レトロニム一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

これはレトロニムの一覧である。「レトロニム」とは旧来からある「もの」や「概念」が、新たに誕生した同種の区別されるべきものの登場により、区別されるために用いられる「新たな表現や用語」のことである。

名詞[編集]

英数字[編集]

SOHC 
(Single OverHead Camshaft)

レシプロエンジンの弁駆動方式の一種でクランクシャフトの回転をチェーンやベルト、時にギアトレインでエンジンヘッドにあるカムシャフトに伝え、ロッカーアームを介して吸排気弁の開閉を行う方式。 DOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)方式が開発されるまでは単にOHC(オーバー・ヘッド・カムシャフト)と呼ばれていた。

2次元コンピュータグラフィックス 

3次元コンピュータグラフィックスが広く使われるに至って、3次元の表現を用いないものを区別する言葉が生じた。

あ行[編集]

アコースティック・ギター 

エレクトリック・ギターが広く使われるようになったため生じたレトロニム。

アナログ 

デジタルのものが現れたのち、デジタルでないものを区別する必要が生じた。アナログ時計アナログ放送など。アナログを「古いもの」と誤った解釈をし「時代遅れな,古風な」の意への誤用が散見される。例:アナログ人間

イギリス英語 

アメリカ英語などイギリス国外で話される英語の役割が大きくなるにつれ、イギリス本国の英語を指す言葉が広まった。

一次電池 

充電が可能な二次電池に対し、放電のみが可能な電池を指す。

永久磁石 

電磁石が見出されるまでは、磁石を区別する必要がなかった。

オフライン 

オンラインでの情報伝達が広まった結果、オンラインでない情報伝達を区別する必要が生じた。

か行[編集]

可視光 

紫外線赤外線などの存在が知られたことによって生じた区別。

機械式腕時計 

クォーツ時計が発明されるまでは、機械式と区別する必要はなかった。

旧世界 

新世界に対するレトロニム。

旧約聖書 

新約聖書と区別するために生まれた表現。

共通鍵暗号 

公開鍵暗号方式が登場したため、従来の方式を区別する必要が生じた。当初は、秘密鍵暗号方式と呼ばれた。

光学ズーム 

デジタルズーム機能がデジタルカメラ等に広まったために区別する必要が生じた。

黒色火薬 

無煙火薬が発明され普及したため、それ以前の火薬を区別して称した。

固定回線 

携帯電話などワイヤレス通信の普及に伴って、旧来の電話回線を区別するために広まった言葉。

さ行[編集]

サイレント映画 

トーキー(発声映画)が広がるまでは、無声映画であることが当然だった。

在来線 

新幹線の開業により、はじめて区別の必要が生じた。

自然言語 

人工言語形式言語に対するレトロニム。

実数 

虚数が見出されたことによるレトロニム。

小アジア 

アジアの地理的概念が広がる前には単にアジアと呼ばれていた地域。

白黒テレビ 

カラーテレビが始まったため、それ以前のテレビを区別して称した。

セルアニメ 

デジタルアニメが広がったことによるレトロニム。

前弩級戦艦 

弩級戦艦が時代を画したため、それ以前の世代の戦艦を区別するための称。

た行[編集]

第一次世界大戦 

第二次世界大戦が起こる前は「世界大戦争」と呼ばれていた。

地上波放送 

衛星放送と区別するために生まれたレトロニム。

手続き型プログラミング 

オブジェクト指向プログラミングが広まるまでは単にプログラミングと呼べた。

な行[編集]

は行[編集]

ハードカバー 

ペーパーバックに対するレトロニム。

ハードディスク 

フロッピーディスクの発明・普及に伴って、それまでのディスク保存装置を区別するために生まれたレトロニム。

パイプオルガン 

リードオルガンが広まったことに対するレトロニム。

繁体字 

中華人民共和国簡体字1950年代に制定したため、従来の漢字の字体を区別する必要が生じた。

フィーチャー・フォン 

携帯電話のうち、スマートフォンが普及するにつれ、従来の携帯電話を区別するために用いられている。

フィルムカメラ 

デジタルカメラの普及に伴い、デジタルでないカメラを指す必要が生じた。

プロペラ機 

ジェット機の普及までは、大半の航空機がプロペラ推進であり区別の必要がなかった。

プレーンテキスト 

Rich Text FormatHyperText Markup Languageなどのスタイル付きテキストが広まったため、スタイル等の負荷情報が含まれないテキスト情報を区別する必要が生じた。

ホットチョコレート 

硬いチョコレートが発明される以前はチョコレートとは暖かい飲み物のことを指した[1]

ま行[編集]

マニュアルトランスミッション 

オートマチックトランスミッションが開発されたため、自動化されていないものを指す言葉として生まれた。マニュアル車をミッション車と誤った呼び方をされる事がある。

や行[編集]

ら行[編集]

ライブ 

音楽を記録する技術が生まれるまでは、全ての音楽はライブだったので区別する必要がなかった。

リアル店舗 

インターネット上の店舗が広まったため、物理的な店舗を区別して称する必要が生じた。

レギュラーコーヒー 

インスタントコーヒー缶コーヒーが広まったため、旧来のコーヒーを指す言葉として広まった。

レッサーパンダ 

初めはレッサーパンダは単に「パンダ」と呼ばれていたが、後にジャイアントパンダが発見されて有名になると、単に「パンダ」といった場合はジャイアントパンダの方を指すようになってしまった。このため、従来のパンダの方はレッサーパンダと呼ぶようになった[2]

わ行[編集]

地名[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Some dictionaries however, still define "chocolate" as a drink as one of the definitions. American Heritage Dictionary entry for "chocolate"
  2. ^ 「ボクが元祖!!」レッサーパンダ : 動物たちのヒミツ箱 : 初めてのこだわり : 新おとな総研 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) YOMIURI ONLINE(読売新聞) 2011年06月22日付(2011年6月22日付読売新聞の記事より) 2013年8月11日閲覧