ロケーションフリー

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ロケーションフリーテレビは、ソニーが販売する無線LANを搭載したテレビの名称。旧名はエアボード。なお「ロケーションフリー」はソニーの登録商標となっており、通称では呼び名が短縮され「ロケフリ」とも呼ばれている(公式ページでもこの呼称が使われている)。

目次

[編集] 概要

この製品は、映像信号をリアルタイムでMPEG-4あるいはMPEG-2に変換してIP(Internet Protocolパケットとして送信することで、テレビ放送をインターネットを介してリアルタイムで視聴できるという、それまでに存在しなかったカテゴリの商品である。2006年2月3日「経済産業省 第1回 ネットKADEN」大賞を受賞した。

2000年9月に「エアボード」として発表されて以降ラインナップが拡充され、LF-PK1、LF-PK20、LF-W1HDなどが販売されているが、現在では殆どが生産完了となっており、入手困難な状況となっている。2009年5月末時点で生産が続けられているのは、LF-PK20とその受信モニターであるLF-12MT1のみとなっている。

通常は「ロケーションフリーベースステーション」をインターネットADSLモデムブロードバンドルータ等)とテレビアンテナに接続して利用する。モニターとベースステーションが通信し、ユーザーはタッチパネルつきのモニターを操作する。モニターとベースステーションの相互ワイヤレス通信(IEEE 802.11a/b/g)により、ベースステーションとモニターが離れていても、当該無線LANの届く範囲内(自宅等)で、モニター上でテレビ番組(各種デジタル放送には対応していないが、下記AVマウスによりデジタルチューナーの視聴と操作が可能)やパソコン用Webサイトを閲覧・利用できる。端末に搭載するブラウザはSSLCookieに対応。インターネットショッピングも可能。LF-PK1がPSPをモニターとして使用できるようになったため、注目度が高まった。

[編集] ロケーションフリーベースステーション

外出先にロケーションフリーテレビを持ち出してもなお、インターネット経由でロケーションフリーベースステーションに接続することで、家庭内にあるAV機器(AVマウスに対応しているものに限られる)を赤外線で操作し、家庭内のHDDレコーダーに録画されたテレビ番組を視聴したりすることが可能な、「NetAV機能」を搭載している。

インターネットに接続できることを利用して、メール閲覧・送信、インターネットブラウザが可能。また、AVマウスはPSXやネットジュークなどの周辺機器も接続可能。

そしてロケーションフリーベースステーションLF-PK1、LF-PK20では対応ソフトであるLFA-PC2、LFA-PC20をパソコンにインストールすることにより、ノートパソコン等を、ロケーションフリーテレビの代わりにモニターとして使用できるほか、PSPもモニターとして使用できるようになった(Ver2.000~、無線LANアクセスポイント対応でインターネットブラウザも使用可能)。

さらに2006年11月には「ロケーションフリー TV ボックス LF-BOX1」が、さらに「ロケーションフリー 液晶モニター LF-12MT1」がロケーションフリーベースステーションLF-PK1、LF-PK20向けに発売され、ラインナップの幅が大きく広がった。

また、外出先でのインターネット接続にも無線LANを利用すれば、自宅と外出先でほぼシームレスな「NetAV機能」の環境を利用できる。

[編集] ラインナップと特長

  • LF-PK1(生産完了)
内蔵のワイヤレスLAN機能を用いて、自宅のテレビやDVDレコーダーの映像を、PSPや受信ソフトLFA-PC2をインストールしたパソコン[1]にてワイヤレス受信が可能。
  • LF-PK20
LF-PK1をバージョンアップしたもの。本体にテレビアンテナ線とネット回線を接続すると、インターネットに接続できる環境があれば、全世界どこでも外出先で自宅のテレビの受信が可能となる。外出先にて受信の際は受信ソフトLFA-PC20をインストールしたパソコン[1]が必要となる。現在も生産が続けられているが、地上アナログ放送チューナーのみの搭載となっているため、本機単体では地上デジタル放送の受信は不能[2]
  • LF-W1HD(生産完了)
「ロケフリHome HD」と銘打っており、従来品ではできなかった、ワイヤレスでハイビジョン、地上デジタル放送が受信可能。送信機と受信機がセットになっており、自宅で観たい場所に地デジ対応機器(チューナー・テレビ)がなくても、受信機を接続するだけでハイビジョンなどが視聴できる。但しこの製品にはネット接続の機能はなく、外出先での視聴は不可となっている。
  • LF-12MT1
ロケフリ液晶モニター。画面はタッチパネルを採用した12.1V型サイズ。ワイヤレスLANを搭載しており、公衆無線LANやワイヤレスルータと接続可能で、インターネットを楽しむことも可能。

