レッド・デジタル・シネマカメラ・カンパニー

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レッド・デジタル・シネマカメラ・カンパニー
企業形態 Private
業種 デジタル映画
設立 1999年
本部 アメリカ合衆国、カリフォルニア州、レイクフォレスト
代表者等 Jim Jannard
Jarred Land
Ted Schilowitz
製品 Red One, Epic, Scarlet カメラ
所有者 Jim Jannard
ウェブサイト www.red.com

レッド・デジタル・シネマカメラ・カンパニーRed Digital Cinema Camera Company )は2005年設立。米カリフォルニア州レイク・フォレスト市に本社を置き、レッド・ワンRed One )と呼ばれるデジタルビデオカメラの開発会社である。

  • シネマカメラは解像度が4520×2540に達するスーパー35大のCMOSイメージセンサを用いる。価格は17500ドル、低予算で高解像度のデジタルシネマの製作会社向けを想定している。全米放送事業者協会(NAB)(2008年4月開催)ではその全貌が明らかになった。
  • レッド・デジタル・シネマカメラ・カンパニーは1999年、スポーツ・サングラスメーカーのオークリーの創業者であり、無類のカメラ蒐集家でもあったジム・ジャナードにより設立された。ジャナードは2007年11月にイタリアに本社を置く世界最大の眼鏡メーカー、ルクソティカにオークリーを約2,000億円で売却。「余生はデジタルカメラビジネスに集中する」と公言している。
  • 2013年8月19日、創業者のジム・ジャナード氏が引退を表明。

概要[編集]

レッド・デジタル・シネマカメラ・カンパニーの主力商品が「RED」シリーズのデジタルシネマカメラである。このカメラは最低スペックとして4K DCI(4096x2160)のデジタルシネマ規格に対応している事が最大の特徴である。発売当初、この画質をREDと同価格で得る方法は皆無であり、発売と同時に主に映画作品において重用されている。

ジム・ジャナードはREDを「Digital Still and Motion Camera」というコンセプトの元開発しており、REDが撮影する映像は「動画ファイル」ではなく「秒24コマ以上で連続撮影される高解像度の静止RAW画像ファイル」であるとしている。この考え方は従来のシネマカメラよりもフィルムカメラに近いコンセプトであり、また撮影するものは純然たる静止圧縮RAW画像である為、ポスター広告などのグラフィックに対して使用する事も想定されている。

RAW画像とは本来センサーが捉えた画を無圧縮のまま記録した画像を指すが、REDのRAWは1/3~1/18の範囲で圧縮をかけており非圧縮ファイルに対して比較的データの取り扱いが容易になっている。しかしそれでも800メガピクセル以上の静止画を高速連続処理するため、編集には相応のスペックを持つ高性能コンピュータが必要になる。また、RAW画像自体はセンサーが受けた画をそのまま無加工で記録している為、このまま映像を放送・上映する事は出来ず、「現像」過程が必要になってくる。この過程で映像を高品質な物にする事もできるが、反面テープメディア時代のカメラのように即編集・放送といった利便性には欠ける、まさに「映画の為のカメラ」である。

2013年末時点で、主力製品であるRED EPICには「Dragon」という6K解像度にまで対応した最新型CMOSセンサーが使用されている。最大解像度で撮影する事でマスターが4Kという高解像度でもほぼ劣化する事無く編集でリフレーミングといった加工を自由に行う事が出来る。

技術上の仕様[編集]

撮像素子[編集]

撮像素子は画角24.4mmx13.7mm、1200万画素のCMOS(ブランド名:Mysterium)を使用している。ダイナミックレンジは66dB以下である。Mysterium撮像素子は画角がスーパー35フィルムと同じなので35mmフィルム式シネマカメラ向けのレンズが使用できる。

カメラは同様に窓モードで使用することもできる。スーパー16の画角をエミュレートする事ができる。

記録フォーマット[編集]

記録フォーマットは(4520x2540画素、プログレッシブスキャンの場合)、4K RAW RedCode, 4K RAW 2:1 RedCode, 2K RAW RedCodeで記録される。

