ワカクサタケ

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ワカクサタケ
分類
: 菌界 Opisthokonta
: 担子菌門 Basidiomycota
: 真正担子菌綱 Agaricomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: ヌメリガサ科 Hygrophoraceae
: アカヤマタケ属 Hygrocybe
学名
Hygrocybe psittacina
和名
ワカクサタケ
英名
Parrot Toadstool 、 Parrot Waxcap
ワカクサタケ
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菌類学的特性
子実層にひだあり
傘は凸形
子実層は固着形
柄には何も無い
胞子紋は
生態は菌糸
食用: 適する
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ワカクサタケ (Hygrocybe psittacina) はハラタケ目ヌメリガサ科アカヤマタケ属菌類。英語圏ではParrot ToadstoolやParrot Waxcapなどとも呼ばれる。北ヨーロッパで見つかっている。ワカクサタケには最低でもH. psittacina var. psittacinaH. psittacina var. perplexaの2つの亜種があることが知られている。後者は元々はH. perplexaの名で独立種として記載されたものである。

アカヤマタケ属は非常に鮮やかな色のきのこが多いことで知られているが、この種も鮮やかな若草色である。しかしながら、これは葉緑素の色ではなく光合成はしていない。

特徴[編集]

フェロー諸島の切手。

ワカクサタケは小さなきのこである。カサは中心部がやや凸の饅頭型であり大きさは1 - 3cm程度の直径である。若いうちは緑色の独特の粘液に覆われており緑色をしているが、時間がたつと黄色や白に近い色に変わっていき、カサの上部から若干赤みを帯びる。

柄は2 - 4cmであり、緑から緑っぽい黄色。

襞の間は垂生で、やや疎になっており、薄く緑っぽい黄色をしている。胞子紋の色は白。

軸の先端部の緑色は古い標本でも残る。

分布・生息地[編集]

H. psittacina var. psittacinaは広範な生息域を持っており西ヨーロッパアイスランドグリーンランドアメリカ南アフリカ日本などで見つかる。草地に生え、おおよそ夏の終わりから秋にかけて見つかる。ヨーロッパではどうやら生息環境の悪化から数を減らしているようである。オーストラリアにおけるこの種の過去の記録は、再検討の結果、これと似たHygrocybe graminicolorH. stevensoniaeであることが判明している。

H. psittacina var. perplexaは西ヨーロッパ、アメリカ、日本で記録されており、オーストラリアでは東ビクトリア近辺で見つかったとされる記録が1つある。

食用[編集]

小さい大きさと、ヌメリのある外見にもかかわらず、この種はいくらかのきのこ図鑑では食することができるとされている。しかしながら、本種を20本以上一度に摂取すると消化器疾患の原因になる。また、シロシビンを含んでいる。独特の匂いや味は存在しない。

参考文献[編集]

  • Phillips, Roger (1981). Mushrooms of Great Britain and Europe. Pan Books, London. ISBN 0-330-26441-9 
  • Fuhrer, Bruce Alexander (2005) A Field Guide to Australian Fungi Bloomings Books, Melbourne, Australia, ISBN 1876473517 ;
  • Spooner, Brian (1996). Mushrooms and Toadstools. Collins, Glasgow. ISBN 0-00-220007-4 
  • Young, A.M. (2005). Fungi of Australia: Hygrophoraceae. (Australian Biological Resources Study) CSIRO, Canberra, ACT. ISBN 0-643-09195-5 

外部リンク[編集]