ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター

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ヴァン・ダー・グラーフ・
ジェネレーター
(Van Der Graaf Generator)
基本情報
別名 VDGG
出身地 イングランドマンチェスター
ジャンル プログレッシブ・ロック
活動期間 1967年 - 1969年
1969年 - 1972年
1974年 - 1978年
2004年 - 現在
レーベル マーキュリー・レコード
カリスマ・レコード
メンバー
ピーター・ハミル
ヒュー・バントン
ガイ・エヴァンス
旧メンバー
クリス・ジャッジ・スミス
ニック・パーン
キース・エリス
デヴィッド・ジャクソン
ニック・ポッター
グラハム・スミス
チャールズ・ディッキー

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ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーターVan Der Graaf Generator)はイギリスプログレッシブ・ロックバンド。VDGGと略して呼ばれることも多い。

概要[編集]

1967年に結成。ピーター・ハミル(vo)による内省的且つ哲学的な歌詞を前面的に出しつつ、演劇的で抑揚に富むヴォーカルとそれに呼応する複雑でエキセントリックな展開を持たせた音楽性がイタリア等で人気を得る。72年解散、74年再結成、77年バンド名をヴァン・ダー・グラーフに変更、78年解散を経て2004年に再び復活した。 2008年には初来日公演を行った。

現メンバー[編集]

来歴[編集]

  • 1967年
ピーター・ハミル、クリス・ジャッジ・スミスにより結成。後にニック・パーン、マギー(直ぐに脱退)が参加。
  • 1968年
パーン脱退、ハミル、スミスの二人で活動。
ヒュー・バントン加入。
キース・エリス、ガイ・エヴァンス加入。
ハミルとスミスとの間にリード・ボーカルの座を巡る争いがあったが、「曲を書いたほうがリード・ボーカルをとる」と言う事になり、スミスが脱退。
  • 1969年
解散、同年ハミルはレコード会社から契約を理由にソロ・アルバム制作を要求される。
ハミルは元メンバー(バントン、エリス、エヴァンス)を集めて録音、後にVDGG名義となる1st「The Aerosol Grey Machine」録音。録音後メンバーは元の仕事に戻っていった。
ハミル、バントン、エヴァンス、デヴィッド・ジャクソン、ニック・ポッターにより再結成。2nd「The Least We Can Do Is Wave To Each Other」録音。
  • 1970年
3rd「H To He Who Am The Only One」録音中にポッター脱退。
  • 1971年
ハミル、バントン、エヴァンス、ジャクソンで4th「Pawn Hearts 」録音。
  • 1972年
解散。
  • 1974年
ハミル、バントン、ジャクソン、エヴァンスにより再結成。
  • 1975年
5th「Godbluff」、6th「Still Life」録音。
  • 1976年
7th「World Record」録音。バントン脱退。
  • 1977年
グレアム・スミス加入、ポッター再加入、バンド名をヴァン・ダー・グラーフに変更。
ジャクソン脱退。
ハミル、エヴァンス、スミス、ポッターで8th「The Quiet Zone/The Pleasure Dome」録音。
チャールズ・ディッキー加入。
  • 1978年
解散。
  • 2004年
ハミル、バントン、ジャクソン、エヴァンスにより再結成。9th「Present」録音。
  • 2007年
ジャクソン脱退、ハミル、バントン、エヴァンスの3人で活動。10th「Trisector」録音。
  • 2008年
VDGGとして初来日公演を行った。
  • 2009年
NEARfest'09に出演。
  • 2011年
11th『A Grounding in Numbers』録音。
  • 2012年
「Trisector」録音時から近年のサウンド・チェック、即興演奏、ミュージック・コンクレートをまとめたインスト・アルバムである12th「ALT」発表。
2回目の来日公演としてprogressive rock fes 2012に出演した。

特徴[編集]

音楽性[編集]

ピーター・ハミルvo)による内省的且つ哲学的な歌詞を前面的に出したサウンド。多彩なヴォーカルをストーリー性のために奉仕させる歌詞偏重的なスタンスはハミルのソロ・ワークにおいても踏襲されている。

結成時~1stまでは、サイケデリック・ロック要素が強く、クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウンの影響も見られる。バントンのオルガン/ピアノ、エリスのゴリゴリしたベースが特徴的。

1969年1972年までは、バントンの教会音楽風のオルガンとジャクソンのサックス/フルート(特にテナーとアルト二本のサックスを同時に吹き鳴らすダブル・ホーンが特徴的)を核としたサウンドである。

