ワールド・ヨーヨー・コンテスト

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ワールド・ヨーヨー・コンテスト(英語:World Yo-Yo Contest、略称:WYYC)は、競技ヨーヨーの世界大会である。大会は毎年(近年は7月~8月の3日間が通例)開催されており、参加国はアメリカ・日本をはじめ十数カ国にのぼる。

2009年度の世界大会では、全部門(後述するフリースタイル競技全7部門・ラダー部門・Mods部門の9部門全て)において日本人が優勝した。2004年度にもフリースタイル競技全6部門で、日本人が優勝を独占したが、ラダー部門・Mods部門を含む優勝の独占は、世界大会史上初の快挙である。


歴史[編集]

1932年ロンドンにて、第一回目となるヨーヨーの”世界大会”が開催され、ハービー・ロウが優勝したことが確認されている。ただし、運営母体や競技内容など、現在行われている世界大会との関連性はない。

1970年代に、コカ・コーラ社が日本のみならず世界各国でいわゆる「ヨーヨーチャンピオン」を派遣し、ヨーヨーを用いたコーラのプロモーションが展開された。コカコーラヨーヨーを用いたプロモーションは大成功を収めたが、ヨーヨー自体はブームの収束と共に姿を消し、文化や競技として定着するまでには至らなかった。

現在行われている世界大会の起源は意外と新しく、1992年にデール・オリバーらの呼びかけにより、トラックの荷台をステージにして、数十人が集まって世界大会を自称したところから始まったとされている。この大会では「フリースタイル演技」という概念が初めて取り入れられ、競技ヨーヨーとしての下地が作られた。また、コカコーラヨーヨー時代などで見られた、プロモーションのための”(作られた)チャンピオン”から、実力で勝ち取る”(本来の意味での)チャンピオン”にその価値が置き換わったことも特筆すべきだろう。

1992年以降は、細々ながらも毎年開催されるようになり、1998年には国際ジャグラーズ協会(略称:IJA)が開催する大会の一種目として開催されるなど、定着の兆しを見せ始めた。

1996年にはアメリカでヨーヨーブームが起こり、さらに翌年には日本でバンダイの「ハイパーヨーヨー」が社会現象となるほどの大ブームとなる。そのブームが海外にも広がる形で、世界大会の規模が急激に拡大することとなった。

ハイパーヨーヨーブームのピークを迎える1999年には、史上最大規模となるヨーヨーの世界大会がハワイで開催され、ハイパーヨーヨーで育った日本勢が多数出場し、彼らが上位を占める結果となった。

ブームが過ぎ去った2000年からは、適切な大会規模に縮小されたうえで、フロリダ州にて開催されるようになり、2001年からはフロリダ州オーランドのローゼンプラザホテルで毎年開催されている。

2013年2月には、世界各国のオーガナイザにより国際ヨーヨー連盟が設立、世界大会を世界各国で開催することが決定。2014年チェコ共和国プラハ)、2015年日本東京)、2016年にはアメリカ合衆国での開催が予定されている。

開催競技・部門[編集]

現在開催されている部門[編集]

大会の出場にあたり、年齢・国籍などの制限はない。競技用として使用するヨーヨーについても、出場する部門に適合するものであり、周囲の安全を脅かすものでなければ、改造品・自作品であっても使用が許可される。ただし、ヨーヨー以外の器具の持込みについては制限がある。

フリースタイル競技[編集]

音楽に合わせ、自由に技を組み合わせて演技を披露し、技術点や芸術性などを競う競技である。

大会当日に行われる予選競技の通過者(当日枠)と、世界各国で行われる全国大会の各部門優勝者(シード枠)とで、決勝戦が行われる。日本では、日本ヨーヨー連盟(英語:Japan Yo-Yo Federation、略称:JYYF)が主催する『ジャパンナショナルヨーヨーコンテスト』の各部門優勝者に、その年のシード権が発行される。

ヨーヨーの性能の劇的な向上に加え、プレイヤーの技術力も急上昇していることから、日々様々なプレイスタイルが考案されている。それに対応するべく開催部門の見直しが何度か行われ、現在では以下の部門に細分化されている。