[編集] ロケーションフリーと著作権法、判例

ロケフリについては著作権法との関係で、放送局等の権利者が持つ送信可能化権を侵害しているとの意見と、侵害には当らないとの意見がある。後者は、そもそも目的および実態が個人的な視聴であるため、送信可能化権の前提条件となる「公衆送信」(公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信を行うこと(抄))または「自動公衆送信」(公衆送信のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うもの(放送又は有線放送に該当するものを除く。)(抄))に該当しないという論旨である。

一部企業は、ロケフリ利用者からベース機器を日本国内で預かり、海外等に設置した子機からこれにアクセスさせる(国内放送を海外等から視聴可能とする)サービスを提供した。これを公衆送信権と送信可能化権の侵害と看做す権利者がサービス差し止めを求めて仮処分の申立と提訴を行ったが、2008年現在、権利者側の主張は東京地裁及び知財高裁により全て棄却され、「公衆送信に当らない」としてロケフリの適法性が認められている。この間の経緯は次の通り。


磯崎哲也(カブドットコム証券株式会社 社外取締役 監査委員、株式会社ミクシィ 社外監査役)のブログ「イソログ」に、ロケーションフリーに関する法律の観点からの記事「コンテンツと国境」が掲載された。

[編集] その他

通信と放送の融合を実現しているとも言われるワンセグと並ぶほど、エポックメイキングといえる商品が「ロケーションフリー」だが、従来にない仕組みや使用環境と、ダイナミックDNSという固有のIPアドレスに関わる制限からか、一般的な消費者への認知度はそれほど高いとはいえない。

だが、この製品の持つポテンシャルを理解する層では、大きな反響を起こしてるのも事実で、発売日2005年10月1日から1週間の楽天での家電売り上げのトップを記録し、開発者の前田悟が「テレビ局の海外支局でも配備されている」とソニースタイルサイト内で語っていることからも、一部では大きく受け入れられていると考えられる。

更に、ソニーとしてもこの商品の持つ潜在的な力の大きさを理解している模様で、戦略的な位置づけとして本格的な動きが加速している。PSPへの対応はもとより、以前から話があった携帯電話への対応を準備していると、正式に2006年2月11日に産経新聞に掲載された。この携帯電話でのテレビ視聴は、事実上ワンセグと全く違うアプローチで競合する為、現在のワンセグ一色の現状は、甚大なマイナス要因と考えられる。この点に関しては、殆どメディアに露出していないため全く知られていない。

さらに2006年5月18日には、加賀電子ACCESSに対しロケーションフリーの関連技術をライセンス供与すると発表、これを受けて加賀電子はMac OS X版の、ACCESSはPDA向けの、ロケーションフリー対応ソフトNetFront Location Free Playerを発売すると発表した。これにより、これまではWindowsとPSPだけだったロケーションフリー視聴環境がMac OS X、PDA、携帯電話へとさらに拡大することとなる。

NTT東日本がソニーからのOEM供給を受け、NTTブランドで同製品を販売すると、日経ビジネス2006年3月13日号に掲載された。NTT東日本が販売するものにはNTTのロゴマークがある。

「2006インターナショナルCES」の基調講演で、SONY会長兼CEOハワード・ストリンガーはロケーションフリーについてふれ「東京で英国のテレビが見られる」と発言した。

ソニーサイトでは製品一覧のカテゴリトップに、まだ商品点数も少ないこの「ロケーションフリー」を掲載している。

ソニー テレビ・ビデオ事業本部 LFX事業室 事業室長の前田悟は、日経エレクトロニクスのサイト(2006/05/18 23:34掲載)にて、「現在も、10社以上とロケーションフリーのライセンス提供について話をしている。ソニー自身も2006年内に対応製品をいくつか発表する」と話している。

アイ・オー・データ伊藤忠商事が米Sling Media「Slingbox」を国内販売すると6月23日発表。このSlingboxは、インターネットを経由して自宅のテレビやビデオを外出先で見ることができるという機器。いわゆるロケフリの米国版。アメリカ本国ではロケフリのLF-PK1以上の人気があるという。

パソコン周辺機器メーカー「ノバック」は7月7日より、スカイプを利用した「どこでもTV for Skype」を発売した。

[編集] 脚注

  1. ^ a b OSWindowsに限る。
  2. ^ 外部入力端子に地上デジタル放送対応チューナーを接続することで地上デジタル放送の視聴も可能となるが、画質はアナログ並みとなる。
  3. ^ ITmedia (2006-08-07). "ロケフリ利用の遠隔視聴サービス、中止求めるテレビ局の申し立て却下". 2008-06-23 閲覧。
  4. ^ ITmedia (2006-12-22). "ロケフリ利用の遠隔視聴サービス、知財高裁も適法と判断". 2008-06-23 閲覧。
  5. ^ INTERNET Watch (2008-06-23). "「まねきTV」は適法、東京地裁がテレビ局側の請求棄却". 2008-06-23 閲覧。
  6. ^ ITmedia News (2008-12-16). "「まねきTV」は適法 知財高裁、テレビ局側の控訴を棄却". 2008-12-17 閲覧。

[編集] 外部リンク

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