丁半

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丁半(ちょうはん)とはサイコロを使った賭博である。半丁とも言う。

概要[編集]

博徒が開帳する賭博ではバッタ(アトサキ)が主流となるまで代表的な存在とされ、賭博の開帳を「盆をしく」というように鉄火場(シキ)にしかれた盆ゴザの上で行われた。後には盆ギレと呼ばれる白いシーツとなったが盆ゴザの周囲には審判員兼進行係の中盆(ナカボン)、中盆に従ってサイコロを振るツボ振リ、あとは客が座る。階梯的徒弟制度の博徒は下より三下、出方、代貸、貸元の順になる。鉄火場(シキ)の責任者である貸元は中盆の左隣に座るが現場を担当するのは中盆とツボ振りである。

客は勝負の前に現金と博徒が用意したコマ札を替えて勝負の間はコマで取引をした。コマ札は木、竹、紙などさまざまで、のちにはそのまま現金が用いられた。

以下、進行の合図、タイミング、道具の名称・材質・形は進行を参照のこと

勝負の手順としては、中盆の指示に従いツボ振りが茶碗ほどの大きさの笊(ざる)に2つのサイコロを入れ、盆ギレの上に伏せる。客は笊をあけたときにサイコロの目の和が偶数か、奇数かを予想してコマを賭ける。中盆は賭けの募集を締め切るとツボ振りに笊をあけさせ、勝負を判定。負けた分のコマを勝った方に渡す。

丁半は偶数(even)を、奇数(odds)をと呼ぶ。うまくいくかどうか分からず、出たとこ勝負でやってみることを「一か八か」というが、この「一」と「八」は、それぞれ「」と「」の上の部分を取って作られたともいわれている。

進行[編集]

勝負が始まる前に客が各々サイを振って、さらに盆ゴザの縦中央にいるツボ振りが縁起のいい目が2回でるまで出目を整えた。出目が整ったら盆ゴザの横中央にいる中盆がツボ振りに勝負開始の合図を出す。

中盆(出方)「ハイ、ツボ」

ツボ振り(助出方)「ハイ、ツボをかぶります」

ツボ振りはツボにサイを入れて、右手でこれを盆ゴザの上に伏せると直ぐに左手の指の股を大きく開いて手の平を客に見せる。ツボ(ツボ皿)とはサイを入れる笊で中が見えないように黒い紙か布を貼り内側中央のヘソにはふとんがつめてあった。ツボは伏せたまま手前と向こう側に押し引き三回繰り返す。

中盆(出方)「ドッチモ、ドッチモ」

賭けの募集をはじめた中盆は丁方(ちょうかた)と半方(はんかた)にコマが揃うか見て、足りない場合はコマを揃えさせる。

中盆(出方)「丁方(半方)ナイカ、ナイカ。ナイカ丁方(半方)」

中盆は丁方と半方にコマが揃うと募集を締め切る。

中盆(出方)「コマがそろいました」

ツボ振りは右手をツボにおいたまま左手の指の股を大きく開いて手の平は客が見やすいツボの横に伏せる。

中盆(出方)「勝負」

ツボ振りがツボを開く。サイの目を確認した中盆は勝った方に負けた方のコマを渡す。

判定、賭け方[編集]

前述したように判定は中盆が行う。賭け方としては盆ギレの中央に仮想線をひきツボ振りの手前に置けば丁に、向こう側に置けば半に賭けたことになる。客によってはあらかじめ好みの目を買う場合もある。

出目[編集]

2つのサイコロを区別して転がして目が出たとき「全体の」場合の数は36。「出た目の和が偶数の」場合の数、「出た目の和が奇数の」場合の数はそれぞれ18。丁または半の確率は1/2である。ちなみに1/2という表記は東京書籍版『教科書ガイド 数学A』(あすとろ出版)の第一節 「確率とその基本性質」(以下、『教科書ガイド』)におけるサイコロの目の確率が分数表記である点から分数に統一する。また出目の表記も『教科書ガイド』のサイコロの目の表記が( ,)である点から右表記に統一する。

丁半は2つのサイコロを区別せずに転がし、出た目の和を求める。このため、たとえば(1,2)と(2,1)は区別されない。(2,1)は2つのサイコロを転がしたばあいに起こりえる出来事、事象だが出目としては(1,2)として扱われる。繰り返すが2つのサイコロを転がして目が出たときに起こりえる出来事の「全体」は36通りある。しかし、丁半で出目として扱われるのは21通りである。これを9半12丁とよぶ。

具体的には(1,1)、(1,2)、(1,3)、(1,4)、(1,5)、(1,6)、(2,2)、(2,3)、(2,4)、(2,5)、(2,6)、(3,3)、(3,4)、(3,5)、(3,6)、(4,4)、(4,5)、(4,6)、(5,5)、(5,6)、(6,6)の21通りである。但、(2,5)はグニ(五二)の半またはビリ、(3,4)はシソウ(四三)の半と呼ぶなど上記の事象は丁半の出目の数え方と異なる場合がある点も付記しておく。

出目の数え方では(1,1)、(2,2)、 (3,3)、 (4,4)、 (5,5)、 (6,6)はゾロ目と呼ぶ。(1,1)はピンゾロの丁と呼び、ピンは1を意味し、ポルトガル語で「小さな点」を意味するpintaに由来する。(4,4)、 (5,5)、 (6,6)は、それぞれカントオシ、ニトオシ、ピントオシと呼ぶ。

テラ[編集]

勝負ごとに5分のテラ銭をハコにいれる。これが親分の収入であるゴブデラと呼ばれるものである。丁半の場合はブタである(1,2)と(2,6)であれば1割のテラ銭をハチに入れる。これが子分の収入となる。