  • 1A(シングルハンドストリングトリック)部門
  • 2A(ツーハンドルーピングトリック)部門
  • 3A(ツーハンドストリングトリック)部門
  • 4A(オフストリング)部門
  • 5A(カウンターウェイト)部門
  • AP(アーティスティックパフォーマンス)部門

現在の世界大会の規定では、上記「フリースタイル競技」6部門の優勝者が「世界チャンピオン」を名乗ることができる

フリースタイル競技以外の正式部門[編集]

  • ラダー(規定)部門

予告されている技を正確に行う部門。年齢や参加部門などで複数の表彰区分があり、全区分総合でも表彰される。スポーツラダー部門(S部門とも)と呼ばれることもある。

  • Mods(ヨーヨー製作・改造)部門

既製のヨーヨーに独自の改造・ペイントを施したものや、フルスクラッチ(完全自作)で開発したヨーヨーを、独創性・芸術性・競技性などの観点で評価・表彰する部門。

ヨーヨー以外の開催競技[編集]

過去に存在した正式部門[編集]

フリースタイル競技[編集]

  • シングルハンド部門
  • ダブルハンド部門
  • チーム部門
  • (グランド)チャンピオンシップ部門

1992年から1997年まで開催されていた部門。ダブルハンド部門と同義である。これは当時のヨーヨーの基本性能が低かったことから来る「片手で1個よりも両手で2個ヨーヨーを扱うほうが難しい」という観念に基づいている。

  • X部門

2000年から2002年まで開催されていた部門。部門名のエックスは eXtreme に由来する。1A・2A部門に属さないプレイスタイルを評価するために仮設されたが、2002年を最後に発展的解消を果たし、代わりに3A・4A・5A部門が創設された。通常のフリースタイル競技と同様、3分以内の演技を行うものだったが、2002年のみ4分以内であった。

  • CB(コンバインド:複合)部門

2006年から2009年まで開催されていた部門。1分30秒以内の演技を1回として、それぞれ異なるプレイスタイルで3回(3日間)に分けて行われ、総合得点で最終順位を決定する。1日目は2種類のプレイスタイルとして、エアリアル(4A・5Aスタイル。混合可)かデュアル(2A・3Aスタイル。混合可)のいずれかを選択して演技し、2日目はもう片方のプレイスタイルで演技する。1日目と2日目は累積得点で足切りが行われ人数が絞られる。3日目は純粋な1Aスタイルで演技し、3日間の合計得点で最終順位が決定する。

フリースタイル以外の競技[編集]

  • マスター部門

1997年まで開催されていた部門。規定されたトリックを行うもので、ラダー(規定)部門とほぼ同義。

開催地と歴代優勝者[編集]

世界大会の規定によれば、(ヨーヨーの)フリースタイル競技各部門の優勝者が「世界チャンピオン」を名乗ることができる。そのうえで、他の開催部門の結果についても記載する。「ワールドヨーヨーコンテスト」の「世界チャンピオン」を名乗ることができるフリースタイル競技以外の部門名については、区別のためカッコ書きで記す。

