ワシントンUFO乱舞事件

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ワシントンUFO乱舞事件とは、1952年7月19日から7月27日にわたってアメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.及びその他の地域で起きたUFOの大量目撃現象である。

事件の概要[編集]

1952年7月19日から27日にわたって首都ワシントンD.C.上空に68機ものUFOが現れ大勢の市民の目の前で飛び回るという事件が起きた。UFOがナショナル空港に着陸する旅客機を追跡したり、迎撃に上がったアメリカ空軍ロッキードF-94B戦闘機を取り囲んでいるという報告がなされ、レーダーにもそれらしき反応があった。民間航空機の複数の乗員は、上下左右に不規則に動き、速度を変化させたり静止したりする「異様な光体」を目撃した。

空軍が調査のために戦闘機を発進させ、光体に接近すると光体は消滅した。その後、光体は様々な場所に現れ、いずれも戦闘機が到着するとすぐに消滅し、空軍と光体のイタチごっこが続くこととなった。深夜になると、光体はアンドリュース無線塔の上空に出現し、「オレンジ色に輝く巨大な球体」を通信員たちが目撃した。またバージニア州ニューポートニュースの人々は「互い違いに色を発して回転し、まぶしく光る物体」の目撃を報告した。

記者会見と公式見解[編集]

ペンタゴンにはこの件で問い合わせが殺到し回線はパンク状態になった。空軍は「市民を落ち着かせるために何らかの方策をとる必要があった」。空軍は記者会見を行い、UFOは「逆転層による気象現象」(気温逆転説)であったと説明した。

実際、「UFO」はハイウェイの上空にあらわれており、風向きに沿って移動していることがわかっている。上位(浮上)蜃気楼と呼ばれる現象で、逆転層が地面の光を反射しながら風に乗って移動していたという説が考えられる。また、こうした逆転層はレーダーにも影響し、気象データも逆転層が発生する条件がそろっていることを示していた。[要出典]グラウンド・クラッターを誤認したという説も出ている。

公式見解への批判[編集]

この気温逆転説を用いた公式見解には批判もある。

まず、レーダーに影響するほどの逆転層が発生したかどうかについては疑問視する向きがある。レーダーを注視していた調査員は「実体のある目標と、気温逆転によるレーダー反射は簡単に区別できる」と述べている。[1]UFO目撃の際にレーダー管制室にいたデューイ・フォーネット少佐と海軍のレーダー専門家は、気温逆転説に賛成しなかったため、関係者ではあったが記者会見には招かれなかった。また事件の最中に民間航空機のパイロットが「物体」を目撃したことを空軍は認めたが、その事実についての説明はなかった。[2]民間研究者であるジェームズ・マクドナルドは、調査結果により気温逆転説は支持できないと述べた。

また、1952年の夏には逆転層は毎日発生しており、ワシントン事件当日の逆転は、他の日と比較しても大きいものではなかったというデータがある。[3]

世界同時多発目撃[編集]

その後、アメリカの公式UFO調査(プロジェクト・ブルーブック)の資料により、この時期のUFOの目撃場所はワシントンD.C.に限らず、世界中に渡っていた事が判明した。

ワシントン事件が起こる1時間前には、沖縄米軍基地にて4人の空軍関係者が、「球状」で「急激に飛行コースを変える」未確認飛行物体を目撃した。ワシントン事件が起こった数十分後には、モンタナ州のグレートウォールズの空軍基地で、5機の飛行物体が超高速で飛行したという報告がされた。

その数分後、次はニューメキシコ州のホロマン空軍基地で、高速で動く3機の発光体が複数の技術者や将校たちにより目撃された(この基地では近くで観測用気球も打ち上げられていたが、後の調査で気球による誤認ではないことが判明した。)物体は金属的な質感をしており、超高速で急激に進路を変えたという。レーダーに捕捉された時点では高度1万mに滞空しているという結果が出た。気象条件は理想的で、気温逆転現象もここでは起きていなかった。

それから数時間の後に、ニューヨークから出発したパンアメリカン航空92便のパイロットたちが円盤形の飛行物体を目撃していた。その他の例では、モロッコカサブランカマラケシュアルジェリアなどでもUFOが目撃されていた。証言内容は概ね共通のものであった。事件当時、これらのUFO目撃事件とワシントン事件を関連させて調査した者は皆無であった[4]

事件写真[編集]

「UFO」らしき光点を背景にした議事堂の写真がよく引き合いに出されるが、写真の議事堂には1952年以降の改修工事の跡があるため、本件とは関係ない。写っているのは単なるレンズフレアと思われ、トリミング前の写真も既に判明しているとされる。[5]

参考文献[編集]

  • デビッド・マイケル ジェイコブス『全米UFO論争史』星雲社
  • ビル・コールマン『米空軍「UFO機密ファイル」の全貌』グリーアンアロー出版社

脚注[編集]

  1. ^ デビッド・マイケル ジェイコブス『全米UFO論争史』星雲社
  2. ^ デビッド・マイケル ジェイコブス『全米UFO論争史』星雲社
  3. ^ 『レーダー補足UFO事例の研究』開成出版
  4. ^ ビル・コールマン『米空軍「UFO機密ファイル」の全貌』グリーアンアロー出版社
  5. ^ [1]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]