ロータリー交差点

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フロリダのコーラルゲーブルズen:DeSoto Fountainを中心とした円形交差点。
右側通行のヨーロッパ大陸側での、典型的な環状交差点での車の動きとウィンカーの出し方。

ロータリー交差点(ロータリーこうさてん)とは、交差点の一種で、中心の島の周囲を一方向に周回する方式のものをいう。円形交差点環状交差点とも。

概要[編集]

一般に信号機は設置されておらず、ロータリーに進入する車両は安全を確認して、進入可能な場合のみ進入する。

ヨーロッパ大陸の街々では、しばしば街の中心部に何かを記念するための円形の広場などが多く造られ、そこから放射状に道路が伸びていることが多く、こうした交差点は古くから多数存在しており、きわめて日常的な存在である。 世界的に見ると、「ラウンドアバウト」タイプ(英語では「ラウンドアバウト」と分類されるもの)の数が最も多い。近年[いつ?]イギリス連邦諸国などでもこの方式の利点が認められ、設置例が増えつつある。

欧米で普及している環状交差点[編集]

世界的に見てもっとも普及している環状交差点がラウンドアバウトである。

環状の流れにのっている車両の側に優先権があり、流入する車両のほうには減速と安全確認が求められる。一般に流入路や環状部に信号機は設置されておらず、外から進入してくる車両によって進行を妨害されることはない。

Gefahrenzeichen 3a.svg
Señalrotondaspain.svg
環状交差点が前方にあることを示すオーストリアの標識。 環状交差点が前方にあることを示すスペインの標識。 スペインで用いられている、環状環状交差点での優先権を示すための"R-402" 標識。
シャルル・ド・ゴール広場の環状交差点。大きくて、進入路が多数集中している。中心にある凱旋門へは、地下道を通ることでたどりつくことができる。

一般的に、環状交差点は慣れていて優先順位が身に付いていれば、流れにのって自分の思う方面へ進んでゆくことができ、運転がしやすいものである。

ただし、有名なパリシャルル・ド・ゴール広場の環状交差点は例外的で、特にサイズが大きく、またあまりに多数の進入路が集中していて、環状路内で回る車の台数も極端に多いため、日本人旅行者などこの交差点に不慣れな人々のあいだでは“運転の難所”などと書かれることもある。

日本での環状交差点[編集]

日本の警戒標識(201の2)ロータリーあり
ロータリー交差点(釧路市
ロータリー交差点(旭川常盤ロータリー旭川市))
ロータリー交差点(寿ロータリー豊岡市))
東海環状自動車道豊田藤岡インターチェンジ付近のロータリー交差点の案内標識

日本では鉄道駅の駅前広場に設置する例が多く、日本の主要道路では設置例が少ない。かつて、明治から大正時代にかけて、都心の交差点に数多く設置されていたが、昭和30年代以降の、高度経済成長によって、交通量の増加や、下に述べる欠点のため、一気に撤去が進んだためである。

利点と欠点[編集]

日本の道路交通法との兼ね合いもあり、以下のような利点・欠点がある。

利点[編集]

利点としては以下のものがあげられる。

  • 構造上、直交する交通が無く、またある程度通行速度を落とす必要があるため、事故率が低くなる。
  • 信号が無いため、錯綜する交通がなければ一時停止する必要が無い(ただし2013年の改正道路交通法では、進入する車に徐行義務がある[1])。また、信号の維持費がかからない。同様の理由で停電の影響も受けないため、大規模災害時でも交通が混乱しにくい[1]
  • (環状路を一周することで)Uターンが容易にできる。

欠点[編集]

欠点としては以下のものがあげられる。

  • 信号型交差点に比べ交通容量が小さいため、交通量の大きい交差点では渋滞が発生し、グリッドロックに陥る可能性がある。
  • 一般に必要面積が広く、用地の確保が困難な市街地では採用が難しい。
  • 自車両がどの方向に向かっているのか把握しづらく、交差点に慣れていないと道に迷う可能性が高くなる。

ラウンドアバウト[編集]

日本など左側通行でのラウンドアバウト(ロータリー交差点の一種)での自動車の流れ
吾妻町ロータリー(長野県飯田市[2]

日本では、ラウンドアバウトは、ロータリー交差点の利点を生かしつつ、欠点を改良したもの、とも考えられている。

日本の他のロータリー交差点との違い[編集]

日本の従来のロータリー交差点では、ロータリーに進入する車両に優先走行権があるため、ロータリーを還流している車両は進入する車両に譲らなくてはならず、[要出典]還流する交通が停滞し交通容量の低下の原因となっていた。そこで、優先度を逆にして還流側を優先とすることによって交通容量を確保し、さらに進入部に導流島を設置したり、進入側に一時停止や停止線を設けるなどの工夫で「還流側優先」を徹底している。

また、安全上の問題から2車線以上のロータリー還流部を設置することは難しいが、近年[いつ?]ではマジック・ラウンドアバウトと呼ばれる、大きなラウンドアバウトの中に小さなラウンドアバウトを複合した交差点も考案され、この問題を解決している。マジック・ラウンドアバウトはイギリスのスウィンドンなどに設置されている。

日本での現状[編集]

日本でもラウンドアバウトの利点を認め、設置を求める意見が増えつつある[3][4]。また、旭川市などロータリー交差点が設置されている箇所はあるものの、従来ロータリー内での道路交通法上の規則があいまいだったため、ラウンドアバウトとしての正しい運用がなされていない箇所も多く、その利点が生かしきれていないのが現状である。

長野県飯田市東和町交差点は、2013年2月5日より日本初の試みとして、従来設置されていた信号機を撤去したうえでラウンドアバウトとしての運用を開始した[5][6]

2013年6月14日公布の改正道路交通法において、環状交差点の通行方法が定義され、環道を通行中の車両が環道に流入する車より優先となる事となり、2014年9月1日より施行される[1]

変わった形のロータリー交差点[編集]

旧中之島ロータリー交差点(2003年3月)
  • 和歌山市にある中之島ロータリーはロータリー交差点と信号を兼用していた。平成21年1月から改修工事に着手し、当交差点は平成21年3月10日よりロータリー方式を廃止、右折専用レーンを増設するなど、大幅に改良された。これに伴い、名称が「中之島交差点」と改められ「ロータリー」の名前が消えた。
  • 東京都中央区に所在する箱崎ジャンクションには、箱崎パーキングエリアや複数の出入り口が併設されており、3方向に伸びる首都高速道路本線とそれらの施設を結ぶための箱崎ロータリーが設置されている。
  • 福島県本宮市にある国道4号戸崎ロータリー交差点はロータリーと名のつくものの、実態は立体交差する県道へのアプローチ道路と交わる単なる丁字路交差点である。

脚注[編集]

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関連項目[編集]

コロンバスサークル。ニューヨーク市。環状交差点としては珍しいタイプで、進入が信号でコントロールされている。また、珍しく歩行者が中心へと横断歩道でたどりつくことができるタイプ。