フレームレート サポートされる解像度
1 – 60 fps (可変) 2540p RAW (RAW ポートオプション) 廃止 (作業行程で代替)
1 – 30 fps (可変) 4K RAW, 4K 2:1 (windowed とRedCode コーデックを使用)
1 – 120 fps (可変) 2K RAW (windowed とRedCode コーデックを使用)
23.98, 24, 25, 29.97, 30, 50, 59.94, 60 fps すべてのフォーマットは12ビットリニア非圧縮または圧縮されたRAWである。

レッド・ワンは標準画質での撮影は行わない。高解像度で撮影すれば編集段階で解像度を標準画質に変換できるが逆は出来ないからである。

画面サイズ 百万画素 縦横比 最大フレーム/秒 24fpsでのREDCODE 最大fpsでのREDCODE
4.5K 4480 1920 8.6 2.33:1 30 8:1 8:1
4K 16:9 4096 2304 9.4 1.78:1 30 8:1 8:1
4K 4096 2048 8.4 2:1 30 8:1 8:1
4K HD 3840 2160 8.3 1.78:1 30 8:1 8:1
4K ANA 2816 2304 6.5 2.44:1 30 8:1 8:1
3K 3072 1728 5.3 1.78:1 60 8:1 8:1
3K 3072 1536 4.7 2:1 60 8:1 8:1
3K ANA 2112 1728 3.8 2.44:1 60 8:1 8:1
2K 2048 1152 2.4 1.78:1 120 8:1 8:1
2K 2048 1024 2.1 2:1 120 8:1 8:1
2K ANA 1408 1152 1.6 2.44:1 120 8:1 8:1

圧縮行程[編集]

RAWで記録した場合、毎秒24フレームのデータ量は1760Mbps(220メガバイト/秒)に達する。データ量が膨大になるのでリアルタイムで圧縮する。

音声[編集]

現在の所、音声は12.4チャンネル、非圧縮、24ビット、48KHzである。

レンズとレンズマウント[編集]

  • レッド・ワン・カメラは標準的にはArri PLのレンズ規格に準拠。キヤノンニコンのレンズマウントにも対応できる選択肢も用意されている(サードパーティ製アダプタを使う場合を含む)。

レッド・レイ・プロジェクターシステム[編集]

レッド・レイ・プロジェクターは2012年のNABで発表された。レッド・レイ・プロジェクターシステムは3つの部品で構成される。:レッド・レイ・プロプレイヤー、レッド・レイ・プロジェクター・レーザーモジュールとレッド・レイ・プロジェクターである。プロジェクターの名称は4Kの動画を毎秒10-15メガビットで映画の投影に充分な画質で圧縮する圧縮アルゴリズムであるレッド・レイ・コーデックに由来する。コーデックの当初の用途は4Kの映像をブルーレイ化してDVDの流通網で流通出来るようにする事だった。

レッド・レイ・プロジェクターは3Dの4K映像を毎秒120フレームで表示できる能力を有する。光源であるレーザーモジュールを分離することによってファンによって冷却を必要とする発熱部を映写室外に設置できるようになった。複数のレーザーモジュールを使用する事によって異なる映写幕の大きさに対応できる。1台のレーザーモジュールで最大15フィートの映写幕に対応できる。試作機は同様にカメラシステムと共に販売される同じレッド・プロ・プライムレンズ群を使用する。

2012年末にレッド・レイ・プレイヤーデジタルコンテントサーバー込みで$10,000以下で出荷された。レッドは同様により高品質の3D互換の映写幕の販売を提案している。

その他の製品[編集]

レンズ[編集]

独自ブランドのPLマウントの独自の短焦点とズームレンズを販売する。これらのレンズの画角はエピックとフィルムカメラの撮像素子または画角を満たす。

名称 焦点距離 t-ストップ 重量
レッド・プロ・プライム 18mm 1.8 6.45 lbs
レッド・プロ・プライム 25mm 1.8 6.16 lbs
レッド・プロ・プライム 35mm 1.8 6.07 lbs
レッド・プロ・プライム 50mm 1.8 4.53 lbs
レッド・プロ・プライム 85mm 1.8 4.2 lbs
レッド・プロ・プライム 100mm 1.8 4.39 lbs
レッド・プロ・プライム 300mm 2.9 5.67 lbs
レッド・プロ・ズーム 17-50mm 2.9 3.2 lbs
レッド・プロ・ズーム 18-85mm 2.9 9.9 lbs