1974年1976年では、バントンのオルガンとジャクソンのサックス/フルートに加えてハミルのエレクトリック・ギターの比重が増えてきた。(技巧的ではないが独自性は高く、バンドサウンドに合致したアトモスフェアを演出している)

1977年1978年ヴァン・ダー・グラーフ時代には、バントンとジャクソンが脱退してしまったため、グレアム・スミスのヴァイオリンをフィーチャーしたサウンドに変化した。 この時期のライヴではハミルのギター、ポッターのベースともにかなりアグレッシヴな演奏となっており(パンクムーヴメントの最中に早くもポストパンク的なアプローチをとっていたことは注目に値する)、このサウンドは後にハミルが結成するKグループに引き継がれている。

2007年以降はジャクソンが脱退したため、ハミル、バントン、エヴァンスのトリオと言う今までにない編成になった。そのため演奏面ではバントンのオルガンとハミルのギター/ピアノを核としたサウンドになった。

逸話・その他[編集]

ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター(ヴァン・デ・グラフ起電機)と言う奇妙なバンド名の名付けの親は、創設メンバーのクリス・ジャッジ・スミスである。


ピーター・ハミルは、1972年までのVDGGではエレクトリック・ギターを弾かないと決めていた様で、アコースティック・ギターのみを弾いており、この時期一部で聞かれるエレクトリック・ギターはニック・ポッター、ロバート・フリップが弾いている。(1968年のシングルのみハミルがエレクトリック・ギターを弾いていると思われる。) VDGGで本格的にエレクトリック・ギターを弾き始めたのは1974年以降である。 再結成前にVDGGのメンバーと録音したソロ・アルバム「ネディアーズ・ビッグ・チャンス」が影響していると言われている。


ロバート・フリップが初めてゲスト参加した作品が3rd『H To He Who Am The Only One』である。


4th『Pawn Hearts』は当初LP2枚組で構想されており、内容は以下の様であった。[1]

  • 1枚目 - 発表された『Pawn Hearts』
  • 2枚目 - A面“Killer”、“Darkness”、“Octopus“のスタジオ・ライヴとB面エヴァンス、ジャクソン、バントンのソロ曲

2005年盤再発CD『H To He Who Am The Only One』には“Squid 1/Squid 2/Octopus“のスタジオ・ライヴ、『Pawn Hearts』にはエヴァンス、ジャクソン、バントンのソロ曲“Angle Of Incidents”、“Ponker's Theme”、“Diminutions“がボーナス曲として収録されており、これらを合わせると幻の2枚組『Pawn Hearts』がどの様なものであったかが想像出来る。

メンバーと担当楽器[編集]

通常、第1期~第5期を初期、第6期~第7期を前期、第8期を後期、第9期~第10期を末期、第11期以降を再結成後と呼んでいる。

第1期 1967年~1968年春[編集]

  • ピーター・ハミル(Peter Hammill) - vocal/acoustic guitar
  • クリス・ジャッジ・スミス(Chris Judge Smith) - drums/vocal/percussion
  • ニック・パーン(Nick Pearne) - organ

+

  • マギー(Maggie) - bass guitar(最初のライヴ直前に脱退)


67年末にハミル、スミス、パーンの3人で“Firebrand”、“Sunshine”を含むデモ・レコーディングを行った。

第2期 1968年春[編集]

  • ピーター・ハミル(Peter Hammill) - vocal/acoustic guitar
  • クリス・ジャッジ・スミス(Chris Judge Smith) - drums/vocal/percussion/typewriter(percussionとして)


68年春にデモ・レコーディングを行った。

第3期 1968年夏~秋[編集]


68年夏にハミル、スミスの2人で、68年秋にハミル、スミス、バントンの3人でデモ・レコーディングを行った。

第4期 1968年秋~1969年[編集]

  • ピーター・ハミル(Peter Hammill) - vocal/acoustic guitar/guitar
  • クリス・ジャッジ・スミス(Chris Judge Smith) - vocal/slide sax(1968年冬に脱退)
  • ヒュー・バントン(Hugh Banton) - organ/piano
  • キース・エリス(Keith Ellis) - bass guitar
  • ガイ・エヴァンス(Guy Evans) - drums


5人でデビュー・シングル「People You Were Going To / Firebrand」録音。
スミス脱退後の4人で“Afterwards”、“Necromancer”の2曲録音、後に1stに加えた。

