レーニン (原子力砕氷艦)

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レーニンЛенин)とは、ソビエト連邦(現在のロシア)が1957年に進水させた世界初の原子力砕氷艦(船)原子力船)である。

艦名は、ソ連の指導者ウラジーミル・レーニンに因んだものであった。

概略[編集]

ソ連郵政当局が発行したレーニン切手の初日カバー(1978年発行)
ムルマンスクに係留されているレーニン(2009年)

砕氷艦は強力な推進力と長大な航続性能を要求されるため、ほぼ無限の航続力のある原子力船に適任であった。レーニンでは原子炉で蒸気を発生させ、その蒸気で発電し電気モーターでスクリューを回転させ推進する原子力電気推進方式を採用していた。またヘリコプター1機も搭載されていた。

最初に搭載されたOK-150原子炉は、ソ連初の原子力潜水艦であるノヴェンバー型原子力潜水艦に搭載されたVM-A加圧水型原子炉と同型であった。この型には一次冷却水が漏れた際の緊急冷却システムなどが無く、一次冷却水システムが故障した際はすぐにメルトダウンする恐れがある、安全性に問題がある原子炉だった。実際にレーニンの原子炉でも、1965年2月に原子炉の冷却水が失われる原子炉事故が発生した。この事故は炉心溶解寸前の深刻な事態であり乗組員が多数犠牲になるなどの大きなダメージを受けた。

事故を引き起こした原子炉は1967年北極海ノヴァヤゼムリャ付近の海域に投棄処分した。この事故を機にレーニンは大改装が行われ原子炉が新型に交換された。これらの工事は1970年春までに完了したが、事故の詳細が明らかになったのはソ連崩壊以後のことであった。この事故の影響で、レーニンは1966年から1972年まで任務から離れていた。

1959年の就役以後、レーニンは北極海航路確保に活躍したが、外壁の磨耗による老朽化を理由に1989年に退役し、母港のムルマンスクに係留されて2005年からは博物館船となっている。ソ連およびロシアではレーニン以外にも多数の原子力砕氷艦を建造しており、現在も何隻かが現役である。

スペック[編集]

  • 全長: 134 m
  • 高さ: 27.6 m
  • サイドの高さ: 16.1 m
  • 重量 (バラストなし): 16,000 t
  • 速度: 18 ノット (33 km/h)
  • 主機: OK-150原子炉(出力90メガワット)3基(新造時)OK-900原子炉(出力171メガワット)2基(改装時)
  • 推進力: 44,000 馬力 (32.4 MW)

原子力砕氷艦レーニン号を扱った作品[編集]

外部リンク[編集]