開催年 開催地 開催国 部門 優勝 2位 3位
1992年 モントリオール カナダの旗 カナダ チャンピオンシップ部門 デール・オリバー デイル・マイヤバーグ ジェニファー・ベイブルック
1993年 ノースダコタ州ファーゴ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 チャンピオンシップ部門 ロッコ・シャギール ジョン・ゲイツ マーク・ヘイワード
1994年 バーモント州バーリントン アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 チャンピオンシップ部門 ビル・デ・ボイスブランク ジョン・ゲイツ トム・マッコイ
1995年 ネバダ州ラスベガス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 グランドチャンピオンシップ部門 ビル・デ・ボイスブランク デイル・マイヤバーグ マイク・テイラー
1996年 サウスダコタ州ラビットシティ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 グランドチャンピオンシップ部門 デイル・マイヤバーグ ビル・デ・ボイスブランク マイク・テイラー
1997年 ペンシルベニア州ピッツバーグ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 グランドチャンピオンシップ部門 ビル・デ・ボイスブランク アレックス・ガルシア ジェニファー・ベイブルック
1998年 ネバダ州ラスベガス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ワンハンド部門 鈴木良一 ロス・パスキュアル 石渡勝司
ツーハンド部門 ジェニファー・ベイブルック 永瀬巧 アラン・バタンガン
1999年 ハワイ州 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ワンハンド部門 ジョエル・ジンク 三居弘典 長谷川圭次郎
ツーハンド部門 永瀬巧 横山光士 嶋崎仁哉
(チーム部門) ? 御殿場ピノキオイエローグラス ?
2000年 フロリダ州 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 川田祐 仙波英将 マット・ローズ
2A部門 北村朋也 横山光士 マサヒロ・タニカワ
X部門 三居弘典 長谷川貴彦 Doctor Popular
(チーム部門) チーム・オフストリング チョコボール・ファミリー アザーズ・D
2001年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 石黒友也 渡邊剛太 デニス・シュルスナー
2A部門 マット・ハロー 横山光士 J.M.マクナルティ
X部門 寺田真悟 長谷川貴彦 荒牧淳
2002年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 ユウキ・スペンサー 鈴木裕之 石黒友也
2A部門 斎藤慎司 鈴木幸宏 横山光士
X部門 島田大輔 大西翼 長谷川貴彦
AP部門 長谷川貴彦 三居弘典 寺田真悟
2003年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 ジョニー・デヴァリエ ブレント・デリンジャー 鈴木裕之
2A部門 斎藤慎司 横山光士 鈴木幸宏
3A部門 島田大輔 荒牧淳 川田祐
4A部門 奥山瑛二 山田淳史 寺田真悟
5A部門 ラファエル・松永 沼上誠 寺田真悟
AP部門 マーク・モンゴメリー 渡邉富之 デイブ・バザン
(Mods部門) Mo・チャベス ジョン・ローリンス アラン・グレイ
2004年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 鈴木裕之 石黒友也 ユウキ・スペンサー
2A部門 斎藤慎司 横山光士・藤井啓(同点) 斎藤立聖
3A部門 島田大輔 田名見勇機 中村麻耶
4A部門 大西翼 河辺邦久 森幸一朗
5A部門 沼上誠 ラファエル・松永 寺田真悟
AP部門 渡邉富之 川田祐 ジェニファー・ベイブルック
(スピントップ部門) マット・リッター ミゲル・コリア ジョン・ゲイツ
2005年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 鈴木裕之 ユウキ・スペンサー 田中貴康
2A部門 斎藤慎司 横山光士 パトリック・ミッチェル
3A部門 島田大輔 中村麻耶 岩田正信
4A部門 ジョン・ナラム 奥山瑛二 ジミー・ペング
5A部門 中村麻耶 沼上誠 アンドリュー・リン
AP部門 長谷川貴彦 三居弘典 渡邉富之
(スピントップ部門) デイブ・バザン ジョン・ゲイツ タケシ・カミサト
2006年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 鈴木裕之 ポール・ハン エリック・コロスキ
2A部門 斎藤慎司 横山光士 ジョン・アンドウ
3A部門 ポール・ヤット 田名見勇機 木村健太郎
4A部門 西村太城 大西翼 奥山瑛二
5A部門 デイナ・ベネット ジェイク・バロック AJ・カーク
AP部門 川田祐 渡邉富之 石黒友也
CB部門 斎藤慎司
2007年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 ユウキ・スペンサー 鈴木裕之 ポール・ハン
2A部門 斎藤慎司 横山光士 斎藤立聖
3A部門 田名見勇機 木村健太郎 島田大輔
4A部門 奥山瑛二 岩倉玲 大西翼
5A部門 タイラー・セヴェレンス 松浦豪・宮村宗純(同点)
AP部門 石黒友也 岩倉玲 スティーブ・ブラウン
CB部門 斎藤慎司 斎藤立聖 ジョン・ナラム
(Mods部門) 紺本忍
(スピントップ部門) マット・リッター タケシ・カミサト ジョージ・アルコズ
2008年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 ジョン・アンドウ 鈴木裕之 セバスチャン・ブロック
2A部門 山本拓馬 斎藤慎司 藤井啓
3A部門 宮本裕貴 木村健太郎 ハンク・フリーマン
4A部門 岩倉玲 ジョン・ナラム 加川洋平
5A部門 松浦豪 スターリン・クイン 井上卓磨
AP部門 ジョン・ヒグビー 岩倉玲 渡邉富之
CB部門 斎藤慎司 ジョン・ナラム デイブ・ガイグル
(Mods部門) 紺本忍 志賀悠未 河辺邦久
(ディアボロ部門) 金子隆也 岩倉玲 エイドリアン・バンナクール
2009年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 城戸慎也 鈴木裕之 クリス・フレイザー
2A部門 斎藤慎司 古川泰史 藤井啓
3A部門 木村健太郎 宮本裕貴 東泰一郎
4A部門 岡田直人 岩倉玲 大西翼
5A部門 井上卓磨 ミゲル・コレア タイラー・セヴェレンス
AP部門 岩倉玲 渡邉富之 三居弘典
CB部門 斎藤慎司 岡田直人 岩倉玲
(Mods部門) 志賀悠未 エットレ・フェロー 紺本忍
(ディアボロ部門) 岩倉玲 河辺邦久 シェーン・スミス
(スピントップ部門) ジョン・ゲイツ マイク・ハウト トム・コノリー
2010年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 ジェンセン・キミット 鈴木裕之 クリストファー・シア
2A部門 古川泰史 山下諒 高田柊
3A部門 古田港 東泰一郎 ハンク・フリーマン
4A部門 大西翼 岩倉玲 岡田直人
5A部門 松浦豪 スターリン・クイン ミゲル・コリア
AP部門 シャクラー 岩倉玲 長谷川貴彦
2011年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 マーカス・コウ セバスチャン・ブロック ジェントリー・スタイン
2A部門 斎藤慎司 古川泰史 山下諒
3A部門 ハンク・フリーマン アレックス・ハットリ 東泰一郎
4A部門 岡田直人 ブライアン・フィギュロア 大西翼
5A部門 松浦豪 井上卓磨 サム・スコット
AP部門 長谷川貴彦 ジャスティン・ウェバー 三居弘典
2012年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 鈴木裕之 マーカス・コウ クリストファー・シア
2A部門 高田柊 山本拓馬 藤井啓
3A部門 ハンク・フリーマン ワン・チェ 古田港
4A部門 岩倉玲 ブライアン・フィギュロア 岡田直人
5A部門 松浦豪 井上卓磨 石原弘康
AP部門 InMotion 長谷川貴彦 渡邉富之