第5期 1969年[編集]

+

  • ジェフ・ピーチ(Jeff Peach) - flute(ゲスト/1st)


1st『The Aerosol Grey Machine』録音。

1stは元々ピーター・ハミルのソロ・アルバム制作のために第4期のメンバーを集めたもので、後にVDGG名義になった。

第6期 1969年~1970年[編集]

  • ピーター・ハミル(Peter Hammill) - vocal/acoustic guitar/piano
  • ヒュー・バントン(Hugh Banton) - organ/piano
  • デヴィッド・ジャクソン(David Jackson) - sax/flute
  • ニック・ポッター(Nic Potter) - bass guitar/guitar(2nd)
  • ガイ・エヴァンス(Guy Evans) - drums/percussion

+

  • マイク・ハーヴィッツ(Mike Hurwitz) - cello(ゲスト/2nd)
  • ゲリー・ソールズベリー(Gerry Salisbury) - cornet(ゲスト/2nd)
  • ロバート・フリップ(Robert Fripp) - guitar(ゲスト/3rd)


2nd『The Least We Can Do Is Wave To Each Other』録音。
3rd『H To He Who Am The Only One』の3曲録音後、ポッター脱退。

第7期 1970年~1972年[編集]

  • ピーター・ハミル(Peter Hammill) - vocal/acoustic guitar/electric piano/piano
  • ヒュー・バントン(Hugh Banton) - organ/piano/mellotron/synthesiser/bass pedals/bass guitar
  • デヴィッド・ジャクソン(David Jackson) - sax/flute
  • ガイ・エヴァンス(Guy Evans) - drums/percussion

+


3rd『H To He Who Am The Only One』の2曲録音、bass guitarはバントンが弾いている。
4th『Pawn Hearts』録音、これ以降バントンがベース・パートをbass pedals/bass guitarで兼任している。
ライブ『Maida Vale』2曲録音。

第8期(再結成第7期) 1974年~1976年[編集]

  • ピーター・ハミル(Peter Hammill) - vocal/guitar/electric piano/piano
  • ヒュー・バントン(Hugh Banton) - organ/piano/mellotron/synthesiser/bass pedals/bass guitar
  • デヴィッド・ジャクソン(David Jackson) - sax/flute
  • ガイ・エヴァンス(Guy Evans) - drums/percussion


5th『Godbluff』、6th『Still Life』、7th『World Record』録音。ライブ『Maida Vale』6曲録音。

第9期(Van Der Graaf) 1977年[編集]

  • ピーター・ハミル(Peter Hammill) - vocal/guitar/acoustic guitar/piano
  • グレアム・スミス(Graham Smith) - violin/viola
  • ニック・ポッター(Nic Potter) - bass guitar
  • ガイ・エヴァンス(Guy Evans) - drums/percussion

+

  • デヴィッド・ジャクソン(David Jackson) - sax(ゲスト/8th)


8th『The Quiet Zone/The Pleasure Dome』録音。

第10期(Van Der Graaf) 1977年~1978年[編集]

  • ピーター・ハミル(Peter Hammill) - vocal/guitar/piano
  • グレアム・スミス(Graham Smith) - violin/viola
  • ニック・ポッター(Nic Potter) - bass guitar
  • ガイ・エヴァンス(Guy Evans) - drums/percussion
  • チャールズ・ディッキー(Charles Dickie) - cello/electric piano/synthesiser

+

  • デヴィッド・ジャクソン(David Jackson) - sax/flute(ゲスト/Vital)


ライブ『Vital』録音。

第11期(再々結成第7期) 2004年~2006年[編集]

  • ピーター・ハミル(Peter Hammill) - vocal/guitar/piano/electric piano
  • ヒュー・バントン(Hugh Banton) - organ/bass pedals/bass guitar
  • デヴィッド・ジャクソン(David Jackson) - sax/flute
  • ガイ・エヴァンス(Guy Evans) - drums/percussion


9th『Present』、ライブ『Real Time』録音。

第12期 2007年~[編集]


2008年に初来日公演を行った。
10th『Trisector』、11th『A Grounding in Numbers』、12th『ALT』録音。ライブ『Live At The Paradiso』録音。

ディスコグラフィー[編集]

スタジオ・アルバム[編集]

