ヴェブレン階層

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

ヴェブレン階層(ヴェブレンかいそう)とは、ヴェブレン関数の値からなる超限次元の行列で、フェファーマン・シュッテの順序数0) より小さい順序数を表現する一般的な方法として有名。 任意の Γ0 より小さい順序数は、0 ととヴェブレン関数の組み合わせによって、有限に記述される。 オズワルド・ヴェブレンが1908年の論文にて紹介した[1]

ヴェブレン階層とヴェブレン関数[編集]

ヴェブレン関数 φ は、可算順序数の上に定義される二変数関数で、最小の非可算な順序数を Ω で表すとき、ヴェブレン関数の値からなる Ω × Ω の超限次元の行列を特にヴェブレン階層と呼ぶ。 ヴェブレン階層の α 行目、β 列目の値を φα(β) と書く。 ここでは、概略的な説明にとどめる。

まず、ヴェブレン階層の 0 行目に additive principal な順序数を小さいものから順番に置く。 (すなわち、 φ0(α) = ωα) 次に、1 行目には、 φ0(α) = α をみたすような α を小さいものから順番に置く。 これらの順序数 φ1(α) を、特に εα と書く。 例えば、 ε0 は、\omega^\alpha=\alpha となる最小の順序数 \alphaで、直感的には\omega^{\omega^{\omega^{\dots}}} の値である。 ただし、ε0ω = ε0 ではないことに注意せねばならない。 従来の羃の表記よりは、右上から左下にかけて小さく書かれている方が、意味的には正しい。 ε1 は、ε0 より大きく ωα = α であるような最小の数 α で、 \epsilon_0+1,\ \omega^{\epsilon_0+1},\ \omega^{\omega^{\epsilon_0+1}} の極限として与えられる。 一般に、後続順序数 α + 1 に対して、ヴェブレン階層の α+1 列目は φα(β) = β となるような β が順番に置かれ、極限順序数 λ に対しては、それより上のすべての行に現れる順序数が順番に置かれる。

このように構成されたヴェブレン階層の値は、次のように比較することができる: 次のいずれかが成り立つ場合、 φα(β) < φγ(δ)。

  • α = γ かつ β < δ
  • α < γ かつ β < φγ(δ)
  • α > γ かつ φα(β) < δ

フェファーマン・シュッテの順序数[編集]

フェファーマンシュッテの順序数とは、Γ0 と書かれ、φα(0) = α をみたすような最小の順序数 α のことである。任意の Γ0 より小さい順序数は、0 と和とヴェブレン関数の組み合わせによって、有限に記述される。

脚注[編集]

  1. ^ Veblen, Oswald (1908), “Continuous Increasing Functions of Finite and Transfinite Ordinals”, Transactions of the American Mathematical Society 9 (3): 280–292, doi:10.2307/1988605, JSTOR 1988605, http://jstor.org/stable/1988605