ワイヤー (バンド)

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ワイヤー
Wire
Wire sept 2013.jpg
2013年9月撮影(左からマシュー・シムス、ロバート・グレイ、コリン・ニューマン、グレアム・ルイス)
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランド ロンドン
ジャンル ポストパンク
アート・パンク
エレクトロニック
ニュー・ウェーヴ
オルタナティヴ・ロック
活動期間 1976年 - 1980年
1985年 - 1992年
2000年 -
レーベル Pinkflag
ミュート・レコード
ハーヴェスト・レコード
共同作業者 ドーム
公式サイト Pinkflag.com
メンバー コリン・ニューマンボーカルギター
グレアム・ルイス (ベース
ロバート・グレイ (ドラムス
マシュー・シムス (ギター
旧メンバー ジョージ・ギル
ブルース・ギルバート (ギター

ワイヤー (Wire) は、1976年イギリスロンドンで結成されたポストパンクバンド

概要[編集]

イギリスパンク・ロックシーンから現れ、'70~'80年代において最も影響力のあるグループの一つとしてしばしば言及され、多くの後進アーティストにインスピレーションを与えている。ポストパンク黎明期における重要なバンドであり、実験的な表現や制作プロセスにフォーカスした独特のスタンスで異彩を放ち続けている[1]

経歴[編集]

1976年コリン・ニューマンとブルース・ギルバートはジョージ・ギルに誘われ、ワイヤーの前身バンド、Overloadを結成した。そこにグレアム・ルイスとロバート・グレイ(デビュー時のステージネームはロバート・ゴートゥベッド(Robert Gotobed)だったが後に本名名義に変更)が加わり、ワイヤーの原型ができあがった。ジョージ・ギルはほどなくして脱退し[1]1977年から4人編成での本格的な活動が始まった[2]

1977年初頭、ソフト・マシーン、後にはブラーなどのプロデューサー[3]で知られるEMIレコードのマイク・ソーンに出会う[1]。同年春、マイク・ソーンがプロデュースしたパンク・ロックオムニバス・アルバムThe Roxy London WC2』にバズコックスエックス・レイ・スペックスなどと共に参加し[4]、レコード・デビューを果たした。

その後、ピンク・フロイドなどが所属していた、EMI傘下のハーヴェスト・レコードと契約し、マイク・ソーンのプロデュースで1977年から1979年にかけて、『ピンク・フラッグ』『チェアーズ・ミッシング(旧邦題:消えた椅子)』『154』の3枚のアルバムを発表した[5]。『ピンク・フラッグ』では1分未満の楽曲も多く収録された荒削りなパンク・ロックだったが、『チェアーズ・ミッシング』『154』ではシンセサイザーやギターエフェクトを多用した、より複雑でアトモスフェリックなサウンドを追求した。パンクバンドとしては異色なそのような音楽性は「初期のピンク・フロイドを思わせる」とも評された。当時の彼らのキャッチフレーズは「ロックでなければなんでもいい」というもので、初期ロンドン・パンクにおける名台詞のひとつとされている。彼らのアルバムは大手レーベルからリリースされたこともあって、海を超えてアメリカのオルタナティヴ・ロックに大きな影響を与えた。

1980年に解散し[6]、コリン・ニューマンはソロ活動を開始。シングルやアルバムを精力的にリリースする。ルイスとギルバートはドームを結成しアンビエント・ミュージック[7]インダストリアル・ミュージックにのめり込んだ。

1985年に活動を再開し[6]6枚の作品をリリースした。1990年ドラマーのグレイが脱退し、1992年から2000年にかけて再度活動を休止した[6]2000年の再始動時は、オリジナル・メンバー4人での復活であった[1]が、2004年にブルース・ギルバートが脱退[8]した。2011年になって、It Hugs Backのフロントマン、マシュー・シムスがギタリストとして加入した[9]

影響[編集]

シカゴにて (2011年)

