万人祭司

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万人祭司(ばんにんさいし、ドイツ語: Priestertum aller Gläubigen英語: the universal priesthood、the priesthood of all believers)とは、新約聖書の聖句から示されるもので、すべてのキリスト者が祭司であるというキリスト教の教理である。これは宗教改革においてプロテスタントが強く主張したプロテスタントの根本的な教理の一つである[1]。このためプロテスタント諸派には「聖職者」との呼称・役割が存在せず、教役者・教職者としての牧師が教会の指導に当たる。語の厳密さを重んじて「全信徒祭司」ということもある。

ルターによる主張[編集]

宗教改革者マルティン・ルターは、1520年その著書『ドイツのキリスト者貴族に与える書』の中で、「霊的」と「世俗的」な二つのクラスにキリスト者が分けられた中世の教会のありかたを批判した。ルターは、神の目からはキリスト者がすべて「祭司」であると主張したのである。

ルターが根拠とした聖句としては、使徒ペテロの「あなたがたは、選ばれた種族、王である祭司、聖なる国民、神の所有とされた民です。」(第一ペテロ2:9)というもの、また使徒ヨハネは「私たちの神のために、この人々を王国とし、祭司とされました。彼らは地上を治めるのです。」(黙示録5:10)というものがある。[2] またルターは3ヵ月後に書かれた『教会のバビロニア捕囚』でもこれを強調した。

プロテスタント教会の共通理解[編集]

ルター以後のプロテスタント諸派が、共通して「万人祭司」の根拠として考えている聖書の言葉には、マタイ16:18、出エジプト記19:5-6、第一ペテロ2:4-8、黙示録1:4-6、同5:6-10 などがある。

  その中でも、特にマタイ16:18「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。」(新共同訳)は、カトリックとプロテスタントの間で伝統的に解釈を異にしている。

カトリック教会は、「この岩の上に」の《岩》を前文とのつながりからペトロ個人と考え、ペトロの後継者たるローマ教皇とローマ教皇によって叙任された聖職者が神とつながり、一般の信徒は聖職者を通してのみ神につながると考えている。

それに対して、プロテスタントのほとんどすべての教派は、「この岩の上に」の《岩》は、ギリシャ語の聖書原典では、ペトロ個人を指す "πετροs"(petros)ではなく、岩盤を表す "πετρα"(petra)が使われていることから、ペトロ個人を指すのではなく、ペトロと同じ信仰告白「あなたはメシア、生ける神の子です。」(マタイ16:16,新共同訳)をする信徒すべてが直接、神とつながっていると考えている。

脚注[編集]

  1. ^ 宗教改革の三大原理は聖書のみ(聖書の権威)、信仰義認(神の恵みによる救い)、万人祭司。
  2. ^ 新改訳聖書
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