ロバート・J・ソウヤー

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ロバート・J・ソウヤー
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ロバート・J・ソウヤー(Robert J. Sawyer, 1960年4月29日 - )は、カナダSF作家であり、1999年に Ottawa Citizen紙に「カナダSF界の旗手」と評されている。自身は「ハードSF作家」と称しているが、一般的なハードSF作家よりも人間心理の描写に長けている。ソウヤーの作品はアーサー・C・クラーク的な(形而上学的・哲学的な)掘り下げが特徴である。ソウヤーはサイエンス・フィクションをアイデアの文学と捉えている。

彼はまた「カナダ生まれでカナダ在住の唯一のプロの専業SF作家」と自称している。

目次

[編集] 経歴

ロバート・ジェームズ・ソーヤーはオタワで生まれ、トロントで成長し、現在はオンタリオ州ミシサーガに在住。トロントライヤソン大学でラジオとテレビの芸術(Radio and Television Arts、RTA)を学び、1982年に卒業。同期には、ファンタジー作家として有名なタニア・ハフがいる。20年後、ソウヤーはSF作家としての国際的な活躍に対してライヤソン大学の卒業者賞を授与された。

ソウヤーは、数々の賞を受賞している。カナダではベストセラーの上位10作品リストの常連である。十二ヶ国語で翻訳されており(ブルガリア語、中国語、チェコ語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、ポーランド語、ロシア語、セルビア語、スペイン語)、各国で賞を受賞している(アメリカ、カナダ、フランス、日本、スペイン)。

ソウヤーの短編は Analog Science FictionAmazing StoriesOn Specといった雑誌やアンソロジーに発表されている。また、Robert J. Sawyer Books では編集も行っていて、トロント大学などでSF小説の書き方の講師も勤めている。The New York Review of Science Fiction にも寄稿しており、The Canadian Encyclopedia ではサイエンス・フィクションの専門家として協力している。1時間のドキュメンタリー番組 In the Mind of Robert J. Sawyer が 2003年1月8日にカナダのテレビ局で放送され、何度も再放送されている。また、カナダ放送協会が制作したドキュメンタリー The Planet of the Doctor ではイギリスのSFテレビ番組『ドクター・フー』をソウヤーが分析している。

2000年、ソウヤーはオンタリオ州リッチモンドヒルの図書館で常駐作家(Writer-in-Residence)として勤務していた。2003年、トロント図書館のメリル・コレクション(ジュディス・メリルが常駐作家だった1987年に集めたSFやファンタジーのコレクション)に関する常駐作家となった。2005年、オンタリオ州のワーテルロー地域の自治体は『ホミニッド』を推薦図書に選定し、2006年には同地域のキッチナー図書館で常駐作家に任命された。

ソウヤーは常にカナダのサイエンス・フィクションの代弁者である。彼はアメリカSFファンタジー作家協会(SFWA)のカナダ支部設立に尽力し、1992年に支部が設立されたときの責任者となった。1998年、SFWAの会長に立候補し、前会長のノーマン・スピンラッドを破って当選した。しかし彼の改革路線には反対の声が多く寄せられ、任期半ばで副会長のポール・レビンソンに会長の座を譲った。辞任の前にソウヤーが公約としていた投票が行われ、SFWAの細則や手続きが大きく変わった。特に入会条件が変更され、北米以外での本の売り上げやネット上での売り上げが考慮されるようになった。また、ネビュラ賞に最優秀脚本賞が創設された。

[編集] 作風

ソウヤーの文体はアイザック・アシモフ的な簡単で明快な散文として知られている。これは 1980年代に雑誌のノンフィクションライターとして活動していた経験が関係している。また、作中でポップカルチャーに言及することも多い(ソウヤーがオリジナルの『スタートレック』や『猿の惑星』を好きという点も見逃せない)。また、カナダを舞台にしたりカナダに言及した作品が多いのも特徴のひとつである。

