ルビー・スパニエル

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ルビー・スパニエル(英:Ruby Spaniel)は、中世イングランドで作出された愛玩犬種である。現在は個としての犬種ではなく、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのカラーバリエーションの一つとして親しまれている。

ルビー・スパニエル

歴史[編集]

ルビー・スパニエルはカムファターという愛玩犬種から分かれて派生した犬種で、のちにキャバリアとして統括されるピーラム・スパニエルプリンス・チャールズ・スパニエルマールボロ・ブレンハイム・スパニエル、及び統括前に絶滅したグレディン・スパニエルは兄弟筋の犬種である。ルビー・スパニエルはカムファターにオールド・イングリッシュ・スパニエルオールド・ウォーター・スパニエルなどの現在は絶滅した犬種を交配させて作出された。特にオールド・ウォーター・スパニエルの特徴を強く受け継ぎ、毛色はレッドになり、マズルと目の形が変わり、ほかの兄弟犬種とは違う特徴を身につけた。然しかつては犬種として認められておらず、公認犬種となったのも他の兄弟犬種より遅かった。それほど人気の犬種になる事も無く、第二次世界大戦時に数が激減するとキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルに統括された。

しかしながら、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルとルビー・スパニエルは姿が異なっており、独立犬種として復活させようという試みがアメリカ合衆国等で行われているが、まだ復元されたという報告はされていない。

特徴[編集]

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルと比べるとマズルは短く、胴が長い。背は平らで目はアーモンド型の小さな目なので、それを見てルビー・スパニエルは人相が悪い、 という人もいる。コートは柔らかいロングコートで垂れ耳・垂れ尾に飾り毛がある。毛色は濃いルビー一色が基本だが、時折黒い斑が入るものも居たといわれている。性格は遊ぶ事が好きで人をよく選んだと伝えられている。

参考文献[編集]

  • 『デズモンド・モリスの犬種事典』 デズモンド・モリス著、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年

関連項目[編集]