ローリング・サンダー・レヴュー

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Rolling Thunder Revue
ボブ・ディランほか多数 の ツアー
場所 アメリカカナダ
関連アルバム 欲望
初日 1975年10月30日
最終日 1976年5月25日
行程 2
公演数 第1期30
第2期27
全公演数57
ボブ・ディラン ツアー 年表
Bob Dylan and The Band 1974 Tour
(1974年)
ローリング・サンダーレヴュー
(1975/1976年)
World Tour 1978
(1978年)

ローリング・サンダー・レヴュー(Rolling Thunder Revue)は、1975年 - 1976年ボブ・ディランを中心としたミュージシャンらによって行われたライブツアーである。

概要[編集]

アメリカ建国200周年にあたる1975年、それを記念した催しがアメリカ国内で盛んに行われた。ボブ・ディランもその一環として、アメリカのルーツを辿りながらライブを行うツアーを計画した。そして、アルバム『欲望』(発売は翌年)の録音が完了した直後にツアーを開始した。なおツアーの名称は、ネイティブ・アメリカンにおいて祈祷師のような特殊な能力を有する人物「ローリングサンダー」に由来する。

このツアーには多くのミュージシャンなどが同行し、「グアム」というツアーバンドとして活動した。ディランのアルバム『欲望』に参加したロブ・ストーナー、スカーレット・リヴェラのほか、デヴィッド・ボウイと活動を共にしたギタリストとして知られるミック・ロンソン、ディランと長年親交のあるジャック・エリオットジョーン・バエズロジャー・マッギン、ボブ・ニューワース、キンキー・フリードマン、まだ若手であったTボーン・バーネット、デイヴィッド・マンスフィールド、スティーヴン・ソールズ、詩人のアレン・ギンズバーグなど、まさに大所帯でのツアーとなった。また、ロビー・ロバートソンリック・ダンコジョニ・ミッチェルパティ・スミス、リッチー・ヘブンズ、デニス・ホッパーなどのゲストが登場することもあった。

ライブ内容もディランだけでなく、「グアム」に参加しているミュージシャンのソロパフォーマンスも多く演奏され、ライブ時間は4時間にも及んだという。

その特異な趣向であったからか、予算を度外視したツアーだということや、60年代の理想を再現したなどと評されている。同時期に発生したパンク・ムーヴメントと併せて、商業化したロックへのアンチテーゼだったと評価する向きも多い。

このツアーは、第1期とされる1975年10月30日 - 12月8日の30公演と、第2期とされる1976年4月18日 - 5月25日の27公演の、2つの時期に分けて行われた。

第1期・1975年秋のツアー[編集]

バックステージにて、アレン・ギンズバーグ

アメリカのルーツといわれているマサチューセッツ州プリマスにてツアーを開始。この時期では、小会場を中心にライブを行い、前もって会場を決めず、巡業する中でその会場を手配していた。そのため聴衆には事前に会場を知らせず、直前になってからチラシやポスターなどを配布・掲出していた。

また、ほとんど即興芝居の形をとった映画『レナルド&クララ』の撮影がツアーと並行して行われ、脚本を依頼されたサム・シェパードもツアーに同行していた。この映画撮影に合わせるためか、この時期のディランは白塗りのメイクを施し、花を付けた帽子を被っていたのが特徴的である。

最終公演はニューヨークマディソン・スクエア・ガーデンで行われ、ルービン・カーター事件冤罪を訴える目的で『ナイト・オブ・ハリケーン』と題して行われた。

収録作品[編集]

第2期・1976年春のツアー[編集]

1976年5月1日公演のチケット

アルバム『欲望』が発売されて大ヒットを記録した後、昨年に引き続き『ナイト・オブ・ハリケーン2』が1月25日にテキサスで行われた。

そして、フロリダ州レイクランドにて第2期ツアーを開始。第1期とは変わって、この時期では大会場でもライブを行うようになった。演奏のアレンジも第1期と変わっている。しかし、ライブの評判が芳しくなく、チケットの売り上げが伸び悩んでしまった。

5月23日のコロラド州フォート・コリンズ公演では、ライブアルバムとNBCによるテレビスペシャルの収録が行われた。最終公演はその2日後に、ユタ州ソルトレイクシティで行われた。

収録作品[編集]

  • 激しい雨 - ライブ・アルバム
  • ボブ・ディラン ライブ・コンサート・スペシャル 激しい雨 - NBCテレビ番組(未ソフト化)
    • 4月22日のフロリダ州クリアウォーター公演もテレビ収録されており、NBCで放送される予定だったが中止された。

ツアー日程[編集]

1975年[編集]

1976年[編集]

ツアー終了後[編集]

第2期ツアー終了後の1976年9月には、『激しい雨』のライブアルバムが発売され、直後にテレビスペシャルも放映された(日本ではテレビスペシャルが翌年に放映)。放送前は、謎に包まれたツアーの放映ということもあって、テレビ雑誌でも表紙に取り上げられるなど期待されていたが、不評であった。

1978年には映画『レナルド&クララ』が公開された。最初は4時間の作品だったが、話の展開が理解しづらいなど不評であったため、2時間に短縮し再び公開。しかし評判は変わらず、まもなく公開打ち切りとなってしまった。同年にはサム・シェパードが書籍『ディランが街にやってきた』(現在は『ローリング・サンダー航海日誌』に改題)を発行。これはサム・シェパードの視点から書かれたツアーの記録である。

後々になってライブの模様を収録したブートレッグが大量に出回るようになった。そして、第1期ツアーのブートレグ音源から再編集した公式ライブアルバムが『ザ・ブートレッグ・シリーズ第5集』として2002年に発売され、ヒットとなった。しかし、その後もブートレッグは製作され続けている。

なお、このツアーをきっかけに、T・ボーン・バーネット、デイヴィッド・マンスフィールド、スティーヴン・ソールズはアルファバンドを結成。2枚のアルバムを発表した。