一口馬主

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一口馬主ひとくちうまぬし、ひとくちばぬし)とは、中央競馬に所属する競走馬の購入費、維持費といった経費を小口に分割し商品ファンド法に基づいて競走馬に投資する会員のこと。馬主登録されていない人が競走馬に投資するという形で間接的に馬主となるシステムである。日本全国で約5万人程が参加している。

なお地方競馬においては、一口馬主の制度は認められていないが、一方で中央競馬に比べ馬主資格の審査基準が緩く、また一頭のを最大20人で共有することが認められているため(中央競馬では最大10人)、社台グループの「地方競馬オーナーズ」など、一口馬主に近い感覚で共有馬主となることができるシステムもある。(以下追加)2007年9月の法改正により地方競馬にも一口馬主制度が認められた。2008年1月現在で2法人が登録済み、2法人が登録申請中である。ただし、この4法人は中央競馬で馬を走らせることを前提に会員を募集しており、地方競馬だけを走らせる目的で馬を所有するには規約を改正の上、会員個々と再契約をする必要が有る。

目次

[編集] 一口馬主のシステム

一口馬主のシステムは、愛馬会法人とクラブ(馬主)法人という、密接な関係にある2つの法人によって成り立つ。クラブ法人と愛馬会法人は金融庁農林水産省による商品投資販売業者の許可番号を持っているが、後者は馬主資格を有しない。一口馬主になりたい者は愛馬会法人の会員となって同法人に出資し、愛馬会は出資金を用いて取得した競走馬をクラブ法人に現物出資する。クラブ法人は「現物出資」された馬の成績に応じて賞金を「配当」として、愛馬会法人に還元し、愛馬会法人は、さらにそれを会員に分配する。出資は愛馬会が事前に取得した競走馬ごとに行われ、会員は自らが出資した競走馬の獲得した賞金に応じて損益分配を受ける。

クラブによってばらつきはあるが、一般的に1頭の馬を数十~数百口に分けて出資者を募る。馬の値段は中央競馬の場合1000万円以上になることが通常であるので、およそ1口あたり数万~100万円となる。出資者はこの馬代金のほかにその馬の厩舎牧場における経費を口数に応じて支払う。また、各クラブに対して会費を納める必要がある。

なお、一口馬主の会員は馬主でないため、馬主の持つ権利は有しない。ただし、2004年より1クラブ5人まで口取りの写真に参加することが許されるようになり、現在は重賞競走で1クラブ最大20人まで、その他の競走で1クラブ最大10人まで口取りの写真に参加できる(ただし、クラブにより異なる)。

[編集] 一口馬主の歴史

かつては共同馬主という形で馬を所有することがあったが、1971年競馬法で名義貸しの禁止が明文化されると、いくつかの共同馬主が解散を余儀なくされた。しかしこれに対して1975年、共有馬クラブのひとつであった友駿ホースクラブが商法535条から542条に規定する匿名組合をクラブに適用することを考案し、内閣法制局と農林省に報告することにより共有馬クラブとして認可された。これ以降、同様の方式を取って撤退していた共有馬クラブも再登録を行うようになり、1988年ころから起きた競馬ブームに一役買うこととなった。

2007年現在、一口馬主のクラブの数は最大20に固定されており、既存クラブの解散や譲渡がない限り新規参入は出来ない状況にある。

[編集] 一口馬主の法的正当性

一口馬主のシステムに対して、馬主の利益団体である日本馬主協会連合会は、同会が発行した『日本馬主連合会30年史』において名義貸しを商品ファンド法で誤魔化したに過ぎないと非難している。しかし中央競馬の主催者であるJRAは1995年、一口馬主は名義貸しにはあたらないとする見解を発表している。

[編集] 課税問題

現在一口馬主のシステムは、前述の通り商法上の匿名組合を二重に経由することで実現されている。しかし税務上の処理は一般的な匿名組合のものと異なる処理が行われており、その結果

