ローマ式敬礼
ローマ式敬礼(ローマしきけいれい)とは、ローマ帝国のローマ軍団の敬礼方式で、腕を前に真っ直ぐに伸ばし、手のひらを下にし、指先を伸ばす。腕を上げる角度にはいくつかのバリエーションがあり、あるものは水平である。後にファシズムのシンボルとして有名になり、「ナチス式敬礼」とも呼ばれるようになった。
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起源 [編集]
一般には古代ローマが起源とされるが、しかし古代ローマの当時の文献には記述が無く、ローマ美術の敬礼(挨拶)のジェスチャーとも相違がある。
1784年のジャック=ルイ・ダヴィッドの絵画が、このジェスチャーの最初の描写とされている。また、このジェスチャーは他のフランスの新古典主義でも古代ローマのシンボルとして描かれた。19世紀や20世紀初頭には、このジェスチャーは古代ローマでの敬礼として、映画などの大衆文化によって広まった。
アメリカ合衆国では忠誠の誓いとして、1892年より類似のジェスチャーであるベラミー敬礼も使用された。
ファシストによる採用 [編集]
このジェスチャーはイタリアの民族主義者であるガブリエーレ・ダンヌンツィオが脚本した映画Cabiriaで使用された。ダンヌンツィオの影響もあり、このジェスチャーはすぐに、ファシストのシンボルとして採用された。1923年にはムッソリーニ率いるイタリアのファシスト党に段階的に採用された。1926年にはドイツのナチス党が強制的に採用し、1933年にはナチスが権力を握ったドイツ国家でも採用された。また多数のファシストの映画などで使用された。
詳細は「ナチス式敬礼」を参照
第二次世界大戦後 [編集]
第二次世界大戦後は、このジェスチャーはドイツとオーストリアでは犯罪として禁止され、イタリアでも制限されている。一部のネオナチや極右勢力はこの法を逃れる方便として親指と人差し指、中指を折った3本指を前に翳す(Kühnengruß)ことで代用する例がみられる。このジェスチャーは古代ローマの映画での描写か、ネオナチなどネオファシストの意味合いで使用されている。1959年の映画『ベン・ハー』の中ではカエサルに対するローマ式敬礼が行われるシーンが描かれ、掛け声には「アウェ・カエサル」(ラテン語: Ave Caesar、「カエサル万歳」の意)を表す英語の「ヘイル・シーザー」(英: Hail Caesar) が使われた。
台湾(中華民国)では、公職者の就任宣誓でこの敬礼がとられている。また日本の高校野球などの宣誓でも、同様のジェスチャーが使用されている。