ロキソプロフェン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ロキソプロフェン
Loxoprofen.svg
Loxoprofen 3D.png
IUPAC命名法による物質名
(RS)-2-{4-[(2-oxocyclopentyl)methyl]phenyl}propanoic acid
臨床データ
法的規制
  • Red Stripe(ブラジル)
投与方法 経口、経皮貼布
薬物動態的データ
血漿タンパク結合 97%
代謝 肝臓 グルコヌリド化
半減期 75分
排泄 腎臓
識別
CAS番号 68767-14-6
ATCコード M01AE
PubChem CID 3965
KEGG D08149
化学的データ
化学式 C15H18O3 
分子量 246.302g/mol
304.314 g/mol(ナトリウム塩)
ロキソニン60mg錠(第一三共)
ロキソニンS錠(第一三共ヘルスケア)

ロキソプロフェン(loxoprofen)は、プロピオン酸系の消炎・鎮痛剤。先発品として、ナトリウム塩が「ロキソニン」(Loxonin)の商品名で、第一三共が提供しているほか、後発医薬品として各社から発売されている。

概要[編集]

プロドラッグであり、体内ですみやかに活性の高いtrans-OH型に変換される。発熱炎症を引き起こす原因となるプロスタグランジン生合成を抑制することで炎症を鎮め、腫れの抑え、鎮痛、解熱作用などを示す。薬理的にはプロスタグランジンの合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することによる。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種で、鎮痛作用が強く消化器への副作用が少ないのが特徴である。

現在日本で最も使用されている抗炎症薬である。

消化管障害に関するアップデートされた報告[編集]

NSAID服用による消化管障害はよく知られているが、このほど、本剤の胃・十二指腸潰瘍の発現率に関する国内臨床データが発表された[1]


対象と方法:40~74歳の健康成人に対し(試験前に内視鏡検査で胃・十二指腸潰瘍がないことが確認されている)、COX-2選択的阻害薬であるセレコキシブ bidとロキソプロフェン tid、およびプラセボを2週間投与し、投与終了後、内視鏡検査を実施し、胃・十二指腸潰瘍発現率について検討した。


結果:内視鏡で確認された胃・十二指腸潰瘍の発現率

セレコキシブbid群→1.4%(1/74例)
ロキソプロフェンtid群→27.6%(21/76例)
プラセボ群→2.7%(1/37例)

セレコキシブ群はロキソプロフェン群よりも、胃・十二指腸潰瘍の発現率が有意に低く(p<0.0001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)、プラセボ群と同程度であった。


結論:この試験では、対象が健康成人であること、試験期間が短期であるという限界はあるものの、胃・十二指腸潰瘍発現率に関して、セレコキシブはロキソプロフェンに対する優越性が認められた。副作用に関しては、セレコキシブ群が31.6%(24/76例)、ロキソプロフェン群が50.0%(38/76例)、プラセボ群が18.9%(7/37例)であった。各副作用の重症度はいずれも低かった。

適用[編集]

変形性関節症、慢性関節リウマチ頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、筋肉痛腰痛、急性上気道炎、歯痛手術後の鎮痛[2]

種類・薬価[編集]

種類としては以下の通り、内服薬(錠剤散剤・液剤)と貼付剤がある。

従来は医療用医薬品のみであったが、市販薬へのスイッチOTCが認められ、2011年1月21日にはロキソプロフェンを含有した解熱鎮痛薬「ロキソニンS」(第1類医薬品)が発売され、薬局で自分で購入することが可能になった[3]。なお、第1類医薬品であるので、購入時には必ず薬剤師がいる薬局での相談が必要となる[4]

医療用医薬品[編集]

  • ロキソニン60mg錠 23.3円(1錠)
  • オロロックス内服液0.6% 3.0円(1ml)
  • ロキソニンパップ100mg 50.8円(1枚)
  • ロキソニンテープ50mg 33.0円(1枚)
  • ロキソニンテープ100mg 50.8円(1枚)

後発医薬品[編集]

  • ロキソプロフェンNa 錠60mg「YD」(旧:リンゲリーズ錠60mg) 7.8円(1錠)…陽進堂製造
  • ロキソプロフェンナトリウム錠60mg「CH」 5.6円(1錠)…長生堂製薬製造・日本ジェネリック販売
  • ロキソプロフェンNa 60mg「サワイ」…沢井製薬製造

一般用医薬品[編集]

  • ロキソニンS(第1類医薬品)12錠 680円(税込)[5]

用法[編集]

  • 医療用医薬品の内服薬は食後に服用。
  • 1回60mg、原則として1日3回。(急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)の場合は1日2回/1日最大180mgを限度とする。)
  • 1日180mgが限度[2]
  • 医療用医薬品の貼付剤は1日1回貼付。
  • 一般用医薬品の内服薬は1回1錠、2回まで[5]

禁忌事項[編集]

一般的注意・副作用[編集]


報告されている副作用[編集]

一般的な副作用は次の通りである:吐き気、消化不良、消化器潰瘍・出血肝臓酵素増大、下痢、ふらつき、塩および体液停留、高血圧[2]

まれな副作用は次の通りである:食道潰瘍、心不全高カリウム血症、腎臓障害、昏迷、気管支痙攣、発疹[2]

脚注・注釈[編集]

  1. ^ Sakamoto, C. et al.: Aliment Pharmacol Ther 37(3): 346-54, 2013
  2. ^ a b c d e f g h i j k 厚生労働省 医療用医薬品添付文書情報 - ロキソニン 2012年7月21日 閲覧(2011年8月12日時点のアーカイブ
  3. ^ “頭痛、生理痛薬に「大型新人」 医療用から「寡占市場」に参入”. J-CASTニュース. http://www.j-cast.com/2011/01/18085710.html 2011年1月19日閲覧。 
  4. ^ そのため、薬剤師薬局にいない場合は、購入が不可能である。
  5. ^ a b “ロキソニンS製品情報” (プレスリリース), 第一三共ヘルスケア, http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/product/ 2011年1月19日閲覧。 

関連項目[編集]