  • JRAが支払った賞金のうち、一般的な個人馬主の場合の源泉徴収分の税金(実効8%)及びクラブ法人・愛馬会法人の手数料を引いた分が出資者に支払われる。
    • 本来なら匿名組合の源泉徴収率は20%であり、一口馬主では匿名組合を二重に経由していることから、一部では「手数料等を差し引いた出資者への配当はJRAが支払った額の6割程度になる」と言われたが、実際には元本の払い戻し部分には当然源泉課税されることはなく、また二段階の一段目は従来源泉徴収義務のなかった出資者が少数の場合の匿名組合契約でもあり、実際の配当がどうなるかは現段階では不明である。
  • JRAからクラブ法人へ支払われる賞金に対する源泉徴収分の税金について、最終的に配当を受けた出資者が個別に還付申告を行うことができる。
    • このような匿名組合のパススルー会計については長く一般的に認められてきたものの、比較的最近になって国税当局がそれを否認する立場を明確化した。クラブ法人に賞金が支払われた時点で関係が切断されると考えられるため、今後はクラブ法人が支払った税金を出資者が還付申告することは認められなくなると推測される。上述の匿名組合にかかわる源泉税が導入された場合は、出資者による還付申告の対象となる。
  • 複数の馬に出資している場合、個々の馬に関する収入及び費用、損失について損益通算を行うことができる。
    • 上述のパススルー会計が認められない場合、馬ごとに個別にファンドが形成され各ファンドの損失はファンドの終了により確定されるという考え方のため、馬が引退した場合に限り当該馬に係わる損失を他馬ファンドなど他の雑所得と損益通算を行うことができる。

といったことが認められていた。

これに対し2006年国税庁が「クラブ法人・愛馬会法人も匿名組合にかかわる法令や通達に沿う形で税務処理を行うようにすべき」との方針を打ち出したことから、社台グループなど一部の愛馬会では「JRAは匿名組合ではなく任意組合形式での一口馬主の運営を認めるべき」との主張を行うようになった(任意組合であれば前記のような税務処理(いわゆるパススルー会計)も認められるため)。しかしJRAは「一口馬主として任意組合形式を認めることは、実質的な名義貸しにつながるため認められない」との方針を一貫として保持しており、匿名組合として今後税務処理をどのような形で行うかも含めて、2007年現在もJRAとクラブ法人の間で協議が続けられている。

[編集] 一口馬主クラブの一覧

2009年現在

[編集] 社台サラブレッドクラブ(旧 社台ダイナースサラブレッドクラブ)

[編集] サンデーサラブレッドクラブ(旧 ダイナース愛馬会)

[編集] ラフィアンターフマンクラブ

[編集] キャロットクラブ

[編集] 友駿ホースクラブ愛馬会

[編集] サラブレッドクラブセゾン(旧 ジョイ・サラブレッドクラブ)

[編集] シルクホースクラブ

[編集] 大樹レーシングクラブ

[編集] ウインレーシングクラブ(旧・東日本愛馬会)

[編集] 広尾サラブレッド倶楽部(旧・サウスニアレースホースクラブ)

[編集] ターファイトクラブ

[編集] グリーンファーム愛馬会

[編集] ロードサラブレッドオーナーズ

[編集] ユニオンオーナーズクラブ

[編集] ブルーインベスターズ(旧 荻伏オーナーズ、荻伏牧場オーナーズ)

[編集] ローレルクラブ

[編集] 東京サラブレッドクラブ(旧 ユーワホースクラブ)

[編集] ゴールドホースクラブ(旧 オーナーズクラブ・クローバー)

[編集] エプソム愛馬会

[編集] ホースメンクラブ愛馬会

[編集] ミリオン

  • 馬主登録法人は『ミリオンサラブレッドクラブ』。閉鎖。
  • 活躍馬:特に無し

[編集] 外部リンク