2013年 フロリダ州オーランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1A部門 Janos KARANCZ クリストファー・シア Luis Enrique VILLASENOR
2A部門 山本拓馬 高田柊 山下諒
3A部門 ハンク・フリーマン Patrick BORGERDING 橘保貴
4A部門 Michael Nakamura 岡田直人 Chun Hin Chan
5A部門 松浦豪 タイラー・セヴェレンス サム・スコット
AP部門 Spination Tuan Chih-Min Chang Tsu-Wei

参考文献[編集]

  • 『ハイパーヨーヨーテクニックス』小学館出版、1997年10月、ISBN 4-0910-2601-X
  • 『ハイパーヨーヨーコレクション』小学館出版、1998年02月、ISBN 4-0910-2617-6
  • 『ハイパーヨーヨーメンテナンス』小学館出版、1998年02月、ISBN 4-0910-2618-4
  • 『ハイパーヨーヨートリックス』小学館出版、1998年06月、ISBN 4-0910-2632-X
  • 『ハイパーヨーヨーフリースタイル』小学館出版、1998年08月、ISBN 4-0910-2638-9
  • 『ハイパーヨーヨーテクニックス'98』小学館出版、1998年09月、ISBN 4-0910-2643-5
  • 『ハイパーヨーヨーマニアックス』小学館出版、1998年11月、ISBN 4-0910-2657-5

外部リンク[編集]