ワイヤーが後世に与えた影響は非常に大きい。1980年代や90年代には、ユリナルズや、マニック・ストリート・プリーチャーズミニットメンソニック・ユース[10]R.E.M.[11]らがワイヤーのファンであることを公言したり、さまざまな形で表現した。R.E.Mは「ドキュメント」というアルバムでワイヤーの「Strange」をカバーする一方で、ワイヤーの「Feeling Called Love」という曲をまねて「What's the Frequency, Kenneth?」(1994年のアルバム「モンスター」に収録)という曲を制作した。

イギリスではゴシック・ロックの代表的バンド、ザ・キュアーロバート・スミスはワイヤーのライヴを観てから、ファーストアルバム以降のサウンドにいかに大きな影響を与えたかを話すなど、ワイヤーから絶大な影響を受けたことを公言している[12]ブラーエラスティカメンズウェアなどのブリットポップバンド、フランツ・フェルディナンドブロック・パーティフューチャーヘッズといったポストパンク・リヴァイヴァルバンドにも音楽的影響を公言されている。エレクトロ・ポップグループ、レディトロンはワイヤーの楽曲「The 15th」をリミックスした。メンバーの一人であるルーベン・ウーはワイヤーからの音楽的影響を公言している[13]

また、ワイヤーはアメリカのハードコア・パンクにも影響を与え、マイナー・スレットはワイヤーの楽曲「12XU」をカバーしている[14]ビッグ・ブラックもワイヤーの楽曲「Heartbeat」をカバーし、シングルとしてリリースしている。

作品[編集]

スタジオアルバム[編集]

  • ピンク・フラッグ Pink Flag (1977年)
  • チェアーズ・ミッシング (旧邦題:消えた椅子) Chairs Missing (1978年)
  • 154 (1979年)
  • The Ideal Copy (1987年)
  • A Bell Is a Cup...Until It Is Struck (1988年)
  • It's Beginning to and Back Again (1989年)
  • Manscape (1990年)
  • The Drill (1991年)
  • The First Letter (1991年)
  • Send (2003年)
  • Object 47 (2008年)
  • Red Barked Tree (2011年)
  • Change Becomes Us (2013年)

EP[編集]

  • Snakedrill (1986年)
  • Ahead (1987年)
  • The Peel Sessions (1987年)
  • Kidney Bingos (1988年)
  • Silk Skin Paws (1988年)
  • Eardrum Buzz (1989年)
  • In Vivo (1989年)
  • The Third Day (2000年)
  • Read & Burn 01 (2002年)
  • Read & Burn 02 (2002年)
  • Read & Burn 03 (2007年)
  • Strays (2011年)

コンピレーション・アルバム[編集]

  • On Returning (1977-1979) (1989年)
  • The Peel Sessions Album (1990年)
  • 1985-1990: The A List (1993年)
  • Behind the Curtain (1995年)
  • Turns and Strokes (1996年)
  • Coatings (1997年)
  • 1977-1979 (2006年)

注釈[編集]

  1. ^ a b c d Wire | Biography | AllMusic - 2014年3月30日閲覧
  2. ^ ワイヤー・インタビュー | THE DIG - 2014年3月30日閲覧
  3. ^ ‎Mike Thorne | Biography | AllMusic - Artist Biography by Wilson Neate -2014年4月5日閲覧
  4. ^ Various ‎– The Roxy London WC2 (Jan - Apr 77) at Discogs - 2014年4月5日閲覧
  5. ^ Jim DeRogatis/Wilson Neate | Wire | TrouserPress.com - 2014年4月9日閲覧
  6. ^ a b c Pinkflag.com - US - 2014年4月9日閲覧
  7. ^ ブライアン・イーノが提案した「環境音楽」。
  8. ^ Bruce Gilbert - Pinkflag.com
  9. ^ Matthew Simms - Pinkflag.com
  10. ^ 500 Greatest Albums of All Time: Wire, Pink Flag”. ローリング・ストーン. 2015年1月30日閲覧。
  11. ^ Wire Guitarist Colin Newman on the Band's New Live Album, Gear and Plans for the Future
  12. ^ Guitar World, June 1996 - 2015年1月30日閲覧
  13. ^ SG Music: Interview With Ladytron | Soccer Gaming”. 2015年1月30日閲覧。
  14. ^ The Yorker - Loving a band

外部リンク[編集]