ヴァイオリンソナタ (マニャール)

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ヴァイオリンソナタ ト長調 作品13(Sonata Pour Violon et Piano en sol majeur, Op.13)は、フランス作曲家アルベリク・マニャールが1901年に作曲したヴァイオリンピアノのためのソナタ。マニャールの作品の中では、歌劇『ゲルクール』と並んで最も成功した作品と言われている[1]

概要[編集]

全4楽章で、第3楽章以外はどの楽章も演奏時間が10分を超え、全曲を通じての演奏時間は40分を超える大曲となっている。序奏つきの近代的なソナタ形式を取り、ピアノは交響的な書法によって作曲されており、演奏が困難であるとされている[1]

ウジェーヌ・イザイに献呈されており、初演も1902年にイザイによって行われた(なおその際のピアニストはラウール・プーニョ[1]。楽譜はパリのルアール=ルロールが出版した。

楽章[編集]

  • 第1楽章:Large - Animé
    序奏からはじまる近代的なソナタ形式をとる。ヴァイオリンが中心となった静謐な旋律のあと、情熱的な主部へと展開する[1]。序奏の旋律はコーダの前に再び登場する。約12分。
  • 第2楽章:Calme
    2つの主題が交互に現れ、徐々に変容していく。その美しさは「フランス音楽の最上の境地を表すもの」とまで評される[2]。約13分。
  • 第3楽章:Trés Vif
    短めの楽章で、リズミカルなスケルツォの形式を取る。約3分。
  • 第4楽章:Large - Animé
    速度指定は第1楽章と同じ。哀愁を帯びた第1主題と、速いテンポで演奏される第2主題によるソナタ形式をとる。展開部では主題がフーガのように扱われており、ベートーヴェンの作風を想起させる[2]。約14分。

録音[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 『マニャール&フランク/ヴァイオリン・ソナタ集』 p.7
  2. ^ a b 『マニャール&フランク/ヴァイオリン・ソナタ集』 p.8
  3. ^ 『マニャール&フランク/ヴァイオリン・ソナタ集』 p.9

参考文献[編集]

  • デュメイコラール『マニャール&フランク/ヴァイオリン・ソナタ集』(東芝EMI)ライナーノーツ

外部リンク[編集]