一握の砂

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一握の砂』(いちあくのすな)は、歌人石川啄木の第一歌集

概要[編集]

1910年 (明治43年) 12月1日東雲堂書店より初版が刊行された。序文を書いている藪野椋十とは、当時の啄木の勤務先である東京朝日新聞で社会部長を務めていた渋川玄耳のことである。

三行分けによる散文的なスタイルの短歌は、若い世代を中心に多くの追従者を生んだ。特に啄木の郷里の岩手県では、刊行前後から地元紙に啄木の作品が掲載されたこともあり、その影響は大きかった。その一人が旧制盛岡中学校の後輩で当時在学中だった宮沢賢治で、本作の刊行と同時期に短歌創作を始めており、啄木の影響と推察されている。

歌風は、徹底的な生活派であり、雄大な情景よりは、ごくありふれた人間的な感覚を歌ったものが多い。もっとも過激な例でいえば「どんよりと くもれる空を 見ていしに 人を殺したく なりにけるかな」といった短歌さえ所収されているほどである。

代表歌[編集]

  • ふるさとの 山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山は ありがたきかな
  • 石をもて 追はるがごとく ふるさとを 出でしかなしみ 消ゆる時なし
  • はたらけど はたらけど猶 わが生活(くらし) 楽にならざり ぢつと手を見る
  • いのちなき 砂のかなしさよ さらさらと 握れば指の あひだより落つ (陸前高田歌碑にもなっている)
  • ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく 

(一握の砂, 今昔秀歌百撰82,選者:大喜多俊一(元京都市教育委員会))

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