As of 3/1/12 the 50mm is no longer for sale from RED

In Q1 of 2010, the 18–50 mm t/2.9 zoom was replaced by a 17–50 mm t/2.9 zoom. 2010年1月14日焦点距離35mm, 50mm 85mm 100mm でt/2.4の非球面レンズの開発が発表された。 [1] 2010年10月20日、Jarred Landそれらのレンズはまだ開発中であると認めた。[2]

表示装置[編集]

カメラ上に設置する確認用のオプションが入手可能である。

名称 大きさ 解像度 ppi タッチスクリーン
BOMB EVF n.a. 1280x784 n.a. no
RED TOUCH 5.0" LCD 5" 800x480 187 yes
RED TOUCH 9.0" LCD 9" 1280x784 187 yes
RED PRO LCD (7") 7" 1024x600 170 no
RED LCD (5.6") 5.6" 1024x600 212 no

記録媒体[編集]

レッドカメラはRedcodeデータファイルを機械的なハードディスクやフラッシュメモリーによるデジタル記録で記録する。エピックとスカーレットはRedmag SSDのみに記録できる。

レッド・ドライブは2台のRAID 0仕様の2.5 インチハードディスクで構成されるデジタルマガジンを基にした640 GBの外部ハードディスクである。REDCODEの圧縮比に依存するが4Kの画質で2時間以上記録可能である。レッドドライブは通常、カメラのロッドサポートシステムに装荷するクレードル内に収められる。専用の接続端子を介してカメラに接続され、カメラと記録装置間はSATA標準プロトコルが通信に使用される。記録装置はFireWire 800, FireWire 400 と USB 2.0ポートを持ち、外部ハードディスクを増設できる。2010年に廃盤になった。

現在のRed-RAM記録装置はより長時間の記録をコンパクトフラッシュカード(レッドブランドのコンパクトフラッシュカードは8と16Gbが入手できる)や廃盤になった機械的なハードディスクによる記録装置よりも長時間記録することを企図する。

RedMags と RedMagミニ はレッド社が販売する最新で唯一の公式にサポートするDSMC系列の記録媒体である。

SSDカードは転送速度に応じて色分けされている。

以下のサイズが入手可能である:

大きさ MB/s 入手性
48GB 112 灰色 入手可
64GB 225 入手可
128GB 225 入手可
256GB 225 入手可
512GB 450 入手可
ミニ n/a 入手不可

バッテリー[編集]

レッドボルトバッテリーは30Whの容量でDSMCシステム専用に設計された。これらはDSLRバッテリーの側面のハンドルに内蔵したり後部のバッテリーホルダーに設置できる。

本機で撮影された劇場公開映画[編集]

洋画
邦画

2014年現在、100本以上の劇場用映画が本機で撮影されている。

本機で撮影された映像作品[編集]

競合社[編集]

レッドの登場以降、ソニーやアリに代表される多くの競合企業は対抗機種を相次いで発売している。

競合機種の性能は様々であり、高解像度には至らないものの広いダイナミックレンジを誇る機種やレッド以上の解像度で撮影出来る機種も発売されている。以下はその一例である。

姉妹機[編集]

  • エピック(上位機種。柔軟な拡張性が特徴で、さまざまなオプションを装着できる)
  • スカーレット(下位機種。本体価格が1万ドルを切る比較的廉価なモデルだが、4Kの動画撮影と5Kの静止画撮影が可能)
  • エピック・ドラゴン(エピックのセンサーをドラゴンセンサーにアップグレードした製品。6Kの動画撮影が可能)

周辺機器[編集]

  • ガンナー(ハンドヘルドアクセサリー)
  • レッドレイ(デジタルシネマプレーヤー。開発中。バリエーションとしてプロユースの「レッドレイ・プロ」も発表されている)
  • レッドロケット(ビデオボード)

出典[編集]

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  1. ^ RPAs”. Reduser.net (2010年1月14日). 2012年6月21日閲覧。
  2. ^ Red Anamorphics”. Reduser.net. 2012年6月21日閲覧。
  3. ^ 当初は3月に公開される予定だった。
  4. ^ Quarter公式サイト

ウィキブックス[編集]

  • Red Camera on the Movie Making Manual(英語)

外部リンク[編集]

2012年4月1日にて「西華産業」より会社分割で設立