ロバート・カーン
| ロバート・カーン | |
|---|---|
| 人物情報 | |
| 誕生 | 1938年12月23日(73歳) |
| 国籍 | |
| 学問 | |
| 研究分野 | 計算機科学 |
| 研究機関 | DARPA Corporation for National Research Initiatives |
| 母校 | ニューヨーク市立大学シティカレッジ(電気工学学士)、プリンストン大学(修士、博士) |
| 主な業績 | TCP/IP |
| 主な受賞歴 | アメリカ国家技術賞(1997) アストゥリアス皇太子賞(2002) チューリング賞(2004) 日本国際賞(2008) |
ロバート・エリオット・カーン(Robert Elliot Kahn、1938年12月23日 - )は、アメリカ合衆国の情報工学者。ヴィントン・サーフと共にインターネットのデータ転送技術の基盤となっているTCP/IPプロトコルを開発した。
目次 |
[編集] 初期の経歴
1960年にニューヨーク市立大学シティカレッジで電気工学の学士号を取得し、プリンストン大学で修士号(1962年)と博士号(1964年)を取得した。一時期ベル研究所に勤務した後、マサチューセッツ工科大学で電気工学の助教授となる。その後MITを離れ、BBNテクノロジーズに勤務するようになり、そこで世界初のパケット通信ネットワークであるアーパネットの詳細設計全体を統括するようになった。
1972年、国防高等研究計画局(DARPA)に移り、同年10月、International Computer Communication Conference で40種類のコンピュータをアーパネットで相互接続するデモンストレーションを行った。これがアーパネットを一般に公開した最初の機会である。DARPAのIPTO(Information Processing Techniques Office)のディレクターになり、米国政府の最大のコンピュータ研究開発プログラム Strategic Computing Program を開始させた。
[編集] インターネット
人工衛星パケットネットワークプロジェクトに従事しているとき、カーンは後のTransmission Control Protocol (TCP)となる基本的着想を得た。これは従来のアーパネットで使われていた NCP のネットワークプロトコルを置き換えることを指向したものであった。その研究を進めるうちにカーンはオープンアーキテクチャのネットワークの基礎作りに重要な役割を果たすようになった。オープンアーキテクチャのネットワークとは、各コンピュータのハードウェアやソフトウェアがどうであれ、あらゆるコンピュータを相互に接続して通信できるようなネットワークである。この目標を達成するため、TCPは以下のような特徴を持つよう設計された。
- ネットワークのごく一部に関して、パケットを転送するだけの特殊なコンピュータを通して通信できるようにする(当初ゲートウェイと呼ばれたが、現在ではルーターと呼ばれている)。
- ネットワークのどの部分も単一故障点とならないようにする。
- ネットワーク経由で送られる情報の断片には順序を示す番号を付与し、受け取った側で正しい順序で処理したり、情報の抜けを検出するのに使用する。
- 情報の送信側コンピュータは受信側から特別なパケットを受け取ることで正しく情報が受け取られたことを確認する。これを Acknowledgement(ACK) と称する。
- 送信途中の情報が失われた場合、それがタイムアウト(timeout)によって検出されると、情報は再送(retransmit)される。タイムアウトは一定時間 ACK が返ってこないことで発生する。
- 情報にはチェックサムを付与して内容の誤り検出を行う。チェックサムは送信側が付与し、最終受信者がチェックして途中で誤りが混入していないか確かめる。
ヴィントン・サーフは1973年春にカーンのプロジェクトに参加し、共同でTCPの最初のバージョンを完成させた。後にこれが二つの階層に分離され、下位層部分をInternet Protocol (IP)と呼ぶようになった。TCPとIPは合わせてTCP/IPと呼ばれ、インターネットの基盤となっている。
[編集] 最近の経歴
DARPAでの13年間の後、1986年に Corporation for National Research Initiatives (CNRI) を設立した。CNRIは非営利団体であり、アメリカの情報基盤に関する研究や開発に資金を提供している。
1993年、カーンは「情報システム技術の開発への技術的貢献とリーダーシップに対して」SIGCOMM Award を授与された。1997年にはアメリカ国家技術賞を受賞し、2002年にはアストゥリアス皇太子賞学術・技術研究部門を、また、2004年にはヴィントン・サーフと共に「インターネットの基本通信プロトコル……を含むネットワーク間接続の先駆的貢献と……ネットワーク全般でのリーダーシップに対して」チューリング賞を授与された。
2005年11月9日、カーンは大統領自由勲章を授与された[1]。
2008年、ヴィントン・サーフ博士と共に日本国際賞を授与された。受賞業績はインターネットのネットワーク設計概念と通信プロトコルの創成(共同受賞)
[編集] 外部リンク
- Biography of Robert E. Kahn CNRIのウェブサイトより
- Bio of Robert E. Kahn Living Internet より
- "Morning Edition" interview (NPR)
- "Nerd TV" interview (with Robert X. Cringley) - QuickTimeが必要
- Computer Networks: The Heralds of Resource Sharing, 1972年ごろのアーパネットに関するドキュメンタリー。カーンの注釈つき
- 日本国際賞(Japan Prize)受賞記念講演会動画 - 国際科学技術財団