  • The Aerosol Grey Machine (1969年 第4期~第5期)
  • The Least We Can Do Is Wave To Each Other (1970年 第6期)
  • H To He Who Am The Only One (1970年 第6期~第7期)
  • Pawn Hearts (1971年 第7期)
  • Godbluff (1975年 第8期)
  • Still Life (1976年 第8期)
  • World Record (1976年 第8期)
  • The Quiet Zone / The Pleasure Dome (1977年 第9期 Van Der Graaf名義)
  • Present (2005年 第11期)
  • Trisector (2008年 第12期)
  • A Grounding in Numbers (2011年 第12期)
  • ALT (2012年 第12期)

ライブ・アルバム[編集]

  • Vital / Van Der Graaf Live (1978年 第10期 Van Der Graaf名義)
  • Maida Vale / BBC (1994年 第7期~第8期)
  • Real Time (2007年 第11期)
  • Live At The Paradiso (2009年 第12期)

コンピレーション[編集]

  • Time Vaults (1982年 第7期解散後から第8期結成までの間のデモ・セッション集)
  • First Generation(Since From 1969-1971) (1986年 第6期~第7期)
  • Second Generation(Since From 1975-1977) (1986年 第8期~第9期)
  • I Prophesy Disaster (1993年 第4期,第6期~第10期)
  • The Box (2000年 第4期,第6期~第10期)
  • An Introduction (2000年 第6期~第9期)

シングル[編集]

  • People You Were Going To / Firebrand (1968年 第4期 クリス・ジャッジ・スミス在籍時)
  • Afterwards / Necromancer (1969年 第4期 クリス・ジャッジ・スミス脱退後、アメリカ盤のみ)
  • Refugees (single version) / The Boat Of Millions Of Years (1970年 第6期 cello:ヒュー・バントン(A面))
  • Theme One / W (1972年 第7期)
  • Wondering / Meurglys III (1976年 第8期)
  • Masks Part 1/ Masks Part 2 (1976年 第8期)
  • Cat's Eye/Yellow Fever (Running) / Ship Of Fools (1977年 第9期(A面)、第10期(B面))
  • Highly Strung / Elsewhere (2011年 第12期 限定1000枚アナログ7インチ・シングル盤)

その他[編集]

  • Guy Evans & Peter Hammill / The Union Chapel Concert (1997年)
VDGG名義での“Lemmings”を収録している。
  • Peter Hammill / Fool's Mate (1970年)
“Imperial Zeppelin”、“Happy”、“Re-Awakening”、“Sunshine”、“Child”、“Summer Song (In The Autumn)”、“The Birds”をVDGGのメンバーと録音している。
  • Peter Hammill / Chameleon In The Shadow Of The Night (1972年)
“Rock And Role”、“(In The) Black Room / The Tower”をVDGGのメンバーと録音している。
  • Peter Hammill / The Silent Corner And The Empty Stage (1974年)
“Forsaken Gardens”、“Red Shift”、“A Louse Is Not A Home”をVDGGのメンバーと録音している。
  • Peter Hammill / In Camera (1974年)
1stのアウトテイク“Ferret & Featherbird”を再演している。
  • Peter Hammill / Nadir's Big Chance (1975年)
全曲VDGGのメンバーと録音している。ここで第4期のシングル曲“People You Were Going To”を再演している。
  • Judge Smith / Curly's Airships (2000年)
ピーター・ハミルヒュー・バントン、デヴィッド・ジャクソン、ジョン・エリスアーサー・ブラウン等参加。
「もしもスミスが脱退せずにVDGGを率いていたら・・・」を想像させる作品となっている。
  • Guy Evans With Life Of Riley & David Jackson / The Long Hello Volume Four (1993年(オリジナルは1983年))
1993年の復刻CDに「The Long Hello」1st時のアウトテイク(エヴァンス、ジャクソン、バントン、ピエロ・メッシーナ(g)による)“Looking At You”を収録している。
  • Eyewitness - A Tribute To VDGG (1995年)

映像作品[編集]

  • Masters From The Vaults (2003年 第7期)
  • Godbluff Live (2003年 第8期)
  • Inside Van Der Graaf Generator The Definitive Critical Review (2005年 第6期(1970年)、第7期(1972年)、第8期(1975年)のライブ映像を収録している。)
  • Live At The Paradiso (2009年 第12期)
  • Classic Rock Legends - Van der Graaf Generator Filmed Live At Metropolis Studios (2011年 第12期(2010年のライヴ))

脚注[編集]

  1. ^ Van der Graaf Generator - The Book、Jim Christopulos and Phil Smart著、2005年、p127

関連項目[編集]

外部リンク[編集]