円であった[1]。西原純は三ヶ日町が静岡県を代表するみかん産地として確立した要因について、以下の5点を指摘している[1]

  1. 高品質で市場価値が高い
  2. 三ヶ日みかんのブランドが確立している
  3. 貯蔵みかんである
  4. 共選・共販体制が厳格である
  5. 樹齢が県内では最も若い

町内の稲荷山公園には山田弥衛門加藤権兵衛中川宗太郎の三恩人に感謝する「柑橘頌徳碑」が建てられている。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 西原(2007):223ページ

参考文献[編集]

外部リンク[編集]