ソウヤーの政治的姿勢は一般のカナダ人よりもリベラルであり、その傾向が現われた作品も書いている(The Hand You're DealtThe Right's)。彼はカナダとアメリカ両方の市民権を得ており、両国の政治に批判的であることでも知られている。作中ではアメリカ人がカナダを訪れる様子を描いたり(Mindscan)、逆にカナダ人がアメリカを訪れる様子を描いたりすることが多い(『フレームシフト』、『ホミニッド』、『ヒューマン』)。

ソウヤーの作品は科学と宗教の対立を描くことが多く、常に合理主義神秘主義に打ち勝つ(『ターミナル・エクスペリメント』、Calculation God、ネアンデルタール・パララックス三部作)。また古生物学に深い関心があることもキンタグリオ・シリーズや『さよならダイノサウルス』からうかがえる。また、Calculation Godの主人公は古生物学者だし、ネアンデルタール・パララックス三部作ではネアンデルタール人が消滅しなかったもうひとつの地球を描いている。

ソウヤーは、人間の意識をコピーしたりアップロードするというアイデアを使うことが多い(Mindscan、『ゴールデン・フリース』、『ターミナル・エクスペリメント』など)。また、量子力学(特に量子コンピュータ)に関心があり、Factoring Humanityや『ホミニッド』で扱っている。SETIは、『ゴールデン・フリース』、Factoring HumanityMindscanなどで登場する。

ソウヤーは『スタープレックス』で宇宙論も扱っている。実在の研究施設を設定として使用することも多く、TRIUMF(『さよならダイノサウルス』)、CERN(『フラッシュフォワード』)、王立オンタリオ博物館Calculating God)、サドベリー・ニュートリノ観測所(ネアンデルタール・パララックス三部作)などがある。

ソウヤーの作品にはSFとミステリーを融合したものもあり、短編 Just Like Old Times はカナダのSFの賞とミステリーの賞を同時に受賞した。『イリーガル・エイリアン』は異星人被告が登場する法廷劇である。『ホミニッド』では、ネアンデルタール人が別のネアンデルタール人を殺したことで裁判にかけられる。殺人事件が描かれた作品も多い(『ゴールデン・フリース』、Fossil Hunter、『フレームシフト』、『フラッシュフォワード』)。この背景にソウヤーがカナダの連邦司法省にコンサルタントとして勤務し、未来の遺伝学に対して法がどう対処すべきかについて調査していたことが上げられる。

ソウヤー作品のその他の特徴として主人公が致命的障害を抱えている点が挙げられる。『フレームシフト』の主人公はハンチントン病Calculating Godの主人公は肺癌、Mindscanの主人公は脳動静脈奇形を抱えている。それにも関わらず、ソウヤーの作品は明るい終わり方をするものが多い。

[編集] 作品

  • 『ゴールデン・フリース』Golden Fleece (1990年)
  • キンタグリオ・シリーズ:
  • 『さよならダイノサウルス』End of an Era (1994年)
  • 『ターミナル・エクスペリメント』The Terminal Experiment (1995年)
  • 『スタープレックス』Starplex (1996年)
  • 『フレームシフト』Frameshift (1997年)
  • 『イリーガル・エイリアン』Illegal Alien (1997年)
  • Factoring Humanity (1998年)
  • 『フラッシュフォワード』Flashforward (1999年)
  • Calculating God (2000年)
  • Iterations - 短編集 (2002年)
  • ネアンデルタール・パララックス三部作:
    • 『ホミニッド –原人–』Hominids (2002年)
    • 『ヒューマン –人類–』Humans (2003年)
    • 『ハイブリッド –新種–』Hybrids (2003年)
  • Relativity (2004年)
  • Mindscan (2005年)

[編集] 受賞歴

  • ヒューゴー賞
    • 『ホミニッド –原人–』
  • ネビュラ賞
    • 『ターミナル・エクスペリメント』
  • 星雲賞海外長編部門
    • 『さよならダイノサウルス』、『フレームシフト』、『イリーガル・エイリアン』
  • オーロラ賞(カナダのSF作家の作品に与えられる賞)
    • 『ゴールデン・フリース』、『ターミナル・エクスペリメント』、『スタープレックス』、『フラッシュフォワード』、Relativity

[編集] 外部リンク